2 悪夢の原因
どうぞよろしくお願いします。
寮の食堂は一番乗りで、寮母のミーナに「おはよう! 早いわね!」と驚かれた。
「目が早く覚めてしまって。
早めに教室へ行き、勉強しようかと」
ジュディスの言葉に微笑むミーナ。
「あら、それは素晴らしい!
期末のテストの結果が楽しみですね!」
その言葉を聞きながら、ジュディスは朝の定食を受け取り、テーブルに着くと食べ始めた。
ミーナはそのまま、話し掛けてくる。
「ジュディス嬢は1年の頃から5本の指に入る秀才ですからね」
ジュディスは曖昧に笑う。
確かに1年の頃からジュディスの成績は良い。
それはジュディスが大学に行きたいと思っているからだ。
ロイヤー子爵夫妻には反対されるだろうが、なんとか、奨学金を貰えるくらいの成績を取り、自分の力で行ければとそんな希望を持っている。
「ごちそうさまでした!」
食器を下げ、ジュディスはミーナに「行って参ります!」と挨拶して食堂を出て行った。
その時、食堂に入ってきた友人のアマンダとクラリオーネに驚かれる。
「ジュディス、早い!!」
「まだ食べてるかと!」
「ごめん!
食べ終えちゃった!!
教室でね!」
去っていくジュディスを見て男爵令嬢であるアマンダと子爵令嬢であるクラリオーネは顔を見合わせる。
「やっぱり、気にされてるのかしら?」
クラリオーネの呟きにアマンダは頷く。
「そうね。でも、あんなに避けてるのに、あんなに寄ってくるなんて、カーライル侯爵令息も何を考えているんでしょうね!?」
「それは! ジュディスが好きなのでしょう?」
「でも、ジュディスは嫌がってるわ。
さ、私達も早く食べて、ジュディスを追いかけましょう!」
まだ誰もいない。
それなのにこれからの混雑を感じさせるように遠くからお喋りの声が聞こえる。
この時間がジュディスは好きだった。
これから新しいことを学んでいく!
このたくさんの先輩方が学んで行った学び舎で!
2年の教室に入り、前から2列目の窓際の席に座る。
何となくここが2年生になってからのジュディスの定位置だった。
そこでノートと教科書を開き、今日の授業の予習を始めた。
気づくと教室に学生達が増えていて、アマンダとクラリオーネもジュディスの後ろの席に並んで座った。
「はあ、空いてて良かった!」
アマンダが笑い、クラリオーネが「ジュディスが席を取っておいてくれたらいいのに!」と唇を尖らせる。
「それは校則違反よ」
ジュディスは教科書とノートを閉じて、後ろを向き微笑んだ。
アマンダが顔を顰める。
「ジュディス、振り向いちゃダメ」
「……来てる?」
「ええ、カーライル侯爵令息が……」
クラリオーネがため息をつく。
「一度くらい、ちゃんと話してみたら?
最近、彼に同情的な声も大きくなってるわよ.
相手は年下よ」
「……会いたくないの。
顔を見るのも嫌」
「ジュディスって見かけと違って、本当に頑固ね」
アマンダがジュディスとクラリオーネに困ったような笑みを向ける。
「クラリオーネ。
ジュディスは本当に嫌がってるから……。
ね、ジュディス。
彼があなたの怖がりの原因なんでしょ?」
「……ええ、そう。
彼が原因。だから、もう会いたくないし、見たくもないの」
読んで下さり、ありがとうございます。
いわゆる同じくらいの下位貴族令嬢仲良しグループみたいな感じです。
寮の部屋も近いし。




