2 本当と嘘
またブックマーク増えてる!
うれしいです! ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
「すみません!
貼り紙の求人を見て!!」
ジュディスは店の入り口に身体を半分ほど入れて叫んだ。
店はまだ閉店中で奥から女性が出てきた。
ジュディスの母くらいの年齢だろうか?
もう少し上か?
「何だい?」
「外の壁に貼ってある求人の紙を見て!
雇って頂けないでしょうか!」
「んー?
何歳だい?」
「16歳です」
「名前は?」
「ジュ……」
本名はだめか!?
「え? ジ? ジニー?」
「はっ、はい、ジニーといいます!」
「その格好からすると、訳ありで勤め先を飛び出してきたってとこか?」
<訳あり? ん、確かに訳ありね>
ジュディス、改めジニーは頷いた。
「はい、その、親のようなおじさんとおばさんに無理やり嫁に出されそうになって!」
その女性は目を丸くした。そして笑い出す。
「そりゃすごい訳ありだ!
じゃあ、住み込み希望だね」
「はい!」
「こういう配膳とかの仕事はしたことあるのかい?」
「いえ、仕事としては初めてです」
寮の食堂で友人の分を配膳したりはあったけど、仕事ではない。
「そうか……、まあ、今日は、もう遅くなるし、お試しってことで。
おいで!」
女性にそう言われ、ジニーは定食屋の中に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ!」
ジニーの明るい声が響く。
おかみに言われるまま髪を結い上げて、白いエプロンを身につけてきぱきと働いている。
定食屋『一皿』は夕方から夜への客のピークを過ぎたところだった。
夕食を食べに来た客の波が引き、これからはお酒も込みで楽しむ客の時間帯となるそう。
「ジニー、今日はもう上がりな!
奥で夕食を食べてきな!」
定食屋のおかみ、ナオミがジニーに声を掛ける。
「はーい!
では、失礼しまーす!」
ジニーが奥の厨房の方へ消えると常連からナオミに質問が飛び交う。
「ジニーちゃん、どこから来たんだ?」
「かわいいよな。若いし……」
「ああ、なんか素直そうで!」
ナオミが大きな声で言う。
「ジニーは遠縁の子でね!
嫁入り前に預かっている大切な子だから!
変な声掛けたり、変な目で見たら、出禁にするからね!」
「うひゃー。ナオミの親戚かー」
「どういう意味だい、そりゃ?」
「いやー、マスターも大変だなって」
「そうだよ、うちの人も敵に回すぐらいの気持ちでいなよ!」
そんなナオミと常連客のやり取りは奥で夕食を食べるジニーの耳にも届いていて。
ジニーは少し泣きそうになりながらナオミの旦那であるマスターにお礼を言った。
「マスター、ありがとうございます……」
「いいって、訳ありなんだろ。
ナオミに任せておけば大丈夫。
これからの時間は酒飲みがだらだら食ってだべってる時間だからそれほど忙しくない。
今日はそれを食べたら上に上がりな。
ゆっくり休むんだよ。
それにしても、自分の子じゃないとはいえ、本人の意向を聞かずに嫁に出すとか、逃げてきて正解だよ、全く!」
<本当の父と母なんですが……、怒ってくれて、うれしいです。
なんだか、自分の中の怒りが、だんだん落ち着いてきて、申し訳ないとかそんな気持ちになりそうなのが、そうじゃないって思えます!!>
「おいしいです!」
「たくさん食えよ!」
「はい!!」
読んで下さり、ありがとうございます。
良かった! ジュディス、改めジニーの勘は正しかった!




