配信50枠目 夜逃げを覚悟してみた。
義父を引き連れ帰宅。
「…何でインターフォ…嗚呼、成程」
「良いところに来たね。手伝って♡」
「……あの時と逆だね」
「…?」
「良いよ。中に運べば良いんだよね」
「いや、持ち方ァ!大根引き抜く時のソレ!」
完。
「あ〜」
椅子で回って、脳みそを回してる。あかん。ダメだ困難な程の混乱。こんなんどうしろと。ホラ、あのベッドの上を見てみろよ。義父が意識失って寝っ転がってんだぞ。
「ねぇ、何処で拾ったの」
「どうも何も、そこら辺で転がってたんだよ」
「とりあえず、回るの辞めたら?」
「うん。普通に酔ってきた」
まぁ、全然酔ってはないけど。それにしてもどうしたものか。基本的に落ち着いてる弟が、落ち着きを保ってないって相当だからな。ハッキリ言って、マジに余程の事態だぞコレ。
「お客様ー?寝てるんですかー?お客様ー?」
「……いや、それよりも…」
「この包帯?」
「そう」
そういや、帰り道に落ちてた時からずっと巻いてたな。怪我でもしてるのか?…もしも、そうなのなら取り替えた方が良いよな。雨に濡れてるし、俺の布団がびしょ濡れになる前に。いや、正しくは枕だが。
「お客様ー。ちょいと失礼しますよー」
かなり固いな。手で剥ぐのは流石にキツいか。仕方がない。ハサミを使うか。ジャキだと切って、包帯ハラハラ〜……うわぁ…こりゃヤベェ…グロ注意。18未満は見ちゃダメだよコレ〜
「コレはまた…」
「グッロ。あまりにグロいって…危機感持った方がいい」
血だらけのガーゼで笑えない。ガーゼについた血が固まって真っ黒になってるのが…しかも、それが雨に濡れて赤茶色い液体が滲み出て…ね?あまりにホラゲーしてる。
「…どうする?取る?この下見る?見れる?」
「どちらにせよ、取り替えないとダメだよ」
「そりゃそうだが…」
絶対に触りたくねぇ…幾らイケメンのとは言え、義父のだし。血だらけだし。グチョグチョだし。とは言え、漢ワイ。覚悟を決めます。そして〜かがやーく、ウル○ラソ○ルっ!ハイッ!
「うん。どう見ても治療済みで安心」
「綺麗に縫われてるね」
「だね」
とりあえず、消毒してからガーゼをペタッとな。血はとっくに止まってました。いや、雨に濡れても血は滲んでなかったし、何となく分かってたけども。ちな、新しい包帯はこの家に無いので巻きません。
「さて、これからどうするよ」
「…どうも何も。起きるまで待つしか無いでしょ」
「そりゃ、そうだが………おっ。起きたみたい」
身体が微かに動いたのを俺は見たぞ。それに幾らか声も漏れてたし。ホラ。今もこうしてゆっくりと起き上がって来た。髪色や眉毛。まつ毛なんかも、今は染めてて違うが、眼の色は弟と全く同じだ。
「………」
「おはよう。今日は晴れ。時々大雨。気を失う程の酷い豪雨でしょう。30分前まではね」
「………」
無視かよ。いや、うん。つまらない事を聞かせちゃってごめんなさい。久し振りの再会で心が穏やかじゃないんですわ。アダダニハワカランデショウネェ!ッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!
「…何で黙ってるんだ?こっちが話し掛けてるんだから、何かしら一言でも返したらどうなんだ?」
「えぇ…」
何故キレたし。え?突然キレたんだけど、私、弟の情緒が心配です。大丈夫?今のやり取りにキレる要素あった?そんな俺のネタが面白かったかな?だとしても、そこまで厄介なファンにならなくても良いのよ?
「……ごめん。…本当に申し訳ないんだけど、一つ質問させて貰っても良いかな?」
アアアアアアアアアアアーーーゥアン!(号泣)幾ら、数年間会ってなかったとはいえ、10年以上を共に過ごした家族相手に、こんな畏まった態度を取りますか?回答:否。あり得ない。
やめろよ?やめろよ?絶対にやめてくれよ?耐えられないから。俺。普通に耐えられないからね?数年間会ってなかった義父にそんな事言われたら立ち直れないよ?心がPON!CRUSH!CRUSH!PA!PA!PA!だよ?
