サタンちゃまとタイ紀行その5
昼間はやることないのでビーチに行ってメリーたちと合流した。
「ここは天国ね」
ビキニ姿のメリーがジュースが入ったグラス片手に寝転び、ビーチを満喫していた。
異世界人の適応力恐るべしだな。
しかし、ビキニとは大胆で意外とスタイルがいいな。某マヨネーズ人形体型の俺と雲泥の差だな。
まぁ、そんなことはとっくの1万年前から諦めている。それより暑いな。
「で、生首退治した?」
「いにゃっ……深夜しか出にゃいから」
「なるほど、だから戻って来たんだ」
いや、お前らが遊ぶために離脱したんだろ。
「まだ夜まで時間があるわよね。ちびっ子も海泳いだら?」
「無茶言うにゃっ、こう見えてもアタチは泳げにゃいにゃ」
「……でしょうね」
「にゃっ!」
分かった風に言いよる。
俺が泳げない根拠はこの忌々しい永遠の幼児体型だからか……。
「アンタ一人で泳がせるにはいけないのよ、保護者として」
「にゃっ! にゃにを上から目線に……」
メリーも言うようになったな。しかし逆にお前を守っているのが俺と言うことを忘れるな。
さて、呆れた顔で俺を見おろすメリーがため息吐いた。
「ふう〜、だったらいつものお世話係呼んだら?」
「にゃにっ……」
黒騎士三人娘こと三馬鹿のことだな。
確かにあの三人いや、クレナを除く二人におちょくられるがなんだかんだ面倒見てもらえるから、彼女らより強い部下がいてもメンタル安定のために絶対必要なんだ。
それで納得した俺は三馬鹿を召喚した。
「社長っ待ってました」
「サタン様〜〜っ!」
「あっつ……」
キツネ目の上機嫌な黒鴉と俺を抱き締める暑苦しいクレナと、その横で日陰に避難するロウラン。俺より肌の方が大事か?
「ところで社長っなんすか?」
「にゃんすかじゃにゃいにゃ」
「にゃが三回……それで意味が分かってしまうのが怖いすね……」
「にゃにがにゃ、それより今から海で泳ぐからサポートしろにゃ」
「え〜〜っ」
露骨に嫌な顔する黒鴉。
「このにゃろ〜めにゃっ、文句言うヒマがあったらさっさと水着に着替えて泳ぎの補助しろにゃ!」
「……み、水着すか……」
「にゃんにゃ黒鴉?」
「いやぁ〜他人に肌見せるのは久しぶりすね……」
「にゃに……」
あの黒鴉が恥じらっている。
確かにコイツら甲冑姿で顔意外肌見せてないからな。だからいきなり水着姿は抵抗あるんだな。
だが俺は非情だ。
「丁度魔界行商人からもらってた泳げる水着が3着あるから着替え来いにゃ」
俺はガマ財布から金づちでも着たら泳げる水着を3着取り出した。因みに紺の競泳水着だ。
「ちょっ社長っ泳げる水着って魔道具に頼らんでもワタシら泳げますぜ」
「にゃるほど」
「社長っ……納得して誤魔化さないで欲しいっすね。でもまぁ破廉恥なビキニに比べて面積があるこの競泳水着ならギリ許容範囲すね」
メリーをチラ見した黒鴉が仕方なく言って俺から泳げる水着を受け取った。
「サタン様っ少々お待ちください」
「仕方ないですわね〜……まぁ、これはお仕事と思って割り切りしかないですわね〜……」
ヤル気満々なクレナと比べてロウランは嫌々水着を受け取った。コイツもクッソ舐めてるな。
「ちょっと待つにゃロウラン」
「……はいっ? なんでしょうかサタン様」
「おみゃえには特別な水着に替えてやるにゃ」
「……いや、結構です」
感の鋭い奴だ。涼しい顔して右頬から一筋の汗を流したロウランが俺に背を向けた。
だが逃がさん。
俺は急いで回り込んで、ガマ財布から取り出した泳げるビキニをロウランに突き出した。
「これ着ろにゃ!」
「ちょっとビ、ビキニなんて……」
「にゃんにゃっロウランまさかスタイルに自信がにゃいのか?」
「そっ、そんなことございませんっ!」
顔真っ赤にしたロウランが俺からビキニを奪うように受け取った。
「にゃにゃっ♬ それでは一緒に着替えるにゃ」
俺は砂浜にガマハウスを設置して中で着替えた。ちなみに俺は幼児用ワンピースタイプの水着だ。
「水着なんて初めてかも知れないすね」
「そうにゃのか黒鴉?」
「ええ、ワタシらは海とは無縁の魔界出身すから、生まれて物心ついた時から甲冑姿すよ」
「にゃるほど……しかし」
一緒に風呂に入る仲だが、改めて見るとコイツらスタイルいいな。
「ちょっと社長っなにジロジロ見てんすか?」
「肌露出したおみゃえら斬新に見えてにゃ」
「社長っ……あんまり見ないでくれます……」
「にゃっ」
恥じらう黒鴉に俺は戸惑いを感じた。
「にゃるほど、とりあえず泳ぎのサポートにゃ」
「ちょっとサタン様っ! 黒鴉より大胆な水着の私にも構ってくれません?」
頬膨らませたロウランが俺に文句を言った。それにしても彼女が一番肌が白いな。
「にゃにゃっ♬ 似合ってるにゃロウラン。それより早く泳ぐにゃ」
「……も〜っそれよりってなんですかサタン様。仕方ないですわねっはいっ溺れないようにサポートしますわ」
文句を言いながらロウランは俺の手を取り引っ張って行く。そして三人に補助されながら短い足をバタつかせ泳いだ。
こうして楽しい時間があっという間に過ぎ夜をむかえた。




