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32話 我の眼は正しかった!

「ピィーーー!」


そこだ!子竜!


「「グギャァアア!?」」


空を飛ぶ子竜がブレスを放ち餓鬼共を貫き、吹き飛ばす。


良いぞ、子竜よ!


成長が著しく伸びており我は嬉しいぞ!


あの会議から幾らか経ち、我らは苗木を手に入れた洞窟へ再び足を踏み入れていた。


子竜の立派な竜になるための修行も兼ねておるが、やはりずっと気になっていた邪なモノの確認に来ておる。


城を建て、桜が咲いてから余計に感じるのだ。


邪なモノの存在感がゆっくりとだが、デカくなっておる。


その存在を感知したのは何も我だけではなかった。


だが、思わぬ獣でもあった。


─ウリ坊達だ。


ウリ坊達はその存在を他でも見ていると聞いた。


邪気を振り撒く、世界に災いを齎らすモノだと。


その存在が表へ出れば草木は枯れ、大地は死に、餓鬼の様なケダモノが何処からともなく現れ他の森を侵食するのだと。


それを聞いた我は早急にその洞窟へ赴いた。


あの時に処理出来れば良かったのかも知れぬが、ウリ坊達が言うにはこの桜、世界樹の一種であり、この恩恵を授けられ無ければ浄化しきるのは難しいらしい。


油断すればその邪気に蝕まれ、犯され、その存在の傀儡になるそうだ。


恐ろしいモノだ。


結局どちらにせよ一度戻り世界樹を植えなければどうにもならんかったそうだ。


我、“ふぁいんぷれー”じゃの!


そして此度ここに来ているのは我だけでは無い。


『我が主人、我々が露払い致します!』


『うむ、頼もう』


「グルァアア!!」


そう、今年の側付きの気高き狼達と来ておる。


余りに危なそうであれば子竜を置いて行き、一人で赴こうと思うたが、狼に悟られた。


『我が主人?一頭で何処に行くおつもりで?』


普段は我の為、気高く我の威光の片鱗を我の代わりに知らしめ、それを褒めてやれば照れ、美しくかわよい、愛い狼の娘なのだが、こっそり動こうとなればすぐ嗅ぎつけてくるのだ。


そしてその都度、怒っておる。


我に中々怒りを向ける獣はおらぬが、この狼はしっかり怒るのだ。


『我ら狼を信用して無いと言うことか!』と。


うむ、我が悪い。


そしてしっかり怒る時は我が大体何か隠しておる時か、後ろめたい時だ。


ううむ、猿に続き、狼にまで我の心情を察されるとは、我はまだまだ精進が足りぬ。


隠し事の一つや二つ、出来るようにせねば。


故にこうして狼、子竜と共に洞窟へ来ておる。


そんな中我は何をしておるかと言うと──


─キュイン


うぬ、死体が消えた奴等から落ちる青い石を拾うておる。


この石、ウリ坊達が言うには世界樹の近くに埋めると中に溜まる邪気を浄化し、体を癒す薬の素になるそうだ。


そしてウリ坊達がその邪気を正しく浄化できる獣だそうで、ただ埋め、浄化するだけであれば世界樹が段々と腐っていくらしい。


試しに何個か渡して様子を見てやれば石が白く淡い光を放ち、正しくその通りになった。


思った以上にウリ坊達の存在が我の中でデカくなっておる。


彼奴等、不思議存在且つ愛玩動物くらいの認識だったが、中々どうしてこの地に必須な獣なのだ。


それにあの日申し出る態度も我らに相応しい確かな気高さを感じた故、もう侮る獣はいないだろう。


うむ、やはり我の眼は正しかった!


─キュイン


それを考えながらまた子竜と狼が倒した餓鬼の石を拾うておる。


無論、荘厳且つ優美にだ!


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