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竿斬りの舞  作者: 凪子
第三夜
29/146

29.

「いらっしゃいませ。お客様、2名様ですか?」


「はい。禁煙席でお願いします」


朋子の後ろから現れた舞に、秋山は目を細めた。微笑みかけて軽く会釈する。


「こんにちは。お席までご案内いたします」


窓際のテーブル席まで案内されながら、朋子は小声で舞に耳打ちした。


「もしかして舞、ここに来たことあったの?」


「ええ。前に何度か」


「どうして誘ってくれなかったのよ」


「そのときはほら、朋子はテスト中で忙しかったし」


「嘘。かっこいい店員さんをひとりじめしたかったんでしょ」


心臓がひときわ大きく波打つ。


秋山に聞こえたらと思うと、舞は冷や汗を感じた。


「そんなんじゃないって。やめてよ朋子」


「むきになっちゃって。怪しいなあ」


「こちらメニューになります。本日のアイスはクランベリーのアイスになります」


2人が席につくと、秋山はにこやかに言った。


「今日はお友達もご一緒なんですね」


「はじめまして。石田朋子いしだともこっていいます」


朋子は持ち前の人なつっこい性格を発揮して、満面の笑みで挨拶した。


「舞はどれくらいここに来てたんですか?聞いても教えてくれなくて」


「そうですね、先週はわりとよく来られてましたよ。最近来られないので、寂しいなと思っていたところです」


照れるどころか臆面もなく言ってのけたので、舞はぎょっとした。


「へえ~そうなんですか~」


朋子の含み笑いに耐えきれず、首筋まで真っ赤にしてうつむく。


秋山と朋子は顔を見合わせ、共犯者めいた笑みを浮かべた。


「それでは、ご用がおありでしたら何なりとお申しつけください」


と言うと、秋山は右手をゆるやかな孤を描いて胸の前に上げ、美しい礼をしてみせた。







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