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天上の不適合者~クソクラスと言われた式神使いで世界を歪めた者たちへ反逆する~  作者: 風間悟
第1章:2人の不適合者

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8/11

小さな偉業③ 報酬

「さて……」


 流石に疲れた。

 だが、その前に確認することがある。



「オープン」



======================


 守護者:神薙和人

 クラス:式神使い

  契約式神:2体

  契約可能数:0 → 3体

 レベル:2 → 5(EXP:10000/40000)

 称号:ゴブリンスレイヤー


 体力:200 → 500

 魔力:300 → 900

 筋力:11 → 14(+100)

 耐久:11 → 14(+100)

 敏捷:11 → 14(+100)

 感応:11 → 14(+100)

 幸運:11 → 14(+100)

 スキルポイント:1 → 4


======================



======================


"称号獲得"

 称号『ジャイアントキリング』


  遥か格上を倒した者だけが得られる名誉


 効果:

  レベル差が10以上離れている場合、30%の特効を付与


 称号における共通の制約:

  称号を付け替えた際、消滅する。

  称号をストックすることは出来ない


"本称号に付け替えますか?"


======================



「おぉぉぉ」


 思わず、そんな声が漏れてしまった。


 レベルが想定以上に上がっていたこともそうだが、新しい称号まで。


 倍率は控えめだし、ゾンビ戦法が使えなくなるのは心苦しい。


 それでも全ての敵に適用されるのは魅力的だし、俺の敵は天上だ。ゴブリンじゃない。なので、考えるまでもなかった。



「付け替える」



======================


"称号変更を確認"

 『ジャイアントキリング』へ変更を行いました


======================



「ふぅぅぅ、少しはこれでマシになるな」



 流石にずっとゴブリンスレイヤーというのも嫌だった。とはいえ半年付き添ってきた奴だし、この勝利もアレがあったからこそではあるから、名残惜しさはある。


 まぁ付け替えてしまったし、いつまでも感傷に浸るつもりもない。前を向こう。



「さて……、ボスのアイテムは、と」



 低ランクのデッドダンジョンは美味くない。

 だがそれは道中の話で、ボスに限ればそうでもない。経験値もそうだが、何よりボスから手に入るアイテムはレア物である確率が高いのだ。


 そうして、レッドオークがいた所に視線を向けてみれば、1()()()()が落ちていた。



「刀……か」



 それを手にし、確認してみる。



======================


 武器:『鬼神刀』 ランクD

 鬼の力の一部を宿した刀


 攻撃力+100


 効果:

  同じ敵を斬り付ける度、攻撃力が10上昇(最大50)


======================



「いや、普通に強いな……」



 俺がさっきまで使ってたのは、守護者ガーディアン用に加工された日本刀。その攻撃力は20なので、5倍の性能差だし、追加効果で更に最大50も上乗せ出来るという。


 これはありがたく使わせてもらおう。



──ブゥンッ!



「ん?」


 鬼神刀を回収すると、真横にウィンドウが表示される。一体何だろうかと思い、確認する。



"『式神使い』によるダンジョンソロ攻略を確認"

"追加性能の解除を行います"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

"解除を確認。今後、魔石を使用することで、契約できる式神を増やせるようになりました"


"ダンジョン攻略時点のレベルを参照"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

攻略不可能レベルでの攻略を確認しました"

"追加の報酬を……"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

"ERROR"




「?」




"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"



「なんだ……これ」



 最初の性能解除についても気になるが、その後の大量に表示されてくるエラー画面、これはなんだ?



(攻略不可能?確かにレベル1で、このダンジョンを攻略出来たこと自体、奇跡ではあるが……)



 それにしたってこれは一体……。

 それからもウィンドウにはエラーが表示され続ける。


 それを眺めていれば──



"ERROR"

"ERROR"

"ERROR"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

"システムへの介入を確認。排除を……"

"はははは、はいじょ"

"他はgjガタがm@.p.@M46らた942た"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

"神の想定を超えたことを確認しました"

"神薙和人かんなぎかずと。貴方が()()()であるか、見極めさせて下さい"



