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原因があなたであることは変わりませんっ!  作者: 月迎 百
第6章 隠されていたこと
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9 お見送りと呼び名

どうぞよろしくお願いします。

「では、ロバート!

 しっかりジ(・)ニ(・)ー(・)を守るのよ!」


 ルイザが汽車に乗り込みながら何度目かの念押しをロバートにしている。


「もう、大丈夫だよ!

 それより、王都の方の動き、よろしくお願いします」


 ロバートがダグラスとルイザとバルテスに、こちらも念を押すかのように見つめて言った。


「ああ、任せておけ!

 ふたりとも気をつけてな」


 ダグラスが弟のロバートと握手し、さらに空いている左手で肩を激励のように優しく叩いた。


「お元気で!」

「では! また会える時に!」


 汽車が発車するので、下がって見送りながら手を振るジュディスとロバート。

 汽車が遠ざかり……。


「楽しかったですね!

 ダグラス様も良い方で、安心しました!」


 ジュディスがロバートに笑いかける。


「あ……、楽しかったと言えば、ね。

 いや、俺は、そんなにかな?」

「そうでした?」

「ああ、この5日間、ジュディスと二人で過ごす時間がほとんどなかった」

「あ……、まあそうですね。

 でも、これからは……」

「これからは?」

「……認定試験の勉強もしなくては!」

「え?」

「ロバート先輩、勉強、見て下さいね!

 頼りにしてます!」

「先輩って……」


 悲しそうな顔をするロバートにジュディスが慌てる。


「え? その!

 勉強を見てもらう時は先輩って感じだなって!

 意味はないですよ! それだけ!」


 ロバートはジュディスの手を取って歩き始める。


「ジュディス。

 俺にもっと頼って欲しい。

 その、もっと恋人というか、婚約者らしく、なりたい。

 ……ジュディと呼んでもいいだろうか?

 2人だけの時にジュディスと呼んでいたのに、事情を知る者が増えると、みんなジュディスと呼ぶようになってきて」


 ジュディスは目を丸くしてから笑った。


「ジュディでいいんですか?

 ス、取っただけですけど?」

「他にあるか?」

「うーん、ジュ……、ディーとかは?」

「ディーじゃ男の子みたいじゃないか!」

「ふふっ、じゃあジュディで。

 ロバートのことは?

 ロブさんはもういますしね」

「そうなんだよ。

 するとバートか、ロイ?」

「ロイ!

 いいですね!

 ロイ!」

「ジュディ!」


 ふたりで顔を見合わせ笑ってしまう。


『一皿』の前まで戻ってくると、ロバートは手を振って大学の方へ歩いて行った。

 それを見送るジュディス。

 パン屋のマリアが「もうラブラブだね!」と店頭から声を掛けてきた。


「マリアさん!」


 赤くなるジュディス。


「婚約をしている仲なんだから。

 そんなに恥ずかしがることないじゃないよ、ジニー!」


 マリアが笑って言ってくれたので、ジュディスはすんなりジニーに戻れた。


「でも、ラブラブとか言われたら恥ずかしいですっ!」


 ジニーも笑いながら言って『一皿』に入る。


「おかえり、ジニー!

 これからランチだ!

 準備しておいで!」


 ナオミの声掛けに「はい!」と元気に返事して、ジニーは自分の小さな部屋に戻ると手を洗い、髪を結い上げるまとめ髪に直し、エプロンを身につけた。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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