表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天上の不適合者~クソクラスと言われた式神使いで世界を歪めた者たちへ反逆する~  作者: 風間悟
第1章:2人の不適合者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

式神使いという不適合者④ レベルアップ

─── 鎌倉デッドダンジョン 2層 ───


「うぅぉぉおぁぁあ!!」


「ぐぅぉあぁおおお!」


 既に何時間ここにいるのかは定かじゃない。倒しても倒しても、奥からオークが湧いてくる。


(右、しゃがむ、前、バック!)


 何度も戦っているうちに、ギリギリながらも、余計な動作なく避けられるようになってきている。


 それに、攻撃が掠る程度なら、ただ骨が折れたり、肉が抉れるくらいでしかない。その程度なら、称号の効果でダメージを与え続けていれば、いつかは勝手に治る。


 それもこれも、ゾンビ戦法が使えるからこその芸当だがな。



「コノエ、一旦戻れ!」


──キュル!


 そう指示すると、ポンッと、コノエがこの場から消える。そしてオークから十分距離を取り、パンッと、両の手で合掌する。


「召喚!」


──キュルル〜



 式神は一度召喚すれば、自前の魔力で戦うことが出来るし、回復だってする。だが、消費する魔力が回復を上回る場合は、こうして一度戻してから再召喚する方が効率がいい。


 それに、式神を召喚する以外に魔力の使い道なんてないんだ。遠慮なく使っていくべきだ。



「行くぞ!」


──キュルゥゥゥ!!



 そんな戦い方をひたすらに続け、戦うこと数時間。ようやくオークの群れを討伐しきることを成功する。



「はぁぁぁ……、疲れたぁぁ」


──キュゥゥゥ……



 コノエと共にぐったりしながら、休憩を挟む。休みなく戦い続けたこともあり、疲労感が半端ない。



(水飲んで、なんか食おう……)


 バッグから水と携帯食料を取り出し、コノエと分ける。


「はぁ……、生き返る。…………にしても、オークの群れが来た時は、死を覚悟したわ」


──キュゥゥウ



 途中オーク一体分しか通れない道を見つけて、そこに誘い込めたから、事なきを得た。正直言って、命が幾つあっても足りないだろと思う。


(刀はさっきの戦闘で1本折れ、残りは2本……か)



 こんなことなら、もう少し作ってもらえば良かったと和人は後悔する。


 が、後悔したところで状況が良くなる訳でもない。

 それに、考えることは他にもあった。



 それは──



「オープン」



======================


 守護者:神薙和人

 クラス:式神使い

  契約式神:1体

  契約可能数:0 → 1体

 レベル:1 → 2(EXP:3000/40000)

 称号:ゴブリンスレイヤー


 体力:100 → 200

 魔力:100 → 300

 筋力:10 → 11(+50)

 耐久:10 → 11(+50)

 敏捷:10 → 11(+50)

 感応:10 → 11(+50)

 幸運:10 → 11(+50)

 スキルポイント:0 → 1


======================



「はぁぁぁ、()()()()()()してるぅぅ」


 道中で倒した奴も合わせて16体も討伐していたらしく、いつの間にか、レベルが2となっていた。


 とはいっても、感動よりも、ようやくかぁの方が強く、そもそもレベルが上がる感覚なんてなかった。



──キュゥ、キュゥ!!


 コノエが尻尾をピンと立てながら、こっちに向ける。なんとなくやりたいことが分かったので、ハイタッチの姿勢を取れば、ペチンと、コノエの尻尾が当たる。


「ありがとな、コノエ。……にしても、レベルが上がっても、ステータスが1しか上がらないとか、なんちゅう嫌がらせを……」



 もしかしたら、式神使いの特性上、そういう仕様になっているのかもしれない。何せ、契約できる式神の数が増えれば増えただけ、強くなるのだから。



(追加された契約数は1。つまりこれで実質倍の強さを手にしたということか。……ステータス100だと、確かレベル6相当だったか?)



