10 学園の食堂
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「トゥール! バローナ!
バルテス先生の教官室へ放課後行くように!」
昼休み前、2年生の担任教師からそう伝えられ、アマンダとクラリオーネは「「はい!」」と答えた。
顔を見合わせる。が、今は昼休み!
急ぎ足で食堂へ行き、席を確保すると日替わり定食をゲットし、食べ始めるといつものようにおしゃべりが始まった。
「アマンダ……、こんなに急いでくることなかったわね。
意外と空いて……、そうか! 3年生が午前で終わりだから?」
「あー、そうか!
みんな士官先の説明会やら、就職先への挨拶に行ったりが始まる時期だもんね」
「……ね、バルテス先生の用事、なんだと思う?」
「クラリオーネも思った?
もしかしてジュディスのことかなって?」
「そうよね。何か連絡があったのかも?」
「ところで気づいてる?」
「何?」
「1年のパトーキ嬢とタイラント嬢。
行動を共にしなくなって3日目よ。
何かあったのかしら?」
クラリオーネは一瞬動きを止めた。
「……すごいよく見てるわね!?」
「だって気にならない?
モンテル伯爵家に今の学園で一番近いのがパトーキ伯爵家とカーライル侯爵家じゃない!
なんか、ジュディスのことを知っているんじゃないかって、気になる……」
「確かに……あんなにずっと一緒にいたのにね」
食堂を見回すとタイラント嬢がひとりでテーブルについているのが見えた。
「どうする?
声かけてみる?」
「うーん、アマンダ、やめておきなさいよ!
よくあるトラブルかもしれないじゃない?
それに、放課後はバルテス先生の所に行くんだから、他に問題を抱えない方がいいわ」
そんなことを言い合っていたら、タイラント嬢のテーブルに3年生のイリーナ・フランカが近づいて声を掛けている姿が見え、アマンダが安心したように言った。
「良かった!
生徒会のイリーナ先輩が話を聞いてくれてるみたいね」
「ええ、良かったわ」
イリーナ・フランカ伯爵令嬢は生徒会の会計をしていた。もう生徒会の引き継ぎは終わっているが、学園の中でも皆に信頼されている先輩だ。
確か王城の女官になることが決まったと聞いている。
学園にいて、いる姿を見るだけでも、なんとなく頼れそうな安心感がある。
「バローナ先輩、トゥール先輩」
急に近くに立ち止まった女生徒に声を掛けられ、見上げた2人の前にいたのは……アンナ・パトーキだった。
2人が自分を認識したとわかった途端、テーブルにそばにしゃがみこんで声を潜めるアンナ。
「これ、ジュディスから預かってきました」
テーブルの上に封筒を乗せてくる。
「ジュディスから!?
なんであなたが!?」
アマンダが警戒する様に言った。
そう、アンナはジュディスに敵意バリバリだったから。
アンナはそんなことはすっかり忘れたかのような澄ました顔をしている。
「パトーキ伯爵家、カーライル侯爵家、モンテル伯爵家、ロイヤー子爵家は昔から仲が良いの。
大人の繋がりがあって。
だから、ジュディスも学園にいるあなた達に連絡を取るなら、私を使えばいいって思ったのじゃない?」
確かにジュディスが本当にモーリス・モンテルの婚約者ならば、学園内でアマンダとクラリオーネに伝言を届けられるのは、アンナかサーザぐらいしかいないか。
アンナがいかにジュディスを嫌っていても、ジュディスの婚約者とされるモーリス・モンテルはアンナの従兄と聞いている。
たぶんアンナの敵意はサーザがジュディスを追いかけていたことからだろうからその状態がなくなれば、身内、親戚ということか。いやいや、ルイザ・カンドールはジュディスは安全な所にいると言った……。
アマンダとクラリオーネは黙った。とりあえず、話を聞いてみようと思った。
それを納得と受け取ったアンナがまた言った。
「ジュディスからよ!
今、王都にこっそり戻っているみたい。
だいぶ良くなったから、王都の医者に診てもらうんじゃないかな」
それだけ言うと立ち上がりテーブルから離れていくアンナ。
読んで下さり、ありがとうございます。
いつもは週に1、2回の仕事なのですが、今週は研修や年に数回ある講師の仕事が入り、祝日以外は仕事となり、なんだかいつもより疲れてます。
今日も午後からです。でも、これが終われば休めるー!
夜の投稿はごめんなさい、おやすみします。
息子に「講師で30分歌って話したー。夏は喉、変にならんかったけど、この時期は厳しいな」と愚痴りましたら「公子って中国の王の子供みたいだね」と返されてふたりで大笑いしました。
「いや、女の子なら公主やな」と教えておきました。




