11 鉱石の産地
どうぞよろしくお願いします。
「ロブが持って行ったのが薬学の方のでさ。
後、農学に急遽頼んだ3つ。
最初の4つが鉱物学なんだ。
ロバートに会っていくだろ?」
「あ……、はい」
少し赤くなりながら返事をするジニーにアルが笑いかける。
「ロバートが羨ましいよ。
でも、ロバートも急に忙しくなったみたいだね」
「お兄様達が来てましたから。
ちょこちょこお休みしていたのと、年始明けの忙しさもあるみたいですね。
でも、図書館で勉強していたら、会いに来てくれるって……」
そう言いかけてしまい、はっとするジニー。
アルはニヤニヤしている。
「いいなー、なんか気持ちがこうわきわきするっていうか、もきゅもきゅするっていうか……。
こっちも、うきゅーってなるね」
「……何ですか? その擬音?」
鉱物学教室のドアをノックするとロバートが開けてくれた。
「ジニー?」
「弁当便のお届けです!」
ジニーの言葉にアルが中にずんずん入って行き、4つの弁当を取り出してスペースのある机の上に置いた。
「じゃ、ジニーちゃん、ごゆっくり!
残りは届けてくるからね!」
「え、ありがとうございます! アルさん!」
ジニーは慌ててお礼を伝えた。
「おや、ジニーさん、ありがとう!」
ロバートの先生であるナイジェル教授が奥の机からこちらを見て声を掛けてくれた。
「こんにちは、ナイジェル先生!」
「少し、ロバートの研究でも見て行ったらどうだね!」
「えっ! お邪魔じゃなければ……」
他の2人の学生も「「どうぞ!」」と言ってくれる。
ジニーはロバートと微笑み合ってから、ロバートが案内してくれる机の方へ行った。
「これは鉱石ですか?」
不思議な虹っぽい光沢がある全体的に紫がかっているように見える鉱石だ。少し砕かれたものもビーカーに水と入れてある。
「ああ、検査依頼のあった物で、斑銅鉱ともう結果は出ているんだけど、ちょうど俺が研究したい分野で。
2つの金属を含んでいるんだ。
そのどちらも効率よく取り出すにはと研究してて」
「へえ、普通だと主な方を取り出して、残りは廃棄、ですか?」
鉄鉱石から鉄を取り出す過程を思い出しながらジニーが質問した。
「そうだね。
でも、もうひとつの金属がレアなものだとしたら、取り出したいよね」
「それはそうですが……。
鉄は鉱石を溶かして不純物を燃やしちゃいますよね。
不純物扱い?」
「うーん、その金属にもよるけど、どちらを先に、どんな方法で取り出すかによっても変ってくると思うんだ」
「あ、薬品を使う方法ですか?
でも、確か毒性が強い薬品ってことが多いんじゃ……」
「そうなんだよね。
環境に負荷がかかるってこともある」
「……環境にやさしい取り出し方法ができるといいです。
そんな研究ですか?」
「うん、まあ、そんなところ」
「環境に配慮した方法があれば、この鉱石の産地の方も喜びますね!」
「ああ、自然豊かな領地だね。
リンゴで有名なヴァイス男爵領で見つかった鉱石なんだ。
上手くいけば、リンゴ以外のもうひとつの事業になる」
鉱石を見ながら話していたロバートはジニーを見て驚く。
ジニーが目を丸くして驚いている。
「どうしたの?」
「ヴァイス男爵領……、あの、母方の……。
あ、母の故郷なんです」
『ジニー』の体で言い直すジニー。
「では、ヴァイス男爵はジニーの……、お、そ、知り合い?」
「はい、知り合い……ですね」
ロバートが慌てた。
そして「ジニーを送ってきます!」と言って、慌てて鉱物学教室からジニーを連れて出た。
「慌ててる?」
ジニーが苦笑しながら言うと、真面目な顔をしたロバートが言った。
「男爵が来るんだ」
「来る?」
「ここに!
結果とその後の相談に!」
「えっ? お爺様が!?
えー!!」
「年が明けてゆっくりしたらって、教授の元には連絡が来てるそうだ」
読んで下さり、ありがとうございます。
もうそろそろおじじ様到着しますよ。
シャルルが馬での旅を楽しんでいて、ゆっくり進んでます。
アルは見ていて微笑ま~というのと羨ま~という気持ちもあるので、キュンではないと。
わきわき、もきゅもきゅ、うきゅーと表現しております。




