23 友人の繋がり
どうぞよろしくお願いします。
一月の末。
サーザはマシューと王都の図書館で待ち合わせをしていた。
学園帰りにどのようにアンナと離れようかと思案していたが、アンナは母親から連絡があり、急いで帰ってしまった。
今朝、母と姉がアンナの母親とお茶をするとか言っていたので、何かパトーキ伯爵家の方で用事ができたのかもしれない。
ほっとしながら、アンナの母親はマシューの母親でもあることに気づく。
そう思うと少し愉快な気持ちになり、サーザはくすっと笑ってしまった。
あれからルイザ・カンドール伯爵令嬢との連絡はなかなかつけることができていない。
バルテス先生に頼む……、バルテス先生はジュディスと仲が良かったのだから、サーザがカンドール伯爵家のルイザ嬢と話をしたいと言っても無理だろう。
マシューの方からだと、カンドール伯爵家との直接的な繋がりはないが、カンドール伯爵令嬢の婚約者であるマクダウェル公爵家との繋がりがある友人がいるとのこと。
前にジュディスとルイザ嬢が仲が良かったと教えてくれた人らしい。
その友人に繋ぎをつけてもらえないかと話をしていて、返事をもらえる話になっている。
図書館のエントランスに入るとマシューはすでに来ていて、貴族学園の制服を着ている女生徒と立ち話をしていた。
「サーザ!」
マシューに呼ばれて手を上げ、早足で歩み寄る。
「良かった、アンナが邪魔しなかった?」
「アンナはパトーキ伯爵家から連絡が来て、急いで帰ったよ」
「ん、なんだろな?」
女生徒に向き合う。
見たことがある。3年生の生徒会の……、会計だったかな?
「サーザ・カーライル侯爵令息ね。
私はイリーナ・フランカよ。
学園の生徒会役員としてなら知っているんじゃない?」
「はい……」
サーザは小さな声で答えた。
学園生ということはサーザとジュディスの……、サーザが追いかけてジュディスが逃げていたことを知っているということだ。
「イリーナ嬢はフランカ伯爵家で、マクダウェル公爵家の御子息達と従妹になるんだ。
それでルイザ・カンドール嬢とも親しい……」
「っていうより生徒会でルイザ先輩とは親しかったから!
ロイヤー嬢のこともそれで知ってる。
ルイザ先輩が生徒会に引っ張ってくるって思ってたけど、結局誘わなくて。
彼女2年生になったら、あなたから逃げ回るのに忙しそうだったものね。
で、とうとう学園からも逃げちゃった」
マシューの説明の途中からイリーナが話し出し、サーザの触れられたくないこともさらっと言った。
ここまで知られているなら、もう取り繕う必要はないとサーザは覚悟を決めた。
「その逃げたということにも問題があって!
ジュディスが困った立場にいるんです」
サーザは真剣にイリーナに訴えた。
イリーナも真剣な表情になり、マシューを見た。
「実はルイザ先輩からマシュー・パトーキと会って話をしたいと言われていて……」
「私と?」
イリーナが頷く。
「私がマシューと知り合いと知って驚いてた。
だから、今日、これからマクダウェル公爵家に行くわよ。
覚悟はいい?」
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