14 婚約者
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ありがとうございます!!
これからもどうぞよろしくお願いします。
「孫のシャルルの相手をしてくれて、どうもありがとう。
ロバートくん、だったね」
「はい、ロバート・マクダウェルです」
「……公爵家の?」
「はい、次男になります」
「先代とは騎士団で一緒だったことがあります。
そうですか。お孫さんは大学に。平和はいいですな」
ロバートは頷いた。
先々代の時代に隣国と戦争が起き、先代の時に和平がなったが……。
当時の貴族の子息といえば、騎士か軍務を担当する文官などそういう仕事についた者が多かっただろう。
「どこにお泊りのご予定ですか?」
ロバートは何気ない様子で聞いてみた。
「ここには私の古くからの友人がいましてね。
そちらの家に寄せて頂いています」
さすがに誰とまでは聞けずに少し困るロバート。
「図書館長様のお屋敷だよ!
ロバートさん! また、お話ししたいです!」
シャルルが言って、ヴァイス男爵が笑った。
「この子には姉がいるのですが、兄はいなくてね。
忙しいとは思いますが、時々、相手をしてやって頂けたら」
新年度になったらヴァイス男爵領に実地調査に行くことが決まり、ロバートは男爵達を下まで送るようにナイジェル教授に頼まれ、一緒に研究室を出る。
シャルルが大学の研究棟の階段を下りながら質問してくるのに答えていると、下から上がってきたアルに会った。
アルはシャルルやヴァイス男爵を見てから、またシャルルを見た。
「ジニーちゃんのお身内?」
「ジニー?」
ヴァイス男爵が言って、アルを見た。
「いえ、この子がジニーちゃんに似てるなと……」
「違うよ!
ヴァイス男爵とお孫さんだ」
ロバートがやんわりと言った。内心は心臓がバクバクだったが……。
「ああ!
『ヴァイスのリンゴ』のヴァイス男爵!
失礼しました!
薬学教室のアルフレッド、アルと申します。
悪かった、ロバート! じゃ!」
アルが慌てて上へ上がっていく。
「……ジニーというのは?」
ロバートはゆっくりと答えた。
「お、いえ、私の婚約者です」
「ほう!
もう婚約者がいらっしゃるとは!
おめでとうございます」
下まで3人を送るとシャルルに言われた。
「ロバートさん、またね!」
「シャルルくん、では、また!
失礼します」
男爵に礼をして階段を上り始める。
メージのところに泊まるとなると図書館はしばらく危険かもしれない。
まあ、ヴァイス男爵がどのように考えているか、ジュディスのことをどこまで知っているのかはっきりするまでは、ジュディスと会わないようにした方がいいだろう。
メージはわかっているだろうから『一皿』に連れてくるなんてことはないと思うが……。
ロバートの頭の中はいろいろな考えで渦巻いていた。
とりあえず、今日の昼は何とか時間を作り『一皿』に昼食を食べに行き、図書館はしばらく利用に気をつけることを伝えよう。
鉱物学教室へ戻り、再び、研究に戻る。
昼休み、アルとロブが鉱物学教室に顔を出して言った。
「ロバート!
『一皿』へ昼食食べに行こう!」
研究棟を出て歩いているとアルが言った。
「さっきの男の子、本当にジニーちゃんに似てたな!
目がさ!
あ、だから、ロバート、親切にしてたのか!?」
「違いますよ!
それにしてもアルの本名はアルフレッドだったんですね!」
「そう、アルフレッド。
ロブは何だと思う?」
「……前にジニーと話したんですけど、もしかしてロバート?」
「残念!
ロブジョイなんだなこれが!」
ロブが笑って言った。
「ジニーちゃんと話したなんて、ロバートの愛称でも考えてたの?」
アルも笑った。
「ロブがだめなら、ロイ、か?」
ロバートは少し悔しそうに頷く。
アルとロブが声を上げて笑った。
読んで下さり、ありがとうございます。




