25/194
9月15日 『風邪っぴき』
ママ、いたい、いたいの。頭が痛い。
いたい、いたいの。喉が痛い。
いたい、いたいの。胸が痛い。
いたい、いたいの。お腹が痛い。
いたい、いたいの。膝が痛い。
あつい、あついの。お熱があるの。
あの頃はいつだって大きな手がすぐ近くにあって、私の頭を撫でてくれた。
つらいね。しんどいね。がんばってるね。
大丈夫よ、元気になるからね。
だいじょうぶよ、ここにいるからね。
普段は怒りん坊でちょこっと怖いママが、一段と優しくなる風邪っぴきが、私は大好き。だから絶対元気になって、またたくさんイタズラをして、たくさん怒られるんだ。そしたらまた風邪っぴきになって、だいじょうぶ、だいじょうぶって繰り返すの。
そうして私は、大人になった。もうあの大きな手はなくなった。だから今度は私が大きな手になったのね。
大丈夫よ、元気になるからね。だいじょうぶよ、ここにいるからね。




