↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/44

9 助けて

どうぞよろしくお願いします。

「おかえり……。

 ジニー、終わったのかい?

 大丈夫かい?

 ここんところ、ちゃんと寝てたのかい!?

 まあ、あの部屋は少々騒がしいかもしれないけれど」

「ご心配おかけしてごめんなさい。

 刺繍の方で大きな仕事を貰って。

 急ぎでしかも秘密にして欲しいっていう仕事で……。

 手元に持っていたくなくて、急いで時間を作って終わらせちゃった。

 ちょっと無理しちゃったかも……」


『一皿』に戻ってきて、ちょっとふらつくジニー。

 終ったというほっとした気持ちがどわーっと溢れ出して、身体中が疲れていてだるくて、重い。


「ちょっと!

 ジニー!!

 今日はもう寝なさい!!

 頭悪い子じゃないと思ってたから、何も言わなかったけど。

 こんな無理するのはだめ!

 身体壊すよ!!」


 ナオミがジニーの身体に触って驚く。


「熱もあるじゃないか!!

 早く寝なさい!!」

「ごめんなさい……」

「いいんだよ……。

 これまで気を張って頑張ってきた疲れが出たのかもね。

 ほら、階段を上がるよ!」


 ナオミに支えられて、2階の部屋に行き、寝間着に着替えてから洗面所に行き、寝る支度をするとベッドに強制的に寝かせられる。というか、もう寝るしかできない。

 カバンは机の上にナオミが置いてくれた。

 水分と消化のいいスープをナオミが持って来てくれて、なんとか食べ終える。


「食べられれば大丈夫と思うけど。

 寝てなさいよ」


 額に濡れたタオルを当てられた。


 ナオミが階段を下りている音がしている。

 ジュディスはうとうとしながら「ああ、夜になるからランプを点けとかなくちゃ……」と呟いた。

 デスクの上にランプはある。

 でも、もう身体が動かない……。




 ふと目が覚めた。

 暗い……、窓の方を見ようとして、何か顔の上に被さってる。

 いやだ……、苦しい……。

 あれ、これ、夢?

 いつもの屋根裏の夢?

 全身に巻かれた毛布を外そうとするけど、手が上手く使えない。足も。

 口に毛布が張り付いたらいやだ、息ができなくなるかもしれない!

 急にそんな恐怖に襲われる。

 いやだ! いやだ!

 懸命に手を動かすけれど、なかなか手が動いてくれない。

 どうしても結び目が解けない。


 夢?

 それとも今起きていること?


 手をつかまれた。

 誰?

 でも、とにかく今は助けて欲しい。


「た、助けてっ!」

「助けるから!

 大丈夫だから、ジュディス!」


 自分の名を呼ばれて我に返った。

 いつもの下の階のお客さん達の話し声が戻ってくる。

 目が開く。

 いつもより暗い。

 ランプを点けられなかったからだ……。

 誰かがそばにいて、支えていてくれる。

 ぼんやりとした明かりの中にいたのは……。


「気が付いた?」

「……ロバートさん?

 なんでここに?」

「ナオミさんが様子を見てきてくれって」

「……なんでロバートさんに!?」

「一番信用されてるから」

「えー」

「助けるには何をしたらいい?」

「……机の上の安全ランプ。

 引き出しにライターがあるから点けて欲しい」

「わかった」


 ロバートはそっとジニーをベッドに寝かしつけると、机の方に行き、窓の明かりを頼りにランプを点けてくれた。


「ありがとうございます。

 机の上で。置いといてくれれば」


 ロバートがベッドの方に来て、ハンカチを取り出すとジニーの額の汗を拭いてくれる。


「あ、ごめんなさい!

 タオルならある!」

「いい、これ使え。

 拭いたら、水飲むか?」

「はい、飲みたいです」


 素直にジニーは呟いた。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。