6 幼馴染
どうぞよろしくお願いします
「いない……?
では、どこに?
どこかに閉じ込められているとでも?」
バルテスが眉を顰める。なんとなく違和感は感じていたようだ。
ルイザは声を小さくした。
「ジュディスは別の所にいます。
年末に手紙が届いたんです。
夏の終業式の日に家出をして、現在、働きながら進学を考えているそうです」
「家出!?」
「はい、働きながら卒業認定試験を受けるとか」
「それは本当かね!」
「はい!
ジュディスは身を隠しているので、これ以上のことは言えませんが……。
ジュディスを守って下さるのなら……。
彼女を守る味方のひとりになって下さいませんか?」
バルテスは真剣な顔で頷いた。
ルイザはジュディスからの手紙を取り出した。
ルイザ宛の手紙だが、学園のことを心配した内容なので、バルテス先生に読んでもらった方が早い。
バルテスは驚きながら手紙を読み、「オブリス……、それにロバート!?」と呟いた。
「驚きました?」
「驚いた!
しかし、ロバート・マクダウェルなら、ジュディスの進学を支えてくれようとしてるのだろう。
私もうれしいよ」
ルイザはにっこり微笑んだ。
「2人とも私の大切な友人で、未来の義弟妹ですわ。
守りたいんです。
ちょうど、今月、ロバートを訪ねてオブリスに旅行に行く予定でしたの。
そこで、しっかり話を聞いてきますわ!」
バルテスは手紙をルイザに返す。ルイザがしまっているのを見ながら言った。
「……私も同じ時期にオブリスへ行こう。
図書館長が古い友人なんだ」
「はい、では現地で一緒に!
で、手紙にもありましたが、今年度、学園から大学へ進学する者がいないかと……」
バルテスが苦笑した。
「……今年はいないんだ。
頭の良い子、成績がいい子は、皆、王城の官吏になる予定だ。
だから、私もそこまで忙しくなくてね」
「まあ!
本当に彼女は強運ですわね!」
「まったくだ!」
その時、バルテスの部屋のドアがノックされた。
バルテスが「どうぞ!」と言うと、ドアが開き、少年と少女が現れた。
1年生のようだ。
少年が焦り気味に質問してくる。
「バルテス先生!
お聞きしたいことがあります!
ジュディス・ロイヤー子爵令嬢が退学になったというのは本当ですか!?」
バルテスが頷く。
「本当だ。先ほどロイヤー子爵から正式に話があり、受理された」
「まだ、家に戻ってきていない?」
その言葉にエルザは心の中で首を傾げた。
この子はジュディスが家出をしたことを知っている?
「祖父母の領地で療養してるそうだ。
でも、婚約が決まり、そちらの準備を始めるとのことだったから、だいぶ体調は良くなってきているということではないかな?」
「こ、婚約!? 誰と!!」
女の子の方が言った。
「ほら、サーザ!
私が言ったこと、本当でしょう!
モーリスが申し込んで、本当に決まったのよ!」
「アンナ!
それはおかしいよ!
なんでジュディスがモーリスと!?
ジュディスは家……」
言いかけて男の子は口を噤んだ。
この子がサーザ。そして女の子がアンナ。
さっき聞いた、ジュディスの幼馴染!!
ジュディスに頼まれたのは、アマンダとコーネリア。
この子達では、ない。
なにしろ、バルテスが、彼らのことを警戒している。
ルイザは気持ちを引き締めた。
読んで下さり、ありがとうございます。
ブックマークにリアクション。
反応があるとうれしくて頑張れます!
これからもどうぞよろしくお願いします。