 守護者ガーディアンの強さは、レベルに依存している。


 その中でもレベルが10に到達すると、クラスと本人の資質に合わせて、ステータスに補正が入る仕組みが存在する。


 クラスや個人差にもよるが、補正前後で計算すると、最低でも3倍程度は強くなる。



 それを鑑みれば、ステータスが50ずつ上昇する和人の場合、レベルが10になった時点での強さは、補正込みと比べても少し弱い程度になるだろう。



 だからこそレベル以外による、式神を増やす手段が急務なのだ。



「ま、考えても仕方ない。それより、契約出来る式神が増えたんだ。早速新しい仲間を増やそう」



──キキュゥゥ!



 立ち上がり魔力を練り上げる。

 頭の中で、どんな式神と契約するべきかを構築する。



(今の俺に必要な要素……)



 式神との契約。よく創作では、怪異や土地神などと契約するイメージではあるが、『式神使い』の契約はそれとは異なる。


 自身のステータスを参照し、様々なパラメーターを設定していく。そうして設定し創り出した空虚な器に魔力を流すことで、初めて式神が誕生する。



(よし! 構築、完了)



──パンッ!



 両の手で合掌し、足元に契約陣を構築する。それから頭に浮かんだ、契約に必要な呪文を口ずさむ。



"契約者の名において命ずる"

"汝、天上へ叛逆せし、守護者であれ"

"我、天上へ叛逆せし、守護者なり"

"人理救済がため、その理、我が契約に応えよ!"



 カッと、魔法陣が光輝き、辺り一面を眩い光が覆い尽くす。そして次第に、その光が小さくなっていき、最終的には光は消えていった。



「ふぅぅ。こんな呪文、絶対に誰かに聞かせたくないな。勝手に出るとは言え、恥ずい」



 呪文は人それぞれで異なる。

 術者の素質や感情などに左右されると考えられていて、例え同じ魔法だとしても、術者が異なれば詠唱も異なる。



 恥ずかしさについては目をつむり、頭上を見上げてみれば、クルクルと()()()()()()()()がいる。


 なので、手のひらをお皿にしてみれば、そいつは見事着地するので、優しく声をかける。



「これから、よろしく頼むな、『チュン』」


──チュチュン!!



 和人が契約したのは、小鳥型の式神。

 付与した能力の使用用途から鑑みて、飛んでもらっている方が都合が良かったからだ。



「チュン、早速だが()()を出してくれ」



 そう指示をだせば、バサバサと俺と右肩に乗り、カッと両目が光る。すると、少しだけ分厚い長方形型の光の壁が目の前に出現した。



 和人が付与した能力、それは防御用の壁。

 更に少しでも性能を上げれるよう、攻撃性能の一切を排除した。


 いわゆる足し引きによる能力の向上だ。



「ふむ……」


 軽く叩いてみると、ゴンゴンと、分厚い壁を叩いているかのような音が返ってくる。


 感覚的に、オークの一撃は防げないと思う。

 それでも、一瞬でも拮抗してくれれば、避ける猶予が生まれ被弾も減ると考えた。



 しばらく眺めていると、チュンの両目の輝きが消える、障壁が消えていく。どうやら発動時間に制限があるようだ。



「チュン。俺の指示以外の時は、避けれない攻撃に合わせて障壁を出してくれ。無理に出し続ける必要もないからな」


──チュン!



 胸を張ってるように見えることから、任せろと言ってるのだろうか。



(コノエもそうだが、感情表現豊かだな)



 それからバサバサと俺の肩から飛び降り、コノエの目の前に着陸する。



──チュチュ!

──キュッキュウ!


──チュンチュ?

──キュゥゥウ


──チュッチュン!

──キュルルルルン♪



(何喋ってるのか、全然分からん)



 立場的には先輩後輩の関係であるため、チュンがコノエに挨拶をしているんだろうという予想はつく。



(まぁ、仲良くしてくれればなんでもいいか)



「さて、まだまだ先は長い。今日はここで休んで、明日また頑張ろう」



──キュッ!

──チュチュッ!



 バッグから掛け布団を取り出す。

 それから壁沿いに腰を下ろし、掛け布団に包まる。


 流石にガチ寝は出来ない。いつでも動けるよう、半覚醒状態で眠るようにする。


 これもゴブリンと戦い続けていたことで身に着けた技能だ。



(あと、どれくらいあるんだろうな……)



 願わくば、そこまで深くないことを祈りつつ、コノエとチュンと共に、最初の1日を終えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