配信43枠目 謎の回想を聞いてみた。
さて、タオルを貰えないびしょ濡れのままでヒナさんの話を聞いた訳だが、詳しく理解する為には弟が転入するところまで遡らなければならない様だ。
全ての始まりは4月後半かららしい。
「その時期、学年中でとある噂が広がってたんです」
「それはどんな?」
まぁ、その時期で広まる噂とか、心当たりしかないけども。どうせ、弟関連なんだろう。時期的にも弟が転校して落ち着き始めたところだろうし、部活動見学とかでやらかしたんだろうなって。
「『とんでもない奴がいる』って噂です」
「例えば?」
「バスケ部のエースを1on1で圧勝したとか。野球部のエースから初球でホームランを奪ったとか」
えぇ…どちらも未経験じゃなかったっけ?授業とかで多少やった事はあったとして、それだけで経験豊富なエースをボコれるのか…?スポ根漫画を読んでたりする自分としては、とても悲しい気持ちになってしまうな…仕方ないとは言えだ。
「それが、このイケメン君だったと」
「そりゃそうですよ。その噂が去年では無く、今年から出来た時点で当事者である可能性があるのは、今年度転校してきた2人だけですし」
転校生は弟含めて2人?またしても知らない情報が。弟って大抵身の回りの事話してくれないんだな。さっきから、全くもって知らない話ばかり出て来て困るんだが。
「ん?もう1人は?」
「私ですけど?」
嗚呼、そう言う…え?嗚呼!?何でそうなるんだよ。おかしいだろ。そうはならんやろ。あまりにストーリーが難解過ぎるんだが。どうやったらそんなふざけた物語が出来上がるんだよ。
「…つまり、この部活は転校生の2人が立ち上げた物でOK?そんなに入りたい部活無かったんだ?」
「いやいや、私はテキトーな運動部にでも入る予定でしたよ?スポーツ得意ですし?」
へ〜、陽キャだなぁ…
「……でも、″アレ″を見たら流石に覚めますよ…」
「″アレ″?覚めるってどういう意味で?」
「現実と言う『夢』から覚めたんですよ。″アレ″はそれ程までに…白昼夢の様な光景でした」
いや、ポエムか。なんなんだよ。現実と言う夢。現実は夢じゃねぇだろ。全然ドリームじゃねぇよ。バットなエンディングのクソゲーだわ。
「アレはとある昼休みの事でした——」
———
——
—
その頃、私は未だ部活動を決めかねており、担任からの催促を避ける為に、意味も無く廊下を1人で歩いていました。友達が居なかった訳では有りません。決して。
『…?』
渡り廊下に差し掛かった辺りで、何処か体育館が騒がしい事に気付きました。かなりの距離があると言うのに、ここまで聞こえてくるのはあまりに異様で、既に釣られるように足早に向かっていました。
「なんだか始まったよイケメン君」
「とりあえず静かに聞こうよヒモイト君」
近付く程に、その喧騒は強さを増し、体育館の中にまで入れば、あまりの爆音に地響きを感じる程でした。いや、事実として地響きは存在していました。
大量の歓声に囲まれて、その中心ではバスケの試合の様な物が行われていたのです。
「あー。思い出した。なんかそんな事もあったかも」
「静かに聞くんじゃ無かったのかよ」
最後尾では音しか聞こえず、あまりに気になってしまったので、人混みを掻き分けてまで、私は観客の先頭に立ちました。そこで見た景色は今でも思い出せます。見つけた。そう確信しました。
『コレ、最後で良いですか?僕、まだ昼食が済んでいないので』
バスケットボールを片手で持つその人物は、先輩と思わしき相手3人にそう堂々と言い放ちました。3対1相手に、負ける気を見せないどころか、そもそもが相手にならない様な、燦然たる態度でした。
