11 追い出したら
子ども同士のいじめ的な表現があります。
苦手な方は気をつけて下さい。
どうぞよろしくお願いします。
その夜も母とシャルルは別の部屋で、ジュディスはひとりで小さめの客間を与えられていた。
ロイヤー子爵家のメイドは母の方についている。
侯爵家のメイドが様子を見てくれたが、それは定点観測のような本当に様子を見るというもので。
寂しくひとりで寝ようとしていた時に、サーザがやってきて言ったのだ。
「みんなで内緒で屋根裏探検をするんだ。
ジュディスもおいで!
連れて来ていいよって!」
『連れて来ていいよ』という言葉に少し引っかかったが、サーザが呼びに来てくれたのがうれしくて、寝間着の上に室内用の上着を羽織り、ベッドを抜け出してサーザと手を繋いで、こっそり使用人やメイドの目を搔い潜りながら階段を上へ上へ。
とても楽しかった。
この先の階段を上り切れば屋根裏部屋への入り口というところでマシューとモーリスが待っていた。
「あれ? エルダとアンナは?」
サーザの言葉にマシューが首を傾げた。
そこへアンナが来て「サーザ! エルダが迎えに来てって!」と言ったのだ。
サーザは少し困った顔でジュディスを見た。
「ごめん、エルダのところに行ってくる。
すぐ戻るから!」
ジュディスは寂しかったし心細かったけれど微笑んで言った。
「いいよ!
サーザ! 暗いから、階段、気を付けてね!
待ってる!!」
サーザだけが行ってしまうと、アンナがジュディスに言った。
「一番の下っ端なんだから、先に上に上がって、ドアが開くか確認してきなさいよ!」
「え?」
「サーザが言うみたい本当に怖がりなの?」
「怖がり?」
その時のジュディスはそこまで怖がりではなかった。
どちらかというと、7歳のわりにもう達観しているというか、家ではシャルルのことで手を離せないから、暗い廊下へ出て人を呼んできなさいと母に言われることもあり……。
「私は怖がりじゃないわ」
「へー、怖がりじゃないんだ」
モーリスがそう言い返すと、アンナが笑うように言った。
「怖くないのなら、上着もいらないわよね」
モーリスに捕まえられて、上着を脱がされた。
「寒い、返して!」
「怖くないんだろ!」
「ジュディスは怖くないんだって!
じゃあ、こうしても怖くないなら大丈夫よね!」
モーリスが両手を揃えるようにジュディスの手首を掴んで来て、アンナが細い紐でぐるぐる縛った。
「ほら、ここも通せ、片手ずつも縛るんだ」
「いや! 痛い!」
「怖くもないし~、痛くもないし~」
アンナが変な節をつけて歌うとモーリスが笑う。
マシューが「やめなよ」と言ってくれた。
するとアンナが「モーリス! この子を追い出したら、エルダが褒めてくれるよ、きっと!」と言った。
「エルダに言ってくれる?
俺がこいつを追い出したって」
「もちろん!!」
するとモーリスはアンナにランプを持たせて「ついてこい」と言って、ジュディスを屋根裏部屋の方に引っ張って行った。
マシューは「やめなよ! 僕は行かないからな!」と小さな声で呟いて、階段を下りて行ってしまった。
読んで下さり、ありがとうございます。
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どうもありがとうございます。
10月中旬は仕事の予定がほとんどなかったので、どんどん書き進めていたのですが、下旬から年末に向けて忙しくなりそうです。
投稿のペースがゆっくりになると思います。
これからもお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。




