7 それぞれの2人
どうぞよろしくお願いします。
「モーリスに聞いてみよう」
サーザの言葉にアンナが叫ぶ。
「もう、ジュディスとサーザは関係ないでしょ!?」
「でも! ジュディスがそんなことを了承するわけがないんだっ!」
バルテスが立ち上がり、まだ口論を続けようとする2人に部屋から退出する様に手で指し示す。
「卒業生が訪ねてきてくれているんでね。
その先の話は場所を変えてくれないかね」
サーザはぱっとルイザを見て、申し訳ない表情になり「お騒がせして申し訳ありません。バルテス先生、ありがとうございます。失礼します」と礼をして廊下へ出て行く。
アンナもこちらにぺこりと礼をしてから「サーザ! 待って!」と追いかけて行った。
ドアが閉まり……。
「今の2人が、ジュディスの幼馴染として先程名前が挙がったサーザ・カーライルとアンナ・パトーキですね?
でも、幼馴染というわりには……」
「そうなんだよ。2人とも1年生なんだが……。
ジュディスはあの2人というか、サーザ・カーライルから逃げ回っていてね。それなのにサーザはジュディスを追いかけるというか。待ち伏せされたり、2年の教室に現れたりがあったようだ。
そうなるとジュディスも学校内で会わないようにかなり気を遣っていたようだな」
ルイザは首を傾げた。
今、2人に会った感じでは、サーザはジュディスを心配し、しかも家出していることも知っているようだ。
アンナの方はジュディスに対する敵意を感じた。
まあ、婚約者であるサーザがジュディスを心配しているというのは、嫌な気持ちになるだろうが……。
「あまりにジュディスが逃げ回っているので聞いたことがある。
どうしてかと。
10年ほど前にトラブルがあり、サーザのことをどうしても許せないと言っていた。
詳しいことは教えてくれなかったが……。
ただ、サーザは心当たりがなくて、そのことも含めてジュディスと話をしたくて、困惑して追いかけている……感じだったよ」
「そうですか……。
あの2人にはジュディスのことは知られない方が良さそうですね」
「ああ」
その時、またドアがノックされ、ルイザとバルテスは顔を見合わせた。
「はい! どうぞ!」
バルテスの言葉にドアを開けたのは先程の2人より少し年長の……、ジュディスといたところを何度か見かけたことのあるふたりの少女だった。
「お話し中に失礼します!
あの! ルイザ先輩ですよね!
私、2年のアマンダ・トゥールと申します。
その、ジュディス・ロイヤーと友人で!
ルイザ先輩のお話を彼女から何度か聞いたことがあって!!
もしかして、ジュディスと連絡を取っていたり……することは?」
後ろの少女も前に出てきて礼をして言った。
「同じく友人のクラリオーネ・バローナです。
ジュディスは……、こんな風に、私達に何も言わずに学園をやめるような子じゃないんです!
何か、大変な目に遭っているのではと……」
アマンダとクラリオーネ!
ルイザが微笑んだ。
「ええ、最近やっと連絡が付きましたの。
ジュディスは元気です。あなた方に心配を掛けて申し訳ないと」
その言葉にクラリオーネがほっとしながらも悲しそうに言う。
「ジュディスは本当に母方の祖父母の所にいるんでしょうか?
それなら私達にも手紙をくれても……」
ルイザはゆっくりと言った。
「ジュディスは今、自分のやりたいことのために頑張っています。
まだ詳しいことは言えないの。
だけど、あなた方にはジュディスは大丈夫だと伝えて欲しいと」
アマンダの表情が明るくなる。
「大丈夫なんですね! ありがとうございます!
クラリオーネ! 私達もジュディスを信じて待ちましょう!」
「ええ……」
2人は礼をして部屋を出て行く。
「バルテス先生……、私、エルダ嬢に話を聞いてみようと思います。
……何か知っていそうです」
「エルダ・カーライルか……」
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