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天上の不適合者~クソクラスと言われた式神使いで世界を歪めた者たちへ反逆する~  作者: 風間悟
第1章:2人の不適合者

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2/7

式神使いという不適合者① 不適合者

─── 9年前 ───


「和人君。みんなを守れるくらい強くなったら、必ず迎えに行くね。だからそれまで、何もしないで待っててね!」


「それは無理だ。俺だって誰かを守りたい。()()()()()()()で、絶対に守護者ガーディアンになってみせる」

「それは無理じゃない? だって和人君、才能ないんだから」


「それがどうした。才能がなくたって、人はどこまでも前に進める」

「ふぅ~ん。じゃあ()()しよっか」



「約束?」

「18歳になるまでは待ってあげる。だけど、それまでに強くなれなかったら、一生私のために生きてね」


「なんだそりゃ。強くってどれくらいだ?」

()()()も」

「そんなことか。いいさ、約束だ。俺は絶対に永久よりも強くなる。この手で、あのクソったれな神気取りの奴らをぶっ潰すんだから!」


「あははは、出来っこないのにね。でも、応援してるね!」

「あぁ、見とけ! だから永久、待ってろ」

「うん!」



 10歳のあの日、孤児院で俺と永久は約束をした。


 それからすぐに永久は新しい家族に連れられ、孤児院を出た。なぜなら史上最年少での、守護者ガーディアンとしての力に目覚めたからだ。



 あれから7年経った今、未だに永久は俺の前に現れない。


 18になるまで会うつもりがないのか、それとも約束を忘れてしまったかまでは定かじゃない。



 だが、一つだけ確かなことがある。



 それは、俺が10等星の底辺守護者(ガーディアン)であり、永久は人類が到達出来る限界点である1等星の守護者ガーディアン


 そして『ゼロ』へと至れる英雄の一人として、その名を刻んでいるということだ。



─── 7年後 ───

─── 2092年 9月1日 ───



(……今日も、()()()()()()()



 学校の屋上で大の字に倒れながら、()()()()右頬の痛みに堪えつつ、あの忌々しい空を眺める。



 50年前、突如として世界中で空が割れた。

 正確には空間なのだが、表現としては間違っていないだろう。


 同時に、各主要都市にモノリスが出現。

 そこには各言語で同じ内容が記されていた。



”これは神の遊戯である”

"数多の世界から現れる侵略者を退き、世界を守れ"

"そのための力は、モノリスが才能を読み取り授ける"

"1ヶ月後、メキシコ・オランダ・イタリアのいずれかの首都に侵略者がやってくる"

"見事、撃退してみせろ"



 だが当初、多くの人たちがそれを信じなかった。

 なにせ未確認の建造物が現れたと思いきや、いきなり戦えと言われても、無理な話だろう。


 だけど、世界中の12~30歳までの一部の人間に、ステータスウィンドウやらクラスといった、まさにゲームのRPGにあるような事象が発生したことで状況が一変した。



 それからはもう大騒ぎ。

 陰謀論やら神話のラグナロク説など、様々な話で盛り上がっていった。



 それから1ヶ月後。

 モノリスの記述通り、割れた空から侵略者が現れたことで、それまで平穏な日常は終わりを迎えた。




 『終わりと始まりの日』。




 後にそう呼ばれる戦いは、凄惨な現実を俺たちに突きつけるものであった。



 政府は侵略者に対して、現代兵器を以て立ち向かったのだが、それらは一切通用せず、話し合いすら叶うことはなかった。


 結果、その日のうちに、総人口1.3億人と共に、メキシコという国は、地図から()()した。



"対策を怠ったお前たちへの罰だ"

"次も同じなら世界を終わらせる"

"我々からダンジョンを贈ろう"

"ダンジョンへ潜り、戦え"

"レベルを上げて、装備を整えろ"

"侵略者を退ければ、褒美を出す"

"出来なければ、そこに住む人間が苦しみながら死ぬ"

"逃がしても無駄だ"

"次は半年後だ。フランス・日本・カナダ、いずれかの人口が一番少ない地域に侵略者がやってくる"

"見事、撃退してみせろ"



