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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
邪神戦争編

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サタンちゃまとタイ紀行その6

 

 陽が沈むまでビーチで遊び倒した俺たち。まぁ邪神そっちのけで遊びに夢中なをだから、それを知ったユウト艦長はカンカンだろうな。で、食堂に戻ると店主のマレさんが待っていてくれた。


「お帰りなさい。疲れただろうに、なにか食べるかい?」

「にゃら辛くないガパオライス旗付きにゃ」


 冗談で俺が言うと横からヒューイが『旗要るか?』とツッコんできたので、『要るにゃっ!』と応えてやった。


「そうムキになるなよ」

「撫でるにゃっ!」


 許可無く頭を撫でるなヒューイ。

 しかし人間の都合で頭撫でられて咽鳴らす猫共の気持ちが分からん。


「いやぁ〜しかし、今回の敵は首の化け物で楽勝だろ?」

「……おみゃえにゃ〜油断は禁物だにゃ」

「首から下臓物ぶら下げているだけにか?」

「にゃむ〜〜……」


 ダジャレはともかく、果たして生首化け物ピー・ガスが邪神と関係しているのか気になる。それは邪神にしてはスケールが小さい気がするからだ。

 大体世界妖怪図鑑にも載ってないほどマイナーだからな。しかも弱そうだ。


「にゃにゃっ♬ 楽勝にゃ」

「おいおいっ油断するなよちびっ子」


 サタンと呼べやヒューイ。


「にゃにゃっ馬鹿を言うにゃ、生首にゃどソルト一人でこと足りるにゃ」

「おいおいっ町が吹っ飛ぶぞ」


 谷川シェフがツッコミを入れた。ビール飲んで上機嫌だな。

 すると谷川シェフが壁掛け時計を見た。


「でっ主人っピー・ガスが出る時間は?」

「0時以降の深夜に良く出るのよ」

「それは幸いしたな。観光客で賑わっているこの時間に出たら大変だったな」


 現時刻は午後18時の飯時だ。


「さ〜て、お嬢ちゃんはなに食べるかい?」


 店主のマレさんが聞いてきた。


「ガパオライスにゃ」

「アンタまたガパオライス頼むのかい?」

「うにゃっ……」


 まだ2回目だろうにそんなにツッコミたいのか?


