30話 責任、いつか取ってもらいますわ!
『お、美味しいね!』
「ピィ!」
私は主人が用意して下さったデザートを殿下と一緒に食べていた。
見たことない真っ白な食べ物。
服を着たお猿さんはこれを“けーき”と言っていた。
色んな果物が乗っていて、とっても美味しい!
「ピィ!ピィ!」
『なりませぬ、殿下。我が主人から殿下のデザートは一つにせよ、と申しつかっています』
「ピィ!?」
『狸殿はもう一つ、我が主人からプリンを授ける様言われておりますので、そちらもどうぞ』
『え!?そんな、も、貰えません!』
『我が主人のご命令として私は言われております。私の為にも頂いて欲しい所存です』
そ、それを言われたら断れないよー!
『そ、それじゃ、頂きます』
「ピィ・・・」
うぅ、殿下の目がうるうるしてる!
か、可愛いけど居た堪れない!
胸と胃が痛いです主人様!
そ、そうだ!
『殿下、一緒に食べよ!半分こで!』
「ピィ!」
『いいですよね、お猿さん!』
『我が主人から賜った物を私が意見するなど烏滸がましい限りです。ので、私は何も言う事はございませぬ』
『ありがとう、お猿さん!』
「ピィ!」
『いえいえ、私は勤めを果たしているのみです。では私はここで』
そう言ってお猿さんは姿勢を正し、部屋を出て行った。
『殿下、どうぞ!』
「ピィ!」
殿下が喜んでる、可愛い!
こうやって一緒に何かを殿下と食べれて幸せです。
主人様、ありがとう!
『孔雀殿、少しいい?』
狼殿にそう声をかけられるまで妾は自分がどうしていたのか分からなかった。
記憶がない。
『その話、わっちにも混ぜて欲しくありんす』
狐殿からも声がかかった。
『え、えぇ。勿論ですわ』
いずれも雌だった。
恐らく我が君の事だろう。
『そ、その孔雀殿はどうやって眷族に選ばれたのか、聞いてみたくて』
そ、そこから!?
妾は思わず飛び跳ねた。
『か、軽々しく我が君の事を話すのは失礼かと思いますわ』
『ん、確かに、そう、ね』
狼は何処か残念そうな雰囲気を漂わせている。
で、でも、我が君との出会いを知られるのは、恥ずかしい・・・。
真っ白な狐さんが優雅に尾を揺らし言う。
『主はわっち等に言ったでありんす。親睦を深めよ、と。ならわっち等はここで仲を深める為、共通の話題、つまり主の話をしても良いと言外に伝えておってでござりんす』
『た、確かにそうかもしれないですわ・・・』
そ、そう言われたらそうかもしれないわ。
だ、ダメ、さっきの出来事で頭が回りませんわ。
あ、さっき──
『また恐怖で眠れぬ夜があれば申せ』
また、また、また、また!?
はぅ!!
『く、孔雀殿!?大丈夫!?』
『・・・ひっくり返っておりんす。なんと羨ま・・・コンッ!なんでもありんせん』
『狐殿、また明日話さない?孔雀殿が落ち着いて話せる様になってからでもいいと思うの』
『そうするでありんす。お猿、孔雀はんを部屋へ』
『承知しました』
妾は思わず倒れてしまいそれ以降記憶がない。
我が君、妾にこの様な恥を晒した責任、いつか取ってもらいますわ!