 新たにモノリスに書き記された後、各地にダンジョンへと通じる門が出現した。


 そして、力を授かった者たちは一斉にダンジョンの攻略を始めた。



 家族や友人、恋人。理由は様々だが、全員に共通したものがある。それは、()()()()()()()()()という、純然たる決意。



 侵略者への対応や、様々なルールが定まりきらない混沌の時代。


 力を授かった者たち、通称『守護者ガーディアン』たちは、そんな時代の中、必死に戦い守り、そして死んでいった。



 それから諸々のルールが定まるまでに、10年を要することになった。


 死者の総数は20億を軽く超え、地図から消えた国は、両手両足の指を使っても数えることが出来なほどだ。


 それでもこの50年間、俺たちの代まで命が繋がっているのは、ひとえに数多の英雄たちが、文字通り命を燃やし続けてきてくれたからに他ならない。



 そして、俺もそんな守護者ガーディアンの一人ではあるのだが──




「ぎゃはははは、いつまでぶっ倒れてんだよ! そんなんじゃ、いつまで経っても強くなんてなれねぇよなぁ、和人」

「あははは! まぁそんな雑魚式神じゃ、勝てるもんも勝てないか」

「藤堂さん。こいつの()()、いっちょ前に威嚇してますぜ?」



──キュルルルルル!!



「よせ、コノエ」


──キュルゥ……



 唯一の式神で、大切な家族でもあるコノエを宥めながら、和人は暇人共がと、心の中でつぶやきながらゆっくり立ち上がる。



「お? なんだ、やるのか?」

「はぁ……、教室に戻るだけだ。コノエ、おいで」



 既に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いている。コノエを肩に乗せて、教室へ戻ろうと、屋上の出口を目指して歩き出す。


 だが藤堂の横を通り過ぎようとした時、グイッと肩を掴まれたかと思えば、藤堂の拳が和人の腹にめり込んでいた。



「ごはっ」



 息も出来ず、痛みに負けた和人は、そのまま膝が崩れ倒れ込む。


 何の経験も積んでいないレベル1の守護者ガーディアンの拳であっても、一般人と比べれば、3倍は強くて重い。


 レベル1ですら一般人の3倍なのだから。経験を積んだレベル62の奴が拳を振るえば、まず間違いなく、人の体なんて壊れる。



 それでも倒れ込むだけで済んでいるのは、力に()()()()()()()()()()()であり、それ以上に、自身も守護者ガーディアンであるからに他ならない。



「ほんと、生意気だな。てめぇ本気で強くなれると思ってんのか? あぁ? ()()()()様よぉぉ!!」



 胸倉を掴んだかと思えば、今度は左頬目がけて右ストレートが飛んでくる。目で追えたとしても、対処が出来なければ意味がない。そのまま無防備に拳をもらい、後方へと殴り飛ばされる。



「ひゅぅぅぅう、飛んだねぇ」

「藤堂さん、やるぅ!」



──キュッキュル!



(ほんと、最悪だ……)


 こんな、惨めな自分が嫌になる。



 守護者ガーディアンに関するルールが定まったことで、多種多様なクラスに『格』を、それまでの偉業や強さに応じた『階級』が設けられた。


 クラス:E〜Sランク

 階級:10等星〜1等星


 そして階級における1等星とは、通常の守護者ガーディアンが到達出来る限界点でもある。


 だが極稀に、そのクラスが持つ限界を超え、隔絶した力を手にした者たちがいる。


 その者たちのことを『ゼロ』、もしくは『到達者』とも呼び、現在は10名存在している。



 であれば、不適合者とは?



「…………」



 上半身だけを起き上がらせ、ジッと藤堂を見つめる。その目には、不屈の精神が宿っていた。


 

「ッチ、なんだよその目はよぉ。ほんとムカつくぜ! 才能もねぇ奴が、なんでそんな生きた目をしていられるんだ」

「お前には、かんけい、ない。……俺は必ず、強くなってみせる」



 弱腰なんて見せない。嘆きもしない。いつだって、俺が見るのは前だけだ。



「ッチ、シラケた。行くぞてめぇら」

「「うぃ〜」」


 ジッと睨みつけていると、つまらなくなったのか、吐き捨てるように、ある言葉を言いながら藤堂たちは去っていく。



──不適合者が、()()に勝てる訳ないだろ



『天上』。

 モノリスを配置し、空を割った者たちの総称だ。

 向こうがそう名乗った訳ではないが、この上なく、適した言葉だと思っている。


 天から俺たちを見下ろし、クソみたいな戦いを強制する人類の敵だ。



──キュルゥゥ


「そう、落ち込むな。約束しただろ? 俺たちは絶対に強くなるんだ。誰かを守れるだけの、強い守護者ガーディアンにさ」


──キュル!!


