↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/36

少し長めの序章 10.王都への道中~ステータスの確認~(その2)

(やっぱ……これはアレかね、〝眠っていた能力が危機に瀕して目覚めた〟――ってやつなのかね?)



 そうなると何を措(お)いても気になるのは、現在の自分が直面している〝危機〟とは一体何なのか――という事である。


 論理的に考えるなら、〝自分が聖女に認定される事〟――これ以外には無いように思えるのだが……



(いやいや、焦って先走っちゃいけないよ。まずはステータスの件から考えなくちゃね)



 幸いに、前世で過ごしたウン十年――女の歳を訊くもんじゃないよ――の記憶があるお蔭で、子供らしからぬ冷静な判断を下す事ができる。この点は神様だか仏様だかに感謝してもいいだろう。

 ……その〝子供らしからぬ〟態度のせいで周囲の不審を買っているという事には、未(いま)だ気付いていないクリスであったが……今はその件は措(お)いといて、



(……魔力とか防御値とか敏捷値なんてのは、目立たずに検証しようったってできるもんじゃないし……)



 魔力の大小は魔法の効果で検証するしか無いだろうが、今のクリスは魔法の使い方など碌(ろく)に知ってはいない。魔力の大小を測れるほどの魔法を使えるかどうかは疑わしいし、何よりもいきなり目立つ魔法を使い出せば、どうしたって怪(け)訝(げん)に思われるだろう。


 防御値というのは、確かクリスの知識に拠(よ)れば、魔法や物理の攻撃に対する抵抗力だった筈だ。つまり、攻撃を受けた場合にどの程度耐えられるかを表した数値であって、それを可視化するためには、攻撃を受けてみるより他は無い。いや、然(しか)るべき研究機関には測定機器もあるのだろうが、この場で測るにはそれしか無い。……そんな真似などできるわけが無い。


 敏捷値は行動の素早さを表した数値であるから、素早く動けるかどうかを確認すればいい。これなら何とかなりそうな気もするが……十歳の幼女が人外の速度で街道を驀進(ばくしん)したりすれば、聖女変じて魔物扱いである。確かめるにしても人目を避け得る山の中とかでやるしか無いし、それは即ち今ではない。今の時点で検証できるのは、もう少し人目に付かない能力値になるだろう。



(……そう思って筋力ってやつを確かめたんだけど……)



 思い返せば、自分たちのような子供が二人がかりでも持ち上げられないものを、村の男共は軽々と運んでいた。という事はつまり、大人の筋力は子供の倍近いという事だろう。

 翻(ひるがえ)って今の自分は、大人の平均値に迫る筋力を持っている筈なのだが……



(……普段の力加減は、以前と変わっちゃいなかったね。ただ……ウンと力を籠めりゃ、重いもんも動かせるようになってたっけ……)



 してみると、普段の力はそのままに、出し得る筋力の最大値が上がったという事なのだろうか。結論を出すには今少しの検証が必要であろうが……他のステータス値もこれに準じた仕様になっているのなら、そこまでボロは出にくいような気がする。希望的観測というやつかもしれないが、とりあえず今はそう考えておこう。



(そうすっと……次は愈々(いよいよ)、お待ちかねの「スキル」ってやつかね)



 正直な話クリスとしては、聖女に認定される事が自分にどういう危険をもたらすのか、そっちの方が気懸かりなのであるが……その危機に対するべくスキルが目覚めたというのなら、先にスキルについて検証する事で、直面する「危険」というものの内容を知る事ができるかもしれない。


 そう考えると、やはりスキルの検証を先にするべきだろう。

 クリスは改めてステータス画面に目を遣(や)った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。