「何やってんのさイケメン君。先輩相手に強気過ぎない?」
「向こうから突っかかって来たんだよ。こっちは勝負を受けた側、だから多少は堂々として良いかなって」
「まぁ、納得は出来る理論…?」
その人物がドリブルを始めた瞬間、勝負は幕を開けました。先輩達3人の内、2人が立ちはだかり、今にもボールを奪おうと強く睨み付けています。
しかし、ドリブルをするその人物は、まるでそんな相手は存在していないかの様に、隙だらけでドリブルを続けていました。
「もう少しちゃんと勝負してあげてよ」
「購買で何買おうか考えてた」
「先輩かわいそ!相手にされてないじゃん!」
その勝負は、立ちはだかる先輩2人が攻撃を始めた瞬間、大きく動き出しました。先輩の1人が手を伸ばした瞬間、その人物は先程までのゆっくりな動きとは異なり、とんでもなく早い動きを見せました。
先輩2人はそれに喰らい付き、ボールへ手を伸ばしますが、その頃既に、先輩2人はその場で置き去りにされていました。
そして、ゴール下で向かい合う先輩1人とその人物。シュートモーションに入ったその瞬間、先輩はブロックに飛び上がりました。
10cmは優に越える身長差。ブロックは確定で成功する筈でしたが、その人物はとんでもない時間を滞空し、既に先輩は地面に足が着こうとしていました。
そんな中、その人物は膝を曲げ、対空時間を更にと稼ぎ、ボールを逆手に持ち替えた後に、既に地面に落ちたブロックをワザと避けて、そのままボールを放り投げてしまいました。
そのボールは誰に遮られる事も無く、ゴールネットだけを揺らし、選手とボールの着地音だけが鳴り響く、それはとても静かなプレーでした。
「非情!何の為にダブルクラッチを!?」
「酷い言われよう。ブロックされる万に一の可能性を考慮しただけなのに」
「どういう可能性よソレ!?」
軽々しく圧倒的なプレイを魅せ付けられた先輩方3人は、その場で心を折られたように崩れ落ちました。彼等は試合ではスタメンも当たり前の、才能ある選手だったのですが、全てその人物1人に心を壊されてしまいました。
その瞬間、私はその人殺しの才能に途轍もなく惹かれました。そして、私は扶助部の設立と、彼の勧誘を決定付け、捨てた筈の夢を取り戻したのです。
———
——
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「いや、言い方!確かに心を折られるプレイだったんだろうけども…!」
「そんな風に思ってたんだね」
「然も、あの後に観客へ話を聞いてみれば、あの先輩方は10連続で負けたそうではないですか。コレは使えると思いましたね」
えぇ…怖い。2人して情けも容赦も無さ過ぎだろ。人に対して「コレは使える」だなんて恐ろしい事を言いなさる。なんだろう。道具かな?
「その後、なんやかんやあって、私はイケメン君を無事に勧誘しました」
「無事では無かったけどね」
「しかししかし、その時、新たな問題が浮上しました」
いやいや、先に無事ではない勧誘について詳しく。何をしたんだよ。何を。その「なんやかんや」の部分が1番知りたいんだが?そこを教えてくれよ。新たな問題も何も、既に問題だらけだから。
「部活動の創設には3人要る!」
何でだよ。何でその時になって気付くんだよ。順序違うだろ。普通は「部活動作ろう。あっ、3人要るんだ。へぇー」だろうが。
「順序おかしくないかな。普通は、創設を決めたその場で、誘うよりも先に部活動の創設について調べるのでは?」
「・・・」
「え?違うの?俺が間違えた?ごめんね。個人の見解と了見で常識を説いちゃって」