「…あなた方は誰ですか?」
「oh……記憶喪失オチかよ…」
———
——
—
「覚えている事は?」
「…ベッドの上で目を覚まして……それから……」
「つまり、何も覚えてないと」
「……申し訳ないけどそう言う事かな」
———
——
—
「OK。質問を変えよう。自分について覚えている事は?」
「……シラガが混じってるけど黒い髪…?……思った以上に歳をとってる…?」
「つまり、何も覚えてないと」
「…そうなるね」
———
——
—
「じゃ、じゃあ。俺達…特に、こっちの方。白髪の方の人ね。彼に対して思う事は?」
「…可愛らしい…?で、良いかな。そう言われても嬉しくは無いかも知れないけど」
「つまり、何も覚えてないと」
「度々ごめんね」
———
——
—
「んー。じゃあ、鎌倉幕府を開いたのは?」
「源頼朝…だよね」
「うん。それは西暦何年の出来事?」
「1192年だね」
「1185年だよ」
「…記憶違いだったみたいだ」
———
——
—
以上。事情聴取まとめ。
いや、どうしろと?少なくとも、ある程度の自己認識や過去の経験は残っている。新しい出来事も覚えていられる。だが、それ以外、特に人間関係の事は全部パー。友人から家族含め何も覚えてないし、何も知らない。ついでに口調が変わってる。俺の記憶だと、こんな口調では無かった気がする。
「さて、どうしよっか?」
とりあえず、唯一持っていた持ち物である、スマホのパスワードを解除に苦戦している義父を横目に、俺はリビングの机に突っ伏したまま、隣に座る弟に問い掛けてみる。
「………」
「何とかして、記憶を思い出させるしかないよなぁ…」
「………」
「とりあえず、ママンにも連絡しないと…」
「………」
「え?無視?ご機嫌斜め?右下45度?」
まぁ、思い返せば、俺が義父を連れ帰った時からご機嫌斜めだったけども。お陰様で家の中の雰囲気が暗い暗い。こう言う時だけは、脳筋プロテインの騒がしさが恋しい…そういや、アイツから連絡来てたな。あー、忙し忙し。
「…どう思う?」
「何が?」
「あの人について」
「…やっと帰って来た?」
「……そう」
「もしかして、嫌いだったり?」
「…どちらかと言えば」
うーん。コレは困った。マズい。ここ最近、悩みの種が増え過ぎて脳がパンクしそうだ。そもそも、ゴミ箱の箱イベに、ドラマの撮影。行方不明だった義父との再会&記憶喪失とか、1人の一般人が悩む濃度じゃねぇだろ。せめて、この中のどれか1つだわ。
「何で嫌いに?」
「…知りたい?」
「別に?どっちでも良いかな」
「じゃあ、いつか話す」
「8月5日となると…後、数週間ね。りょ」
「は?」
めちゃくちゃキレてる。普段は温厚の塊みたいなのに明らかにキレてる。穏やかじゃないですね。いや、すみません。ふざけ過ぎました。冗談抜きで。マジ申し訳。
「いや、嘘嘘。冗談だってば」
「それを決めるのは…どっちかな」
「…サ、サーセンした」
お兄ちゃんは怖いよぉ…弟が怖過ぎてちびっちゃいそうだよぉ…何でこんなに威圧感が出せるんだよぉ…野生動物でもここまで圧力強くないよぉ…ライオンの前で転けちゃったウサギたんの気分だよぉ…泣。
「でも、流石に記憶は戻さないとだよな。何で居なくなったのかとか、まつ毛まで黒く染めてる理由とか、聞きたい事が無限にある」
「…そうだね」
「つってもさー、記憶を戻すって言っても、どうするよ。催眠?黒魔術?」
「民間療法が過ぎるよ…。いや、催眠はあながち間違いでも無いけど…」
「なんか詳しそう」
「…まぁ、ワケあってね」
いや、何のワケだよ。治療法よりも、そっちの方が気になって来た。記憶喪失ってそんな身近なモノでしたっけ?まぁ、確かに、どっかのドラマもその要素が幾らか含まれてたけども。
「そのワケは後で聞くとして、どんな治療法が?」
