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7 正義の味方

どうぞよろしくお願いします。

「……3人の罪もない令嬢を卑劣な罠に嵌めるというの!?」


 ルイザが信じられないという表情でエルダを見た。


「ええ……、残念ながら。

 アンナのことを守るって口実だけど。

 母はもうアンナのことを切る気になっていると思うわ。

 だから、少々強引な手を使っても、アンナのせいにするつもりでしょう」

「なんとか! なんとか! 止めなくちゃ!!」


 イリーナがいてもたってもいられないという感じで何故か足踏みしている。


「イリーナ、落ち着いて。

 女性だけで行かなきゃいいのよね!

 タイラント伯爵令嬢、トゥール男爵令嬢、バローナ子爵令嬢。

 3日後、もうマシューはいない、か」


 マシューが何か言いかけるがイリーナが叫んだ。


「兄のダーシュがいますわ!

「王城の騎士団にいますので、どなたかの護衛についてもらいましょう!」

「それではタイラント伯爵令嬢にイリーナとダーシュについてもらいましょう。

 イリーナ、ダーシュにお願いできるかと、お休みが取れるかもあるでしょう?

 タイラント伯爵令嬢に学園の方から声を掛けることはできる?

 何かあったら相談に乗ると!」

「任せて!」


 ルイザが頷く。


「私とダグラスはアマンダとクラリオーネを!

 バルテス先生に連絡を頼みますわ!」

「……行かせないように止めるのではなくて?」


 ダグラスが聞いた。


「ええ、あくまで偶然的に上手くいかなかったという形にしないと。

 あ(・)ち(・)ら(・)が警戒しますものね」


 ルイザの言葉にエルダが笑う。


「あなたも十分に悪女の素質があるわ」

「やめてよ!

 私は正義の味方になりたいんだから!」


 笑いながらエルダはルイザ達と本心を語り合った時のことを思い出していた。




 まだ王妃の刺繍の会の前だ。

 エルダとサーザがマクダウェル公爵家に現れた。

 約束のお茶会の日時。

 ルイザ、ダグラス、イリーナ、そしてマシューがそこにいた。


「御招待ありがとうございます。

 カンドール伯爵令嬢」

「いらしていただきうれしいですわ!

 エルダ嬢……、というか、もうエルダと呼んでもいいかしら。

 いいかげん、やりにくいのよね」

「ふふっ、私はどちらでも。

 でも、あまり慣れ合うのは危険でなくて?」

「ふふっ、お互いそういう武装を解いて話したいのよ。本心をね」


 ルイザがじっとエルダを見つめる。

 先に目を逸らしたのはエルダの方だった。


「あなたが羨ましい。

 自分で判断して、好きな人と会って、人に好かれる……」

「そうね。

 私はそう好きに生きてるかも。

 エルダは……、苦しかったわね」


 エルダは寂しげな微笑みを浮かべて、ルイザを見た。


「ええ、苦しかったわ。

 したくないことをして、母の企んだことを上手くいかないようにと思っているのに協力しなくてはいけないこと。そう思っていることを疑われないように……、時には小賢しいアドバイスをしたりしてね。

 侯爵令嬢として完璧を求められていたこと……」

「そうね。

 あなたは完璧な侯爵令嬢だわ」

「やめて、空(むな)しくなる。

 サーザにジュディスが本当は夏に家出したと聞いて、ジュディスのことすらも羨ましかった……。

 私は苦しいと思っているだけで、そこまで行動に移せなかったから」

「守るものがあったからでしょ。

 やればいいじゃない。やり返した後で存分にね」


 ルイザが笑って、エルダも微笑んだ。


「それじゃあ、敵のことを知るために、そして真実を明らかにして、これからのことを考えるために!

 でも、その前にお茶にしましょう!」


 ルイザが明るくそう言った。

読んで下さり、ありがとうございます。

ここでエルダとルイザが手を組んだことになります。

刺繍の会の直前ぐらいのお茶会です。

ここで王都組は認識がだいぶすり合わされてますが、ロバートとジュディスにはなかなか連絡できていなかったことになります。

個人宅の電話はまだないからねー。

大学は灯りにガス灯、電気、それに大学内の連絡に内線を使っています。かなり最先端。発電設備も込みです。

後は鉄道会社が線路と同時に電線を張って連絡網として電信を使ってる感じ。

新しい大きな建物にはそんな設備が備えられてきてるけどです。


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