「いや、感心しちゃって…確かに先調べてれば良かったんですよね〜あっはは〜」
ふ、不安だ。とんでもなく不安だ、大丈夫かなこの先。めちゃくちゃ不安になったんだが。……でも、まぁ、弟居るから何とか…
いや、弟に任せたらそれはそれで別の問題起きそうだな。
「では、イケメン従兄弟さんに問題です」
「待って、それだと俺がイケメンみたいになっちゃう。イケメン君の従兄弟さんにして」
「3人目を選ぶ上で、重視すべきは何でしょうか!」
えぇ?3人目を選ぶ上で重視すべき物?扶助部の部活内容と合わせて考えて…今の手札で扶助部を作り上げるなら…
「情報収集力…?」
「素晴らしい!正解です!ドンドンパフパフ!」
まぁ、だろうな。だって、2人とも転校生だからな。学校内に関する情報力は無いにも等しい程だろう。そうなると、必要なのは情報力であり、情報を集めるのに必要なのは情報収集力だ。
寧ろ、それ以外は殆ど揃ってる。人を助ける上に必要な武力。知力。コレは弟が居るし、広報に関しては、転校生2人が部活作ったって時点で十分。つまり、無いのは情報収集力だけなんだよな。
「そうだなぁ…ラブコメの親友ポジみたいな奴が欲しい。何故か色んな事に詳しいイケメン親友ポジ」
「うわぁ……」
「なんで引いた!?」
多少はキモい発言だったかも知れないが、別に間違いでは無いだろ。ちゃんと正解を口に出来た筈だ。寧ろ、最適解の筈。
「一言一句同じ事を言われたから。そこの部長さんに」
「イケメン従兄弟さんとは気が合いそう」
はいアウト。配信で言ってたら一発アウトですよソレ。普通に黄泉送り線特急電車片道切符を掴まされてお仕舞いするところだったわ。やめてケロ〜
「とまぁ、とりあえずそんな感じで3人目を探し始めました。情報収集力に長け、今の部活動に少なからず不満を持っていそうな同学年をね」
「範囲が狭い!もっと妥協しても良いのよ?」
「そして、イケメン君の担任から勧められ、1人の生徒に辿り着きました」
弟の担任の先生!?何やってんですか貴方。しかも、何で部活動創設に絶妙に乗り気なんだよ。普通、こう言うのは面倒臭いってめちゃくちゃに渋られる奴じゃ!?
「それが、件の生徒さんね」
「その通りです!前髪長くて、顔も見えなくて、根暗で、陰キャで、いつもクラスの端の席で静かに本を読むか、寝たフリをしている彼でした!」
「思いっきりぶった斬ったね」
配信なら色んな人がダメージ喰らいそうな事をサラッと言ってるよこの子。それも満面の笑みで。悪びれもないどころか、悪口だとも思ってなさそう。
「で、私達は当時パソコン部の彼を勧誘する事に決めました」
確かその生徒は凛さんでしょ。じゃあ、パソコン部を選んだ理由は、パチンコと語感が似てるからかな。尚、俺の意見は偏見の鎌足…じゃなかった。偏見の塊でお送りしております。
「それで?どうなったんだ?」
「無事に退部させる事が出来ましたよ」
「言い方!もっとオブラートに包んであげてよ」
とても、美少女の満面の笑みから出ても良い発言ではないと思うんだよな。もっと美少女と言う持ち味活かそうよ。なんでそんなキャラになっちゃうんですかねぇ…
「そうして、何とか部活の創設が出来た私達は、校内でゆっくりと名を上げていきました。そりゃ、イケメン君が居るのだから依頼の成功率は100%ですよ。先月も練習試合の数合わせの依頼で、他校のバレー部をコテンパンにしました」
無情!って言うか弟ってバレー出来たんだ。その身長で良く戦えるな…まぁ、話を聞いた限り、跳躍力とかは有りそうだからな。案外…イケるものなのか…?