「手っ取り早いのは記憶想起法。先の催眠とか、薬物治療をしながら、専門の医師と面接を通して記憶を呼び覚ます。でも、コレはあの人について詳しく知ってないと面接のやり方が無いから、僕達には無理だね。専門医も居ないし」
「保険証も無ければ病院へは行けないもんな」
「とりあえず、症状と原因を把握しないと」
ふむ。それはそうだな。治し方は最悪ネットで調べたら何とかなるかもしれないしな。まとめた事を忘れない様にするのは…俺の場合は文字に書き起こすのが1番か。
「記憶障害は微妙だけど、行動障害とか、言語障害とか、注意障害とか、遂行機能障害とか、社会的行動障害とかは無さそうだよね。失認症はちょっと有るかも?」
「ごめん。専門用語多過ぎて分からん。漢字はコレで合ってる?」
「合ってるよ」
「原因は強い衝撃によるショック性のモノ?」
「恐らく。頭の傷を見る限りだとそうかな。頭部外傷…又は、頭部外傷の原因による心的外傷や強いストレスによるモノ。頭部外傷が原因じゃ無いのなら、コレは一時的なモノと見ても良さそうかな」
あーなるほどそういうことね。完璧に理解した。つまり、どう言う事だってばよ。成程分からん。その上、検索のしようにもどうするのか分からない。でも大丈夫。そう、Go○gleピ○セルならね。
「…つまり、一時的なモノと言う可能性にオールインと」
「……まぁ、それで良いんじゃない?」
「雑いな。仮にも父親でしょうが」
「それ。僕に言うんだ?」
「ウッ…すみませんでした。俺も同じ立場ならそうするかも」
俺も人の事言えねぇ…それに、よくよく考えて見れば、義父が行方不明になったのは俺が高校の頃。つまり、弟からして見れば12歳くらいの頃だ。義父に対して、何かしら思う事は有るんだろうな。俺が実父に良い印象を抱かない様に。
「…まぁ、ハッキリ言って、一度病院で治療を受けてるみたいだし、その過程でMRIやCTはやってる筈。今こうして野放しになってた時点で、頭自体は無事なんだと思うよ」
それはそうか。…いやいや、待て待て。危ない危ない。流されるところだった。大事な事を忘れてるだろうが。
「……いや、明らかにおかしいところが有りますけど?」
「確かに、記憶を失っている。所持品はロック解除も出来ないスマホ1台。普通、退院させる訳が無い」
「誰か、退院させた人が居る……ってコト!?」
「多分ね」
とは言え、そこは記憶を取り戻す事には関係無いだろ。いや、記憶を失う前の知人説は有るが、もしそうなら今頃、行方知れずになっている訳で、あのスマホに何かしらの連絡は入れる筈だ。
あのスマホには電話は愚か、メッセージアプリの類いの通知は1つも届いてない。ちゃんと、モバイルデータ通信はオンになっているし、普段から使っていたスマホでは有る事は間違い無さそうなんだけどね。
「とりあえず、この回想法って奴を試してみようか」
スマホで調べたら出て来た記憶喪失を治す方法その1。コレ、ラノベとかで無限に見るからやってみたかったんだよな。何か、記憶を呼び覚ます旅ってカッコいいじゃん?
「…思い出の場所巡りとか、創作物でよく見る奴ね」
「そうそう。なんか盛り上がらない?」
「…そっか」
興味無さそう。そりゃそうだ。弟は別にそう言うのに興味無いタイプだったわ。俺と違って厨二病を患い、乗り越えて来なかった人だからな。つまりは、マトモってコト。
「さてと。それはそれとして、晩御飯と配信。どうしよっか?」
気付けば時刻は午後7時。ご飯も風呂も入らなきゃだし、夜からは配信もしなきゃいけない。やらなきゃいけない事だらけでワロタ。いや、笑えん。マジで。
「……何とか頑張ってみるしか無さそうだね」
———
——
—
「あー、もう疲れました。配信終了して良いですか?先生です」
「疲れるって程何もしない配信なのに何を言っているのか。白氷です」
「兄弟コラボですよ。イェーイ」
《コメント》
[明らかにテンション低くて草]
[どしたん?話聞こか?]
