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9 対決

ブックマークと評価とリアクション、ありがとうございます!

どうぞよろしくお願いします。

「それで何をお聞きになりたいの?

 高位貴族としてのマナーかしら?」


 エルダの嫌味をルイザは微笑みでかわす。


「それはマクダウェル公爵夫人が、未来の義母が教えて下さってますので、御安心を。

 私がお聞きしたいのは、モンテル伯爵令息のことです」

「モーリスのこと?」

「はい、学園ではモンテル伯爵令息がカーライル嬢を崇拝してましたわよね?

 それは何故でしょう?

 そして、何故……、彼と婚約をなさらないのですか?」

「っ! そんなこと、あなたには関係ないでしょう!」

「いえいえ、実は私の大切な友人が彼に婚約を申し込まれたそうで、おかしいなと思いまして」

「……ジュディスのこと?

 私がモーリスに言ったのよ。

 サーザとアンナが婚約したし、あのどこぞの領地に引っ込んだかわいそうなジュディスと婚約してあげたらと」

「カーライル嬢はお断りになった?

 学園でも熱烈に追いかけられ、それこそ庇護されていましたのに」

「私がモーリスごときと婚約するわけないでしょう!

 彼は従兄ですし、しかも伯爵家。

 我が家は侯爵家なのよ」

「でも、学園では、彼を利用されてましたよね。

 彼に言うことを聞かせる何か弱味でも……、例えば10年前のトラブルをご存じとか?」


 エルダが目を細めた。


「知っているの?」


 ルイザは微笑んだ。


「10年前、ジュディスがカーライル侯爵令息に対して、未だに許さないというようなことがあった、ということは」

「あれは!

 モーリスとアンナが勝手にやったのよ。

 私はその場にいなかったし。

 屋根裏のドアの鍵が、勝手にかかってしまったそうよ!

 それで、ジュディスが閉じ込められて、戻れなくなり、少し大事(おおごと)になったけれど……。

 私のせいじゃないわ!」

「そうですの……。

 じゃあ、カーライル侯爵令息もその場にいたのね」

「違うわ!

 サーザは私と私の部屋にいたから!

 失敗した時、疑われないように呼び寄せたのよ!」

「疑われないように……?」


 はっとしてエルダが口を閉じた。


「ということは何が起きるか、知っていた?」


 エルダは黙っている。

 もう話す気はないらしい。

 ルイザは立ち上がった。


「お話しはおしまいのようですわね。

 ありがとうございます。

 では、これで失礼しますわ。御機嫌よう」


 ルイザは素晴らしい所作でお辞儀をすると、その場から優雅に立ち去った。


 10年前、カーライル侯爵家で、集まった幼馴染の間で何か企まれ、そしてそれが事故になり、ジュディスが傷ついたのだろうということは推察できた。

 エルダがモーリスとアンナを使い、自分とサーザは後でばれてもお咎めがないようにアリバイを作り、そして本当はジュディスを人知れず客間に戻して何もなかったことにするはずが、ドアの鍵が壊れてしまい、ジュディスは閉じ込められ、大騒ぎになり家中の者に発見された、というところだろうか。

 そして、子どもの事故とされた?


 エルダはジュディスが家出をしていることを知らない。

 カーライル侯爵家の中でもジュディスの家出を知ってる者は少数しかいないのか?

 エルダのいた方を見ると、パトーキ伯爵夫人と令嬢がそちらのテーブルに近づき、椅子を増やさせてお茶を始るようだ。


 そして、サーザは過去に起きたことの真相を知らない……。

 なのに、ジュディスはサーザを許していない。


読んで下さり、ありがとうございます。

バチバチな女の戦いを書いてみたつもりなんですけど。

うまく伝わってるかな!?

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