「まぁ、その裏で彼が何かしらの問題を抱えてたんですけどね…」
…嗚呼、そう言えばそんな話だったな。回想が色々と強過ぎて本題を忘れるところだった。とは言え、俺にマトモな助言が出来るか?俺に考え付く事を2人が実行していない訳がないしなぁ。
「彼がそうなったのはいつから?」
「分からないんですよね。突然そうなった気もしますし、ゆっくりとそうなっていった気もします」
まぁ、多分だけど、原因の1つはヒナさんなんだろうな。何も意図せず言った事が心を抉り取るなんて良くある事だし、彼女なら地雷を踏み抜くどころか、追加で爆弾投下してそうなんだよな。わざわざ口にする程では無いが。
「イケメン君から聞いてて分かっている事は、その子には自分の顔に対するコンプレックスがある事。その詳細が分かるまでは下手に刺激しない方が良いような気がするけどな」
まぁ、答えは神の味噌汁と言う事で。おっと、間違えた。神のみぞ知るだった。偶に間違うんだよね。許して下さい何でもしますから(何でもするとは言ってない)
「刺激するも何も、話せてすら居ないんですが…」
「えぇ…クラス同じだったりしないの?」
「するけど避けられてるんですもん!無理に追えませんよ!あんなに避けられたら!」
何をした。何をどうしたらそんな避けられるんだよ。奥さん綺麗に地雷を踏み抜いてるみたいだけど大丈夫?まぁ、めちゃくちゃ避けられてる時点で大丈夫じゃないか。ホントに何やってんだよ。
「このままじゃ部活が成り立たないんですけど!彼、とても優秀でしたし!一晩で相手選手のデータ全て集めてくれるんですよ!凄くないですか!?」
「って、言われても…その情報収集力相手にどうやって戦えと?」
「・・・」
いや、そこは納得するなよ。貴女が負けを認めたらそれこそお終いでしょうが。ラノベの主人公よろしく諦めは悪くあってくれよ。
「なんか考えるの飽きました。先生も来ない様ですし、帰りますか!」
「えぇ…(困惑)」
大丈夫か?弟よ。部長さんたら、すっかりやる気無くしちゃったみたいだけど?正に夢から覚めたみたいに爽やかだけど?大丈夫?ねぇ!コレ。俺、思いっ切りやらかしてないか?
「じゃあ、さようなら?」
「いや、送れよ」
「何故——」
「何故もクソも、この雨1人で帰らすはイジメも度が過ぎてるだろ」
「…別にヒモイト君でも——」
「今日が初対面な!?後、さっきからヒモイト君って何!?」
「ヒモで従姉妹のヒモイト君」
ネーミングセンスが酷い。下手に本名ばら撒かれるよりはマシだけど、それでもホラ…もっと…こう…ね?あっただろう?
「高校生2人をこんな雨の中歩かせると?」
「ここまでは歩いて来たんだろうが!」
「仕方ないので秘密をバラし——」
「よっしゃ。3人で行こか。ね?仲良くしよう?」
それは流石に禁止カードだろうが!出せたとしても出すなよ!そのカードは両者痛み分けファイトなんだよ!なんて奴だ!なんて奴なんだっ!!!
———
——
—
さて、皆さん。もう少しの間だけ、頭を使って考えてみましょう。まぁ、勘の良いガキや、記憶力の良い方ならもうお察しの事でしょうが。
傘無くね?