[コラボだろ?ブラコンの先生らしく無いぞ]
[さては偽物だなオメー]
[それはそれとして、何拾ったんだ?]
[同居人が増えたと聞いて]
[拉致乙]
[犯罪者乙]
辛辣だなオメェ等。舐めた口聞いてっとブッ○っぞ!上からお前。お前。1つ飛ばしてお前。全員コメントBANしてやる。この、放火魔共がよ!…なんてね。嘘嘘。そんな事しないよ〜笑。
「えーっと、記憶喪失で意識不明の義父を拾いました。以上」
「で。今日は何をするの?」
「何でもい〜よ〜。何する?」
《コメント》
[は?]
[ん?]
[義父の時点でちょっと困惑してるのに、記憶喪失で意識不明で更に困惑]
[笑いより心配が勝ちそう。でも、まだ笑える]
[お前どんな世界に生きてんの?]
[明らかに1人世界線がおかしい]
[記憶喪失ってそんな身近な物か?]
[何で普通に会話進めてんだコイツ等…]
[スルーするな。いや、スルーはしてなかったけど]
[サラッと流したな。サラッと]
「面倒臭い人達だなぁ……もぅマヂ無理…話を掘り返された…この件ゎ嫌ってホド弟と話したワケ…これ以上ゎ話したくないってコト…ぃま会話終ゎらせた…もぅ掘り返さない…」
《コメント》
[キッショ]
[吐き気した]
[吐き気を催す邪悪過ぎる]
[オロロロロロロロロ]
[コレと同居って正気か?]
[思い付いても口にするその胆力よ]
[コイツの家族よ。この化け物を家に封じ込めてくれてありがとう。コイツは社会に出るべきでは無い]
[あまりに尊き犠牲過ぎる]
は?コイツ等失礼過ぎんか?え?俺って人権無かったかな?いや、人権無くしそうな事は無限にやってきたけども。本気で無くすとは思わんやん…人権って誰にでもあるんじゃ無いんでしたっけ?
「あ、そう言や。ミカくんから何か連絡来てたな」
こんな話はやめだやめ。他の話題に逸らさないと。脳筋プロテインからの連絡を見てなくて良かったぜ。見ていたら言い訳が見つからない所だった。脳筋プロテイン、お前がナンバーワンだ。
「今見るんだ?」
「だって、さっきまで忙しかったんだもん。今は暇」
《コメント》
[お前なぁ…]
[もっと配信者らしくしろ]
[配信をホームビデオと勘違いしてそう]
[ホームビデオでもここまで塩態度じゃない]
[先生のホームビデオとか需要ない]
[弟くんは有るよ♡]
[弟くんだけで良い]
[は?先生とセットでナンボだろ。頃すぞ]
[謎の過激派で草]
[先生にもファンが居たんだなって…]
ホラな。俺の視聴者は素直じゃないんですよ。俺の事が好きなのに嫌いなフリをしている。うーん。コレはツンデレ。でも、残念。お前等のツンデレは需要無いんだな、コレが。
「んー。へー。ほー。は?あ?」
あっ、不味い。これ口に出せない…と言うより、配信で言えない奴。公にする訳にはいかないタイプの奴だ。な、何とか誤魔化さないと…あんにゃろ…!予想はついてたとは言え、余計な爆弾抱えやがって!脳筋プロテイン、お前がワーストワンだ。
「クッソしょうもねぇ連絡だった。無視で良いだろ」
「返事は返しなよ」
「メンド…」
と言うのは冗談で、割とガチに真面目に返事を返さないと…クソが。頭を悩ませる種がまた増えた。頭痛で死にそう。胃が死ぬ。いや、胃どころか、普通に野垂れ死ぬ原因になりうる。
[了解。お前の意思は尊重するけど、俺も俺で生活が掛かってる訳だし、この件は一度ちゃんと話したい。良いか?]
これで良いか。てか、既読早いな。コイツは暇人かよ。俺もそんな暇人になりたかったな!なりたかったなぁ〜!?ねぇ〜?脳筋プロテインく〜ん?
