7話 あれは我のものじゃ!!
「グギャグギャギャ!」
「「「グギャァアア!」」」
何と!
ようやく見つけたぞ、親玉よ!
他の餓鬼共とは違い、随分と図体がデカい。
牛頭以上か!
そしてそれだけでは無い。
「「グルォオオオオオオオ!!!」」
相対しているのは何と、2匹の竜じゃ!
恐らく番か!
空から一匹の竜が森と親玉に向け炎のブレスを放ちよる。
良いぞ!
彼奴らは害虫だ!
竜よ、やってしまえ!!
我は少し怖くなったので木の上で見物しておるからの!
無論、怖いだけでは無いぞ。
火が森へ移り山火事となっては大変だ。
我が火をある程度消してやろう!
思う存分戦うが良いぞ!
「グギャグギャ!」
「「「グギャァアア!!」」
親玉が餓鬼共を束ね、地で相対するもう一匹の竜へ突撃していくぞ!
「グルァアアアア!!」
何と見事な炎のブレス!
洗練されてはおらぬが、良い威力のブレスよ!
それにしてもなぜ彼奴は飛ばんのじゃ。
翼をやられたか?
「グルォオオオオ!!!」
おお!上から更にブレスを放ち、奴らに逃げ場は無くなったぞ!
2本のブレス、幾ら無限の如き湧きでる餓鬼共でも一匹も残らぬはずよ。
感謝するぞ竜よ。
「グギャグギャ!」
「「グギャアアアア!」」
なんと!?
あのブレスを受け、耐えたじゃと!?
ありえぬ!
あの集中砲火は我が城壁でも一度しか耐えぬぞ!
それを餓鬼共に対処できるはずが──何だあれは?
餓鬼の親玉が掲げているのは、剣か?
あれか!
あの剣が餓鬼共を守ったのだ!
欲しい!
あれが欲しいぞ!
気が変わったぞ竜よ。
貴様らの獲物を横取りするようで悪いが、我も参戦させてもらおう!
恐らくあの剣は我の鞄と同じような物。
“これくたー”として、我が物にしなければ気が済まぬ!
何よりあのような餓鬼の親玉には似合わぬのだ。
素晴らしい物は尊き者の元へ渡り有効に使われるべきだ。
故に!
あれは我のものじゃ!!
「きゅるあ!」
我の声が戦場へ響き渡り、静まり返った。
ふふ、注目を浴びておる。
特別にその不躾な目を我に浴びせて良いぞ。
我が尊く麗しい玉体をその目にしかと焼き付けるが良い。
なにせ、我は貴様らのような塵芥とは違い、伝説の獣へとなるのだからな!
一度だけ許そう。
そして、我を目に焼き付けたまま、氷の中へ眠るが良い!
「きゅる、きゅああ!」
我が必殺、『氷結地獄』だ!
貴様らが我に心奪われておる間にはもう既に内なる力を貯めておったのじゃ!
さぁ餓鬼共、ここで全て悉く凍てつくが良い!!
─パキン!
「グ、グギャ」
ぬ、親玉が耐えておる。
全方位に振りまいた我が極寒の吹雪を耐えるか。
親玉の周りに薄い膜が張っておるな。
素晴らしい。
その剣、ますます欲しくなったぞ!
『氷結地獄』の吹雪は一度放てば我の気分でいつでも消せるのだが、これは敵を仕留めきれなかった時のためにまだ必要だ。
普段は中々感じないが、内なる力がだんだんと減っていく。
早急に片をつけるぞ!
「きゅるぁあああ〜」
我が構えは『氷極光線』。
内なる力が我が口へ一点に集まる。
そして内なる力だけでは無い。
─ヒュゴォォ
吹雪も我が元へ集う。
それを一点に集中し今、解き放つ!
「きゅるあぁあああ!」
「グギャアアアアアアア!?」
剣の防御を貫き、一瞬で親玉を凍り付かせた!
名は、『氷極大光線』と言ったところかの。
使う機会が無かったが、凄まじいの一言だ。
我が最強の必殺技は『氷結地獄』から『氷極大光線』へ“ちぇんじ”じゃな!
うむ!
では戦利品を貰うとしよう!