玄関の様子からヒナさんは持ってないとして。弟の奴と、俺の奴は壊れたばっか。アレ?相合3人傘フラグかコレ?そうは思いませんか?とんでも無く頭悪そうですよね。3人での相合傘なんて。
つまりは、こうです。
「頭痛い」
「フード被れば?」
「いや、天才か?」
弟とヒナさんは相合傘。俺は1人雨の下です。だから雨は痛いんだってばよ。まぁ、フードを被れば多少はマシになったものの。痛いものは痛い。さっさと、コンビニ行きたい人生だった。
「なんだか、イケメン従姉妹さんを見てると、とても居た堪れない気持ちに…胸に何か刺さっていないかなコレ」
「イケメン君の所為だね。罪な男よ」
「誰が最後まで渋ったんだったかな?」
「逃すか。お互い様だ」
正直、俺はこの場に要るのかな?さては、要らないのでは?まぁ、要らないよな。て言うか、普通に要らないのよ。弟居たら基本的に「大丈夫だ。問題無い」筈なんだから。いや、この言い方は問題あるけど。
そもそも、何故家に傘が無いのか。考えてみましょう。答えは家の外に出ない引きこもりだからです。いや、外に出てるやん。引きこもりの名が死んでるな。やれやれ。
「じゃ、また明日」
「風邪引かないようにね」
「そっくりそのままお返しします〜」
コレにて任務完了。俺はこの新しい相棒と帰宅するぜ。僕にはやらなきゃいけない事があるんだッ!!!(ゲームのデイリー)
「にしても、最近、自分らしく生きれていない気がする。俺は引きこもりでしょ?ここのところ、あまり引きこもれてないんだよ。外出量が例年比プラス10倍」
まだ今年になってから半年なのにな。おかしくないかな。運命は俺を引きこもりから脱却させるつもりか?誰がその手に乗ると言うのか。俺は引きこもりたいんだよ。
「そう。大変だね」
「なんだか淡白過ぎないかな?」
「…どうしても。不健康自慢する親戚を敬う人なんて中々居ないよね」
意外!それはクリティカルヒット!!!流石に火力が高過ぎやしませんか?俺の事嫌いか?まぁ、それはそれは妥当な結論で。俺も、俺が目の前に居たら嫌いになると思う。言っても、俺ってクソ野郎だし。
「それにしても…コレで良かったのか?今回、相談も何も出来てなかったんだけど」
「まぁ、ダメダメだと思うよ。何も進展してないし」
だよねー。分かってたけど、おキツイお言葉頂きました。事実として何も出来なかったのはそうだし、申し訳ない気持ちはいっぱい。おふざけだけで、何も考えなかった訳じゃ無いんだが…
「…別に、一発逆転って訳じゃないけどさ。拗れた関係を何かしらの出来事で「はい。元通り」って言うのは難しいと思うんだよ」
「…まぁ、そうだね」
「少なくとも、僕は人間関係はそんな簡単に再形成出来るものじゃないと思ってる。初めから期待して無いとは言わないけれど、そうあまり重く受け止めないでとは言うべきかな」
おぉ。コレはツンデレ弟してる。素晴らしい物を見れた。角膜シャッターが閉じまくってますな。脳内メモリーの最重要部に保存確定。一生忘れてなるものか。
「それに、コレは元はと言えば僕等の話だ。頼ってるだけじゃダメだろ…」
うぉーい。中々に重く受け止めてんな。それ、重く受け止めちゃった奴が吐くセリフだろうが。角膜シャッターパシャパシャとか言ってる場合か。とりあえず、聞こえないフリして話逸らしとこ。
「あっ、言い忘れてたけどスマホ壊れた」
「え?」
「なんか水没しちゃって…」
「は?」
気持ちは分かるけど、そんな信じられない物を見る様な目は、人には向けちゃダメでしょう。とんでもない人格否定の一種だと、そう言いたくなりますよ。はい。
「……何故…僕は…こんなのに…」
「なんか、とんでもない悪口言おうとしてない?」
て言うか、言ったよね。もう悪口言ったよね?「こんなの」って言ったよね。それも、仮にも半分血の繋がった兄弟に。幾ら似ても似つかないとは言え、酷くありゃせんか…?
「してたかも。忘れて」
「『忘れて』で、忘られる安価な脳味噌じゃないんだなコレが」
「じゃあ、伝えておこうか」
なんて暴論。あまりにも変な方向に転換し過ぎじゃないか?逆に考えるって言っても、コレは逆に考えちゃダメなタイプの奴だろうが。
「はぁ…なんだか馬鹿みたい」
「酷くない!?」
「酷くないよ」
「そっかー」
「そうだよ」
…え?コレで会話終わり?えぇ……
帰宅。
「何故、俺にタオルを頑なに取らせなかったんですかね。お陰様で地べた這いつくばって、床を拭いてる訳なんですけども」
「髪の毛が濡れてると、思ったより印象変わるよね」
「そんな理由で!?」
「部長さん騙せたのはそのお陰でしょ?」
「まぁ…?確かに?そうかも…?」
完。