「逸脱者? ……いやまて、これは!?」



 介入という文字についても気になるが、それ以上に気になるのはコレだ。


 本来、ウィンドウに表示されるのは機械的な内容なだけのはず。にも関わらず俺個人を呼び、更には見極めさせろという内容が表示されている。


 明らかにこれは、誰かの意思がないと不可能なことだ。


 つまり──



「お前、まさか()()か!!」



"その問いに答える時間はありません"

"が、そう呼びたければご自由に"



「ずいぶんと、舐めた態度だな。お前らの所為でどれだけの人たちが!!」



"そうですね。ですが、今はどうでもいい"



「なんだと!?」



"時間がない"

"私から貴方に報酬を贈ります"

"本当に逸脱者であるというのなら、生き抜きなさい"

"今から1年後、()()が起きます"

"生き残って、見事傷跡を残せたのなら、その時にまた会いましょう"



「厄災だと!? どういうことだ!!」



"それを伝えるだけの時間はない"

"ですが、貴方が()()()()()()()()()()()であることを願う"


「何?」



"それではまた、1年後に会いましょう"

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

"システムの復旧を確認"

"追加報酬を授与します"



======================


 装備:『叛逆の指輪』 ランクS

 登録者:神薙和人かんなぎかずと


 効果:

  取得経験値が10倍となる


======================



"報酬の授与完了"

"これより、ダンジョンを消滅させます"

"中にいる者を強制的に排出いたします"



「はっ!? いやまて! まだ何も分からないことだらけなんだぞ!! 何勝手に──」



"排出"



 最後にそのウィンドウが見えた瞬間、俺たちは光の中に包まれていった。




"神薙和人かんなぎかずと。貴方の世界が、これ以上悲しみに包まれないことを祈ります"




()()()()()()()()()()



***



「俺たちを排出しようとして──」


 光に包まれたかと思えば、見覚えのある景色がそこには広がっていた。



「本当に、外に、出された……」



 バッと、門があった方向を見るが、そこにはもう()()()()()()


 はじめっから存在していなかったかのように、何もない土地だけが広がっている。



「くそっっ!!」



 千載一遇のチャンスを逃した。

 この50年、向こうからコンタクトしてくることなんて、一度もなかったと言うのに……。



(それに、厄災? どういうことだ、まったく!!)



 何一つとして分からなかった。


 だが確かなのは、あいつは俺のことを見ているようだ。だとすればこの先、生き延びた先で、奴が言っていたように、再びコンタクトしてくるだろう。



──キュルゥ……

──チュン……


「……そうだな。色々疲れたし、戻るか」



 考えても仕方ない。

 服はボロボロ、体中血まみれ。

 さっさと帰って風呂に入ろうと、思考を切り替える。


 そして明日にでも協会に顔を出そうと考える。

 十中八九信じてもらえないが、自分一人で抱えるには大きすぎる内容だった。





──ごほんっ!!



「ん?」



(何やら、後ろから咳き込みがあったな?)



 恐る恐る後ろを振り向いてみれば、三人の男女が俺たちを見ている。


 一人は恰好からして同じ守護者ガーディアンのようで、唖然とした表情のまま、俺を見ている。


 そして他の二人は見たところ、守護者協会の………………。



(え、なんでいるの? 俺、ちゃんと許可取ったよな!?)



 あの許可は嘘で、実は俺をハメる罠だったのか?と、思考がパニックに陥る。


 それに、あのクソ局員ならあり得ると、容易に想像できた。


 なにせ、俺に消えてほしいと切に願っていたくらいだ。こんな罠を仕掛けるのもお手の物のはず。



 だらだらと冷や汗が止まらない中、協会の人と思しき、一人の男性が俺の方へと近づいてくる。



(どうする。同じ守護者ガーディアンがいる以上、逃げることはできない)



 そもそもの話、そんなことをしてしまえばお尋ね者になってしまう。それだけは避けたかった。



(いや、ここは堂々としよう)



