3 先輩と後輩
どうぞよろしくお願いします。
ロバートの部屋で夕食を食べて、学園の頃の話で盛り上がった。
ルイザ先輩やバルテス先生との思い出話は共通なことが多く、ジュディスにしてみればロバートとしかできない懐かしい話だ。
「生徒会でルイザから、ジュディスの話は聞いてたんだ」
「そうなんですか!?」
「バルテス先生からも少し。
大学の進学準備や必要な科目や成績など相談している時に、1年生で大学進学を考えているかわいい後輩がいるってね。
最初はわからなかったけれど、途中でジュディスのことではないかと思っていた」
「知ってたんですか!?」
「ああ、なんとなく視界の中に入ってくると追ってしまうというか……、見てた。
話を直接したい気もあったけれど、さすがに特に関りがない俺から声を掛けるのは……」
「……そうですね。噂になっちゃいますね」
ジュディスが笑った。
「ジュディスは俺のことは?」
「生徒会の書記の人だと思ってました」
ロバートががっくりする。
「それだけかぁ」
「あ、でも、ちゃんと覚えてましたよ。
私、あんまり直接関わりのない先輩の名前ちゃんと覚えてないんですけど……。
ロバート先輩はちゃんと顔も名前も覚えてました!」
元気になるロバート。
「そうだよな!
ディアスのことも覚えていなかったもんな!」
「ふふふ、そうでした!
ルイザ先輩、バルテス先生、それにアマンダやクラリオーネ……。
みんなにさようならも言えずに飛び出して来てしまったのは気になってます。
でも、まだ私は何者でもなくて。
もし、今、父に見つかったら、連れ戻されてしまう。
役所や警察も父の方の言い分が正しいと……、私の方が家出している……、この状況なら言うでしょうしね……」
「ジュディスはもう自立している。俺よりはるかにね」
「ふふふっ、そう言ってもらえるとうれしい!
ロバート先輩に勝った!」
「勝ち負けじゃないから!
でも、大学生になって、たとえ奨学金が貰えても、今のまま働き続けないといけないだろ?」
「そうですね……。刺繍の収入も安定してきましたけど、それだけじゃ生活できない。
『一皿』に置いてもらって、朝と夜の仕事をするから、昼は大学に行かせて欲しいとお願いするかなって感じですかね?」
「……その時点で、俺と一緒に暮らすって選択肢はない?」
「え?
あ、大学に入ったらって、私、言ったか!
うーん、その時になってみないと」
「そうだな。あまり焦らないことにするよ。残念だけど」
「残念って!?」
「本当に残念だからそう言ってる」
「もう、考えて下さいよ!
学園だったらまだ2年生なんですからねっ!」
「でも、もう婚約しててもいい頃だろ?
実際申し込まれてたんだし」
「……そういや、そうでした」
ロバートが考え込む。
「一度、家族に紹介したい」
「えっ!? 無理ですよ!!」
「年が明けてから少しして、兄とルイザがこっちに旅行に来るんだ。
その時にジニーとしてでいい。
結婚を考えている恋人として会って欲しい」
「ルイザ先輩には、ばれちゃうでしょが!?」
「……そこは事前に何とか伝えておく。ルイザにだけね」
「……大丈夫でしょうか?」
「ルイザなら、王都のロイヤー子爵家のことも聞けるんじゃないか?」
「……確かに気になってました。
私は休学になってるのか、もう退学になってるのか。
なんと理由をつけられてるのか……」
「ルイザに頼めば、ジュディスの友人達とも内緒で連絡がつくかもしれない」
ジュディスの緑の瞳がぱあっと明るくなる。
「じゃあ、ルイザ先輩に手紙書きます!
ロバート先輩、こっそり渡せる方法考えて下さい!」
「……その先輩っていうの。
もう、恋人になったんだから、ロバートって呼んでくれないか?」
「え? その、ろ、ロバート……」
ジュディスが真っ赤になっている。
ロバートが幸せそうに微笑む。
「なんですか、その満足そうな微笑みっ!
私だけ恥ずかしいのっ! ずるいです……」
「ふふ。幸せだなと」
「あ、ルイザ先輩に、大学進学考えている今3年の先輩がいないかとか……、聞けたりしませんかね……」
読んで下さり、ありがとうございます。
そうなんですよ。王都の様子がさっぱりです。
てなわけで、次の話は王都の方の動きをある方に探って頂きます!
先輩と後輩……、こんな名前のポケモンカードありましたね。