「うんにゃっガパオライスにゃ」

「頑固な子供だね〜まぁいいけど、そこの三人もガパオライスでいいかい?」


 三馬鹿にマレさんが声を掛けた。


「えっ、いいんすか?」


 飯位で笑顔になる黒鴉。いや腹減っていて美味いし嬉しいよな。

 しかし活動時間が増えたとは言えそろそろファイルに戻すか……。


「おみゃえら悪魔ファイルに戻し忘れたにゃ」

「ちょっと社長〜そりゃないっすよ。せめて食べてからに……」


 泣きそうな顔した黒鴉がしゃがんで俺の両手肩を掴んだ。ちょっと大袈裟な態度だが、それだけ食に対して真剣なんだな。


「誰が食べるなと言ったにゃ?」

「えっ社長っ!」

「おみゃえら食べてから戻れにゃ」

「流石社長っ太っ腹!」


 タダ飯なんだからそんなに褒めるな。


 皆席に座ってメニューを選んでいる最中に地元民の男性が血相変えて入って来た。


「マレさん大変だっ!」

「なんだいソムチャック。なにかあったかい?」

「たっ、大変だっはっ、繁華街に複数のピー・ガスが出て人々を襲ってやがる!」

「なんだって!」


 複数って想定外だな。


「おいおいっまだこんな時間に大胆なお化けだな」


 谷川シェフが立ちあがった。


「こりゃ食ってる場合じゃないね」


 遊んでる場合じゃなかったと、肩をすくめるヒューイ。確かに陽が沈むまで遊んでたからな。


「仕方にゃいピー・ガス退治に出るにゃ」

「え〜社長っせめて食べてからに」

「にゃんにゃ黒鴉っ今それどころじゃにゃいにゃ」

「そうすか……」


 寂しそうな顔するな。


「にゃったら一人残って食ってればいいにゃ」

「……それは嫌っす。皆で食べないと」


 本当に寂しがり屋だな。


「にゃむ〜仕方にゃい。主人よ少し待っていてくれにゃいか?」

「ああ心配ないさ。ピー・ガス退治してくれるんだもの、遅くなっても待っているからさ」

「ありがとうにゃ」


 心が広いマレさんで良かったよ。

 さて俺たちは外に出た。すると市民や観光客たちが複数の生首に追われパニックになっていた。

 それにしてもマジで内臓ぶら下げた生首が飛び回っている。


「おいっ、早速かよ」


 呆れる様に谷川シェフが地元漁師から借りた槍を構える。すると殺気を感じたのか生首がこちらに振り向いた。


「おい来るぞっ!」


 谷川シェフが警告すると皆戦闘態勢だ。


「いいねっ久しぶりの戦闘だっ!」


 ヒューイが剣でピー・ガスに斬りつけた。


「決まっ……んっ? 歯ごたえがない。うわっ!」


 剣を素通りしたピー・ガスがヒューイに向かって飛んで来る。しかし方向転換して一般人の女性に噛み付いた。


「にんにゃっ?」


 物理攻撃出来るのか……。

 しかしまるでゾンビだな。


「チッ、ゴースト系かっ、そんなことなら聖女様を呼んでいくべきだったな」


 そう言って谷川シェフが後退する。

 しかしゴースト系なら対応出来るのは限られているな。俺は仲間を見た。


「ロウランッ頼むにゃ」

「サタン様〜悪霊系は収集対象外なんですけど」

「ワガママ言うにゃっロウラン。あとでうんまい棒やるから頼むにゃ」

「要りませんっ、でも仕方ないわね〜」


 渋々ツルハシを構えるロウラン。どうでもいいがそろそろ大鎌に変えないか? 知らない人が見たらガテン系美女と勘違いするぞ。


 一匹のピー・ガスが襲って来た。するとロウランはびびって俺のうしろに回った。


「やっぱキモイッ!」

「こにゃっアタチを盾にするにゃ! それにおみゃえの敵じゃにゃいにゃろ?」

「それはそうですけど……だったら例えばですけど〜サタン様は小さいクモ退治出来ますか?」

「にゃにを……無理にゃ」


 虫コロでも苦手だと無理だな。だから生首に怯えるロウランの気持ちが分かる。


 皆手出し出来ない中痺れを切らしたエイトさんが飛び出し、聖なる斧でピー・ガスを斬った。すると生首が消えた。

 悪霊に相性抜群の天使は部が悪いな。


「楽勝だにゃ」

「……女性ばかり襲われているのが気になるのら」

「にゃにっ」


 エイトさんの指摘通り良く見たらピー・ガスは女性しか襲ってなかった。


「どう言うことにゃ?」

「分からんのら……それに倒しても噛まれた女性の首が……」

「にゃにっ!」


 ピー・ガスに襲われ倒れていた女性の首が胴体から離れて浮遊した。


「新たなピー・ガスにゃっ!」

「……噛まれると感染するのら」


 やっぱりゾンビと同じだ。


「おいっやべーぞっ」

「確かにこのままほっといたら鼠算式に生首が増えて大変なことになるな」


 そう言って杖を構えたドルチェルがうなづく。


「しかし感染ってウイルスか?」

「それはちょっと違うな」


 谷川シェフが聞くと見知らぬ若い男が答えた。白いスーツを着て腰に長剣を装備した金髪美形だ。


「誰だアンタは冒険者か?」

「……私はヘブンズ財団所属するゴット聖騎士隊騎士団長のノアだ」

「なにっ! ヘブンズ財団と言やぁ〜世界的大富豪一族の」

「私はその由緒正しき血族だ」


 谷川シェフが驚く。

 まさかグローバリストの黒幕が動き出したか。しかしムカつくほど容姿が整い高級そうな白スーツが決まっている。

 金持ちめ……邪神さん出番ですよ。


「それよりアレは噛まれると感染する呪いだ」

「感染する呪いだって? 噛まれた女性はピー・ガスになるってか?」

「ええ、陽が昇ると症状が治まりますが、また陽が沈むと発症します」

「厄介だな……対処法は?」

「……感染者を殺すしか方法はないね」

「馬鹿なっ! 他に方法はないのかよっ!」


 激怒した谷川シェフが思わずノアの襟を掴んで詰め寄った。彼には娘がいるから気が気じゃないんだな。


「落ち着きたまえ野蛮人」

「なにってめえっ!」

「ソッソーリー悪気はない」


 無自覚な悪意もどうかなと思う。


「と、とりあえず店に戻って対策し直そうぜ」


 谷川シェフはノアを離した。

 それから俺たちはマレさんの店に戻った。すると店内に数人の客たちが騒いでいる。

 それで俺は客の間をする抜けるとマレさんの娘アチャラが床に倒れていた。


「どうしたにゃアチャラ?」


 大量の汗をかいて息が荒く苦しそう。すると介護中のマレさんが口を開いた。


「ピー・ガスに噛まれたのよ……ああどうしたら」

「にゃんてことにゃ……」


 ピー・ガスを倒しても感染者は治らない。対処方法は感染者を殺すしかないのか?