 俺は何も悪いことはしていない。

 ちゃんと許可を取った。うん、そう信じよう。


 なので、毅然とした態度で打ってでる。



「協会の人がなんでここに? 俺、きちんとダンジョンの入場許可は取ってたはずですが……」

「安心してほしい。それは我らも確認している」



 それを聞きほっとする。

 どうやら捕まることはなさそうだ。


 まぁそれはそれで、別の疑問が出てくるわけだが。



「なら、なんで協会の人と、同じ守護者ガーディアンがここに?」

「君、自分が何を成したのか、理解していないのか?」

「? ただダンジョンを攻略しただけですが? 確かにデッドダンジョンで、何度も死にかけましたが、本質は何も変わらないでしょう」



 そう答えてみれば、その男性は目を見開きながら、俺を凝視する。さながら子供が好きな物を見つけたかのように、キラキラと輝いて見える。


 そして、さっきまで固まっていた守護者ガーディアンの人が、『そんなレベルの話じゃないだろ!』と、叫ぶ。



「お前、自分のランクが何なのか分かってるだろ!」

「Fランクはダンジョン攻略が不可能。それが?」

「お前……」


「そんな常識どうでもいい。強くなるために、そして()()()()()()()()()()()()()()ためなら、この命くらい、いくらでも懸けてやる」

「っ!?」


()()()()()!!」

「は?」



 そう豪語してみれば、その局員はガシッと、俺の身体を掴む。


 いや、そもそもの話、これは一体どういう状況だ?



「君はまさしく、私が求めていた呼び水だ」

「なんの、話を……」

「天上の者たちを倒す。そうだ、それが聞きたかった! この3日、待った甲斐があったよ」

「さ、笹倉室長? 一体、どうしたと……」


(笹倉!?)



 確か、守護者協会日本支部のナンバー2で、作戦立案から守護者ガーディアンの管理などを一手に引き受けてる(押し付けられている)、生粋の苦労人。


 この人がいるから、まだ日本が残っていると言われるほどの大物だ。


 なんでそんな人が……。



「倉瀬3等星。君の言った通り、彼には()()があると思わないかな?」

「……俺は一般的な守護者ガーディアンでしかない。実際にそうかはまだ分からないですよ」

「構わないさ。少なくとも彼にはその片鱗がある」

「は? いやだから、一体何の話を……」



 意味が分からない。戻ってきたと思えば、今度はよく分からないいざこざに巻き込まれている。


 頼むから帰らせてくれないか。



「さぁ、立ち話はこれくらいにして、()()()()()()か」

「は? あの、俺の意思は?」

「すまないが、少しだけ我慢して欲しい」

「え˝」



 ガシッと、笹倉さんに今度は腕を掴まれ、ずるずると引きずられる。



(は?なんで守護者ガーディアンでもない人がこんなに力強いんだ?)



「はぁ……、笹倉さん、大丈夫なのか?」

「さ、さぁ?」



「ははははは! さぁ、我々と戻ろうか」

「いや、頼むから誰か、この状況を説明してくれ、頼むから!!」



 そんな嘆きも虚しく、俺は結局彼らと共に、協会へと連行される羽目になった。




──────────────



 守護者:神薙和人

 クラス:式神使い

  契約式神:2体

  契約可能数:3体(追加契約まで、0/5000)

 レベル:5(レベルアップまで、10000/40000)

 称号:ジャイアントキリング


 体力:500

 魔力:900

 筋力:14(+100)

 耐久:14(+100)

 敏捷:14(+100)

 感応:14(+100)

 幸運:14(+100)

 スキルポイント:4



──────────────



 クラス『式神使い』


 式神と契約し、共に戦いながら成長する者

 契約出来る式神は、レベルを上げるか、特定条件を満たすことで増やせる


 式神には格があり、格に応じて、体力と魔力以外の全ての能力値に補正をかける


 4級:1体につき、能力値50上昇

 3級:1体につき、能力値70上昇

 2級:1体につき、能力値100上昇

 1級:1体につき、能力値150上昇

 特級:1体につき、能力値200上昇


 式神の格は、特定の条件を満たすことによって上がる


 制限解除:

  魔石に内包されるエネルギーを抽出し、一定値を超えると、契約できる式神が1体追加される

 (魔抽:0/5000)


 制約:

  レベルを上げるには通常の20倍、経験値が必要

  魔石のエネルギーを抽出するには、己の力で魔物を倒すこと



──────────────



 称号『ジャイアントキリング』


  遥か格上を倒した者だけが得られる名誉


 効果:

  レベル差が10以上離れている場合、30%の特攻を付与


 称号における共通の制約:

  称号を付け替えた際、消滅する

  称号をストックすることは出来ない

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