[あんま余裕ねぇから早めに頼むぞ]
[分かってる。了ー解]
ぬぬぬ…更に忙しくなりそうだ…マジでどうするか。ゴミ箱イベ。ドラマ出演。義父の記憶。脳筋プロテイン。その上、絵師の仕事。脳筋プロテインの動画編集。俺の配信はしなくて良いとしても、弟の配信とその切り抜き。後、家事。
何処かは削らないと死ぬな。普通に過労死しそうだ。このオーバーワークはマジであかん奴だ。普通に洒落にならない。
「せや、夜逃げの準備をしよう」
「は?」
———
——
—
母親side。
プルルルル…プルルルル…
「スマホが鳴っていますよ」
「…私のか?」
「ええ。貴女のです」
同じホテルに泊まるビジネスパートナー曰く、部屋に響いている着信音は私の私物から出ているらしい。全く…誰だ。私の携帯に電話をかける様なマナー違反者は。全ての知人に、あれ程電話をかけるなと伝えた筈なんだが…
「…誰だ。私に電話をかけるな」
『お久しぶりです。すみませんね。わざとではないんですよ。ちょっとした問題があったので、そのご報告をと。思いましてね』
「……八神んとこの一人娘か」
八神とは高校時代の知り合いだ。つまり、電話相手はその知り合いの一人娘って事になる。いつの頃からか、八神から番号を聞き出し、私とやり取りをする様になった。それも、今は国外に居る私に、わざわざ国際電話までする程にな。
『はい。その通りです。かねてから、息子さんにはお世話になっております』
…はぁ、何を言うかと思えば…最近、益々、八神に似てきたな。どんな教育しているんだアイツは。……いや、私が言えた事じゃないか。面倒を見ているだけ、私よりも八神の方がマシだな。
「長ったらしい挨拶はもう良い。本題に入れ。私は忙しい」
『貴女の配偶者様が事故に遭いました』
「……それで?」
『記憶を失った後、行方不明に』
…またか。また、あの時の様にアイツの言葉が脳を駆け巡る。あの家で、何度も聞いたその言葉。例え、距離を置いたとしてもそれは変わらないのか…
「……全く…疎ましい血筋だな…」
『…と、言いますと例の?」
「嗚呼そうだ。代々、我が一族は全ての人に忘れ去られる。覚えて居られるのは同じ血を引く者だけ」
そしてまた、子を成してもその血は薄い。例え、縁を切ったとしてもそれは変わらない。その薄まり切った血を引いている時点でどうしようも無いのだ。対処法は無い。
『…それは一家全員が?』
「そうだ。お前がお気に入りのアイツも、いつかは全ての人に忘れられる。あまり入れ込むなよ。それで落ち込むのはアイツだ」
『私は忘れませんよ』
「…さぁ、どうだかな……」
口では何とでも言えるさ。例外は無く、何度だって抗い続けた私だってそうだったんだ。例え、その運命を知らなくても、いつかはそうなってしまう。そうならざるを得ない。
『…前々から、思って居たのですが、貴女達家族は名前で呼び合いませんね。何故です?』
「さぁな…。慣れていたいんじゃないか?」
『……そうですか』
…なんだ。驚いたな。思ったよりも気に入られてるみたいだ。この天然人たらしは親譲りか?やっぱり、お互い私の血はめちゃくちゃに薄い様だな。無論、似るべきでは無いと思うが。
「はぁ…面倒だな」
「何がです?」
「この血筋だ」
ビジネスパートナーの緑色の髪が揺れる。口を隠して笑みを隠すその仕草に、何度もこの話をした事を思い出した。恐らく″嗚呼、またこの話か″と呆れているんだろう。
「安心して下さい。自分は忘れませんよ。貴女程、稼げるパートナーは何処にもいませんから」
「金狂い」
抑えきれていないニヤケ面に指を指す。それでも、やはり、コイツはその気味の悪い悪趣味な表情を直さなかった。何と言うべきか、コイツも大概だな。気付けば結構な付き合いだが、ビジネスパートナー以上の関係は築きたくない。
「だって仕方ないでしょう?金と言うのは最も分かり易い権力ですから」
私が口を挟む間も無く、″コレからもどうぞ宜しく″なんてお辞儀しているのを無視し、私は帰国用のチケットを予約する。さて、吉と出るか凶と出るか…それを知るのは神と呼ばれる者だけだろう。
———
——
—
125 風邪引けば名無し ID:VwSyJtwm
以下、ゆうちゃん復帰配信まとめ
休止理由はゲーセン巡り
白氷(先生の弟)と同級生発言
ついでになのちゃんも同級生との事
配信頻度はメチャクチャ増やす
先生に大胆な告白。以上
126 風邪引けば名無し ID:NGvJxtnA
異常の間違い定期
127 風邪引けば名無し ID:CdgTmJow
最後どした?