「手遅れになるまで殺すしかない」


 そう言ってノアが長剣を鞘から引き抜いた。


「ちょっと待つにゃっ!」

「なんだ子供っ邪魔をするな」

「駄目にゃっ絶対にアチャラには手を出させにゃいにゃっ!」

「ふんっ忌々しい悪魔がっ! 邪魔するならお前から先に退治してやる!」

「にゃにっ!」


 コイツ俺のこと知ってるのか……。


『シシ、揉めてんなぁ〜』


 すると店の奥から聞き覚えのある不愉快な笑い声がした。んでやっぱり邪神が椅子に座ってビールを飲んでた。


「諸悪の根源見つけたにゃっ!」

『……シシ、指差すなよちびっ子。それに今回の騒動は俺じゃねえよ』

「嘘付くにゃ!」

『俺を信じろ嘘じゃねーよちびっ子……』


 ムッとする邪神。


『にしてもそこの若造はグローバリストじゃねえか……ここで会ったが百年目ってかぁ?』


 立ちあがった邪神が首を傾げノアを見おろした。


「邪神っ……」


 警戒したノアが剣を両手で構えた。だが邪神は構わずアチャラの側に寄ってしゃがんだ。


『シシ、お前をぶっ殺したいのは山々だが、今はそれどころじゃねぇ、このアチャラ()の感染呪いを解くには薬が必要だ』

「にゃにっ、その薬はどこにあるにゃ?」

『持ってるぜ』


 すると邪神が空間から青い小瓶を取り出した。


『これはどんな呪いに効く万能薬だ』

「にゃにっくれるのかにゃっ!?」

「馬鹿野郎ちびっ子タダじゃねーぞ」


 ちびっ子は余計で相変わらず口の悪い邪神だ。


「にゃったらいくらにゃ?」


 俺が右手を伸ばした。


『シシ高いぜ』

「知ってるにゃっ、おみゃえがボッタくるのは想定済みにゃっ!」

『なるほど……じゃあ言うが一億だ』

「たっ、高過ぎるにゃっ困っているところに足元見やがってにゃ……」

『足元見てるだぁ〜? 当然だろっ俺は無償で差し出す聖人君主じゃねぇんだよ。大人なんだから利益を出すためボッタくるに決まってんだろ』

「にゃにっクズ過ぎるにゃ……」


 流石邪神だ。


『シシ、褒めているのか?』

「それはない」


 ドルチェルがツッコミを入れた。しかしある意味誉めているよな。


『しかし俺も鬼ではない。そこにいるグローバリストよりはな……でだ、明日開催するゴット祭りに優勝したら、この薬タダで恵んでやる』

「『……』」


 邪神の言い方に皆黙った。

 するとマレさんが邪神に声を掛けた。


「ちょっと待ちなよ。ゴット祭りなんて初耳だねぇ……」


 地元民も知らない祭りって……。


『シシ、それはお前が準備していた祭りだ』

「計画的にゃろ? それで優勝ってどんな内容にゃ?」

『シシうるせ〜なぁ……』

「にゃにこにゃっ!」


 プンプンした俺は邪神に詰め寄った。


『そんなにキレんなよちびっ子。ルールは簡単っ俺が用意した神に勝ったら万能薬を恵んでやる』

「にゃにっ」


 その言い方やめろ。

 とにかく明日強引に開催されるゴット祭りに優勝すれば万能薬が手に入るらしい。

 当然それを聞いた仲間がヤル気を出した。


『それじゃ俺は祭りの準備で忙しいからおいとまさせてもらうぜ』


 背を向けた邪神が右手を振って出口に向かった。


「ちょっと待てにゃ逃げるのかにゃ?」


 俺が追い掛けると邪神が振り向いた。


『……誰が逃げるってちびっ子』

「こにゃ〜ヤンのか?」

『シシ、気が早いちびっ子だ。そう焦らずとも明日の祭りでお前をサッカーボールの様に蹴飛ばしてやるからな』

「にゃにっ……誰が祭りに参加するにゃど……」

『馬鹿野郎っオメーが祭りに参加しなくてどうする? 強制だからな』

「嫌にゃ……」


 自分が参加するのは嫌でテンションさがった。


『シシッ、明日楽しみに参加待っているぜ』


 そう言って邪神は出て行った。んで誰も追わなかった。相手は邪神で返り討ちに遭うのは目に見えているからな。

 とにかく俺もゴット祭りに参加させられる事態になってしまった。ああ、嫌いな運動会の朝をむかえる気分だ。


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