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原因があなたであることは変わりませんっ!  作者: 月迎 百
第6章 隠されていたこと
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4 ヴァイス男爵領にて

どうぞよろしくお願いします。

「シャルル!

 自分の母親に向かってその言い方はなんだ!」


 ヴァルス男爵領の屋敷で男爵が孫であるシャルルに怒っている。


「嫌だから嫌と言っているんです!

 もう王都に帰りたい!」

「お父様!

 シャルルは自分の意見をきちんと言えるように、思うことは言うようにと日頃から育てて……」

「マリアンヌ!

 お前は甘すぎる!

 甘いというもんじゃないな!

 奴隷か!!

 シャルルのためになっていない!!

 すっかり舐められているじゃないか!!

 シャルル、来い!」

「わ、何すんだ!

 放せ!

 母様! お母様! 助けて!」


 ヴァルス男爵は顔を顰める。


「その口でさっき母になんと言うた!」

「何もできない母親なんて……、いなくていい……」

「で、自分に都合が悪くなると助けろか!

 お前の方が情けないわ!!」

「わっ!

 ごめん、ごめんなさい!」

「シャルル!!

 お父様! 待って!」


 シャルルを引きずる様にずんずん歩いて行ってしまう父を追おうとしたが、母に止められてその場に跪くマリアンヌ。


「ああ、どうして?

 どうして、上手くいかないのかしら……」

 ジュディスもシャルルも……。

 オフィーリア様が教えて下さったように……、心がけているのに」


 男爵夫人である母が言う。


「マリアンヌ。

 新しい……子育て? とかいうのは私達にはわからないけれど……。

 お前の子ども達に対する対応は、私でもおかしいと思うよ」

「でも!

 オフィーリア様がこれが最新の!

 しかも、きちんと裏付けがある方法だと!

 エルダ様もサーザ様もいい子に育っているわ!」

「……個人差ってものがある。

 母親にも子どもにもね。

 その……、シャルルにしている叱らない子育て? どうもシャルルには合っていない気がするよ。

 その反面、ジュディスにはお前、かなり厳しくて……。

 あの子の笑顔がだんだん減っているようで、ずっと気になっていたんだよ」

「……ジュディス。

 私、間違っていた……、ずっと」


 マリアンヌの母は、マリアンヌの隣にしゃがみこむ。


「ジュディスなら、きちんと話せばわかってくれると思うけれどね。

 いつ、ジュディスはこっちに来るんだい?」

「……ジュディスは、来ないかも」


 男爵夫人の顔が曇る。


「そうかい……、そりゃ残念。

 ジュディスが好きなリンゴジュース、取ってあるんだけどね。

 まあ、帰る時、持っていっておやり」

「……お母様。

 ジュディスはいないの」

「いない?

 王都にいるんでしょう?」

「違うの……、家出してしまったの!

 5ヶ月……、もう、半年になるわ!」

「どうして?」

「あの人がジュディスの嫌がる婚約を進めようとして!

 で、ジュディスが家出をしたのは内緒にして、学園には休学届けを出して……。

 でも、もう学園の規約で、これ以上通えないと退学になる期間を過ぎてしまって、退学に。

 そして、あの人が……、ジュディスはいないのに、次の婚約を決めてきたの!

 ここに私とシャルルが来たのは、ジュディスがここで療養しているっていう嘘の話に信憑性を持たせる……」


 マリアンヌはそれ以上言えなかった。


「何か……、大変なことが起きているみたいね?」

「はい……。

 私、もうどうしていいか、わからない!!」

「マリアンヌ、落ち着いて。

 ゆっくり話を聞かせて頂戴」

「でも、シャルルが……」

「シャルルはお父さんに任せておきなさい。

 大丈夫。あの子は男親とあまり過(すご)してないようだからね。

 きっと悪いことにはならないよ」 

読んで下さり、ありがとうございます。

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