128 風邪引けば名無し ID:rGymjMyn
突然告白された先生に
な、涙が出ますよ
129 風邪引けば名無し ID:DtyMxjAt
なんか焦げ臭くね?
130 風邪引けば名無し ID:FaxPiUwm
炎上確定演出キターーー!!!
131 風邪引けば名無し ID:BsvaXgvJ
ふざけるな!
懐古厨ギャンブラーに、
ガチ恋勢が出来る訳無いだろ!
いい加減にしろ!
132 風邪引けば名無し ID:VatgWomj
それが出来るんだなぁ…
神ビジュ。性別不明。高校生コンボで
133 風邪引けば名無し ID:UydqJyjn
マイナス相殺コンボ強過ぎ
ナーフはよ
134 風邪引けば名無し ID:FgtWntty
相殺…出来てますか?
135 風邪引けば名無し ID:aGowpcgm
相殺どころか
大幅にプラスなんですがそれは
136 風邪引けば名無し ID:eGylxSym
ついでに強化入ったなのちゃん
流石は現環境最強キャラやね
137 風邪引けば名無し ID:IsyjwTom
ついでで追加していい効果じゃない
これ以上強化してどうすんだよ…
138 風邪引けば名無し ID:LsyDgvjw
先生を燃やす(鋼の意志)
139 風邪引けば名無し ID:AxsYmtjx
灰になっても燃えてそう
140 風邪引けば名無し ID:OzgVjtym
ちな、当の本人は呑気に弟と配信している模様
141 風邪引けば名無し ID:pVwgWfwn
尚、内容
142 風邪引けば名無し ID:VmgTafcW
先生「記憶喪失で意識不明の義父を拾いました」
143 風邪引けば名無し ID:rgYmtoJx
流石に草生える
144 風邪引けば名無し ID:sVwgYxtc
何がどうしたらそうなるんだよ…
145 風邪引けば名無し ID:AgvMngwe
全然呑気じゃなくてオモロい
146 風邪引けば名無し ID:fAyjgSvx
最早、配信者になるべくして生まれてるだろ…
147 風邪引けば名無し ID:FgXsjvAx
それにしても、二股とか度胸あり過ぎ
いつか背後から刺されて死にそう
148 風邪引けば名無し ID:CgxpMoaw
両方の告白を受けてて草
どっちか片方だけにしろ
149 風邪引けば名無し ID:EgLwjXlm
先生が美形からの告白を断る訳無いだろ!
150 風邪引けば名無し ID:ldPymptA
それはそう
151 風邪引けば名無し ID:OpVxjDew
先生なら死んでも生き返るだろ(ハナホジー
152 風邪引けば名無し ID:CgVmtjJe
てか、先生はいつ落としたんだよ
153 風邪引けば名無し ID:WsvJgodx
それはなのちゃんにも言える事なんだよなぁ…
154 風邪引けば名無し ID:FppOaxjx
アレは初手で好感度カンストしてるからノーカン
155 風邪引けば名無し ID:OagPvjxG
次はシノさんの番ですよね。分かります
156 風邪引けば名無し ID:FgyJpljm
┌(┌^o^)┐ホ○ォ…
157 風邪引けば名無し ID:OgtMaxjw
先生なら普通にやりかねないの何なんだよ
158 風邪引けば名無し ID:OaPvjWnz
いいだろ?だってあの先生だぜ?
結構急いだつもりが10日も経ってました。
一応、週1ペースで投稿するつもりなので次こそは。
余談ですが、半角カナは自動で全角カナに変換される様です。以上。わざと全角カナにしてる訳じゃないっていう言い訳でした。
2025/01/05.追記。メチャクチャ気を付けていたのに、伏字を忘れていました(n敗)ご迷惑をおかけしました。