 コノエを撫でながら立ち上がり、今度こそ屋上を後にする。



 それから教室へと戻れば──



「あいつ、また藤堂に殴られたのかよ」

「いい加減、諦めて退学してくれねぇかな。俺たちの評価が下がる」

「クスクス。流石、日本に2()()しかいない不適合者」


 などと言った陰口が聞こえてくる。



(気にするな。俺は、俺だ)



 毅然とした態度を崩さず、まるでその一角だけ、世界から切り離されたかのように、ぽつんと孤立している自身の机へと向かい座る。


 そして、少ししてから先生が来るのだが──



「全員いるなぁ。んじゃ、歴史の授業始めるぞ。……あぁ、F()()()()の神薙は何もしないでいいからな」



──あははははは!



 今日も今日とて、俺は授業からもハブられる。これが俺のいる世界だ。


 いつ滅亡してもおかしくない状況でも、人の醜い部分というのは、そう変わることはない。弱い者がいれば、攻撃する。


 世界を守る守護者ガーディアンともなれば、優越感もあって助長するのは当然の帰結。むしろ、こんな世界だからこそ、ストレスのはけ口にしているのではと、和人は考える。



(ふっ、だからどうした)


 それでも和人は小さく笑う。



 クラスとは、モノリスから授けられた世界を守るための唯一の力。その力を強くするためには、ダンジョンに潜り戦い、レベルを上げなければならない。



 だが極稀に、極端に()()()()()()()()()といった特徴を持つ、不可思議なクラスが存在する。


 にも関わらず、強さはレベル1相当でしかないから、まともに戦うこともできない。



 つまりはモノリスからも見捨てられた存在。



 それらの事実から『Fランク』、または『不適合者』という烙印を押されている。



 そんな不適合者の烙印が押された俺、神薙和人かんなぎかずとには、叶えたい夢がある。



 10年前、この日本で起きた未曾有の大侵略、『第二次東京防衛戦』。


 膨大な数の侵略者を前に、瞬く間に日本国土の半分が戦場と化した悲劇。


 数多の英雄たちの命と引き換えに、侵略者たちを退けることには成功したが、その代償として日本は、総人口の1/3を喪った。


 そこには俺の家族も含まれている。


 だからこそ、無理やり戦うことを背負わせ、美しい空を奪った天上どもを決して赦さない。


 必ずこの戦いを終わらせてみせる。



 才能がない? それがどうした。


 元々俺に才能なんてありはしない。そういうのは、異例の10歳で守護者ガーディアンとなった、永久みたいな奴のことを言うんだ。



 それでも俺は、必ず強くなってみせる。

 不適合者、『()()使()()』として。




──────────────



 守護者:神薙和人

 クラス:式神使い

  契約式神:1体

  契約可能数:0体

 レベル:1(レベルアップまで、25000/40000)

 称号:ゴブリンスレイヤー


 体力:100

 魔力:100

 筋力:10(+50)

 耐久:10(+50)

 敏捷:10(+50)

 感応:10(+50)

 幸運:10(+50)

 スキルポイント:0



──────────────



 クラス『式神使い』


 式神と契約し、共に戦いながら成長する者

 契約出来る式神は、レベルを上げるか、特定条件を満たすことで増やせる


 式神には格があり、格に応じて、体力と魔力以外の全ての能力値に補正をかける


 4級:1体につき、能力値50上昇

 3級:1体につき、能力値70上昇

 2級:1体につき、能力値100上昇

 1級:1体につき、能力値150上昇

 特級:1体につき、能力値200上昇


 式神の格は、特定の条件を満たすことによって上がる


 制約:

  レベルを上げるには通常の20倍、経験値が必要



──────────────



 称号『ゴブリンスレイヤー』


  ゴブリンを1000体倒した者だけが得る名誉


 効果:

  ゴブリン系統に対して50%の特効を付与

  与えたダメージの1割、体力を回復させる


 称号における共通の制約:

  称号を付け替えた際、消滅する

  称号をストックすることは出来ない

本作品を読んでいただきありがとうございます!


初っ端から世界観の説明回となってしまいましたが、許してください

入れるタイミングがここしかなかったんです……

なのでもう、割り切りました


さてさて、絶望的な制約がある中、

これから不適合者がどう強くなるのか、お楽しみにください


それではまた!

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