裏世界初任務!〜特変体討伐〜⑨
超絶強固な檻に囲われても尚、"特変体"は唸り声を上げながら暴れ続けている。
ガンッ!ガンッ!ガンッ!と己を囲っている檻を蹴ったり引っ掻いたり殴ったりしているが魔法女騎士が作りし創造魔法物は一切ビクリともしない。
「す…すごい…こんなに中で暴れて衝撃を与えられているのに全然平気そう…!」
「あぁ、なんて頑丈な檻なんだ…!でも、これなら!この子らを元に戻す方法を探せるかもしれない…!!」
デモトロン族の長と少年が"特変体"を閉じ込めた檻の完成度に驚きながらも、"特変体"を元に戻す希望が見えた事を喜んでいる。
「これって、どんくらい頑丈なの?」
「えぇ、ラグナロアを三発は余裕で耐えるわ」
※ラグナロア・・・対大黒魔龍大黒魔龍種高出力魔砲弾、体長15メートル近くのドラゴンを一撃で仕留める事が出来る。
「そりゃ、凄いな…」
「あ、ありがとう…!魔法使いさん…!」
少年デモトロンのギャンがセフィーに向いて、ぺこりと頭を下げた
「私?いや…私は別に魔法使いではないんだけど……いえ、それはともかく!閉じ込める事には成功したけど、次は特変体から戻す方法を考えないといけない、だってこの檻、3日したら消滅してしまうから」
「み…3日!?」
魔法騎士セフィーが提示した日数にギャンが驚きの声をあげる、それに続いて族長のゴウドュがセフィーに尋ねる。
「と言うことは、3日以内に2人を元に戻す方法を見つけなければならないのですね?」
「えぇ、それまでに元に戻す方法を見つけられたら良いのですが、3日で見つけられるかどうかは………」
「いえいえ、希望を持たせて頂いただけでも、ありがたい事です!我々に出来ることであれば協力させて下さい……!」
「それなら、2人がこの状態になる前は何をしていたか……わかりませんか?」
「私が2人を見た時には既に"特変体"と化していたもので……」
「その前日に2人と会ったりは?」
「前日も会ってないですが……」
セフィーの問いに対してゴウドュは手掛かりになるかわからないけれども・・・・・・。という雰囲気で、こう返した。
「会ってはないですが……確か、西の森へ「大巨人の足」を伐採しに出掛けていた筈です。二人で大鋸を担いで森へ向かう姿を見かけました」
「西の森ですね、わかりました。もしかしたら、手掛かりが見つかるかもしれないので、私達で見てきます」
「それなら、僕が西の森まで案内しますよ!」
「ありがとう、助かるわ、それじゃあ、早速行くわよ!2人共!」
「いや……その前に……休憩させて……くれませんか………」
ほんの少し前まで"特変体"と激闘を繰り広げていた俺は、正直今は疲労困憊で動きたくないのである。
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「この先が西の森だよ」
セフィーに出発の前に休みたいと訴えたものの、治癒魔法で傷を治せばすぐ動けるでしょう。と、一蹴されてしまった。
いや、疲れは治癒じゃ治らないのですが・・・。
だから、俺達は傷を治してすぐに、ギャンの案内の元、村の西側にある森に向かって、今は『大巨人の足』の前にいる。
「これが……「大巨人の足』…………」
俺は目の前に光景に思わず息を飲んだ。
俺達の目の前に堂々たる威厳を放ちながら巨大な大木が根を張り、立ちはだかっている。
まさに、『大巨人の足』という名に相応しい大きさだ。
横幅が成人したデモトロンの四体ぶんはあるんじゃないか?
そんな巨大な大木が一本や二本だけでなく、何十本も聳え立ってる。
「この『大巨人の足』は、頑丈な上に耐熱性を持っているから、木材に武具の素材に利用されて、街の素材屋が高く買い取ってるんだって 」
「それにしてもでけえな・・・・・・なぁ、セフィー試しに一本引っこ抜いて良いか?」
セフィー&俺「「ダメに決まってるでしょ」」
「え〜?良いじゃねえかよー、素材屋で高く売れるんだろ?資金が増えるぞー?」
「それ、アニーが持ち上げたいだけでしょ」
「リクお前……何故わかった……!?」
いや、バレバレなんよ。
「そもそも、どうやって運ぶ気なの?」
「勿論、俺が担いで運ぶつもりだが?」
「このまま?」
「あぁ、そりゃ当然だ。だから引っこ抜くんだからよ」
このアニーという男は力試しになると格段に頭が悪くなる。昨日とはまるで別人のようだ。
「アニーが担げても、運んでる途中で絶対どこかにぶつかるよ。もし、建物にぶつかったら間違いなく崩壊するでしょうね」
「ちぇ、せっかく筋トレに使えそうだと思ったのに……いや、待てよ……。それなら、引っこ抜いたら元に戻すならどうた?」
「あー……うん、そ……それなら良いんじゃない?」
「よっしゃ!じゃぁ、さてさてどれを引っこ抜こうか〜?」
俺はアニーとセフィーを横に森中を見渡していると一本だけ根元だけの『大巨人の足』を見つけた。
「あ、あれじゃない?あの二人が斬り倒した奴」
俺は、その根元だけの巨大樹を指さした。
根元だけと言えど、その巨大さと威圧感は全く損なわれていない。
セフィーが俺が指さした根元だけの「大巨人の足」に近寄ると
ピタッと足を止めて、2秒間静止してから俺の方を振り向き……
「どうやら、早めに来て正解だったようね…」
と、何故か得意気に言った。




