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12話 流石我の子竜じゃ!

良し、ではここに我が城を建てようと思うぞ!


「ぴぃ!ぴぃ!」


うぬ、焼き魚じゃな。


今作るから少し待っておれ。


しかし、体が大きくなった故に、この便利な布が使いづらくなってしまったぞ。


だが、使わねば料理ができぬ。


我は料理人じゃからな。


料理ができねば困るのだ。


「ぴぃ!」


ぬ、まだ生じゃ!


つまみ食いは許さぬぞ!


「ぴぃ?ぴぃ!」


ふふ、尻尾で持ってやればすぐそっちに夢中になる。


まだまだ思考は幼児よの。


愛い愛い。


さて、我は料理をしながらどこに城を建てるか考えねばなるまい。


妥協は許さぬ。


この洞窟を中心に作るかの。


伝説の獣の住まう城。


「ヒュルルル」


くふふふ。


素晴らしく美しく荘厳で優美な城を建てねばなるまい!


月の光を背景に利用し反射を合わせて見せるのはどうだ。


うぬうぬ。


良いぞ良いぞ。


この泉も我が庭園に加えたいの。


想像が膨らむぞ!


城は大きければ大きいほどそれ相応の威厳を振り撒くが、同時に中身が共合わねばならぬ。


城下に住む獣にも我が威厳を理解してもらわねば成らぬ。


うぬ、難しいの。


よし、決めたぞ!


まずは散策し、辺りを調べ“まーきんぐ”し、それを目安に城の大きさを決めようではないか!


「ヒュルルル!」


ふはははは!


我賢い!


我美しい!


「ぴぃ!」


どうした子竜よ。


─な!?


魚が焦げとるぅ!?


や、やってしもうた〜!!






「ぴぃ」


うぬ、すまぬ。


機嫌直してくれたもう。


新しい魚を用意してやったが、どうやら先ほどの魚を食べたかった様で、拗ねておる。


我が悪いのだが。


うぅ、すまぬの。


料理中に他の事を考えては成らぬな


火事の元になろう。


子竜の機嫌と我の目的を合わせて今から辺りを散歩するのだ。


餓鬼は少なくなったからの、その分新たな獣が集まってくれれば嬉しいぞ。


では行くとしよう。





先ずはあの戦のあった場所に一度戻る事とした。


そういえばあの親玉と剣(つるぎ)そろそろ取っても良いな。


拠点の泉で溶かしながら待っておるのだが中々溶けてはくれなんだ。


だがこの姿となった今なら恐らく簡単に氷を削り、剣を取れよう。


うむ、帰ってからの楽しみも出来た。


「ぴぃ!」


─ガサ


お!?


何か来るぞ!


匂いである程度獣がいるのは分かっておったが、さてなんだ。


「ポコ!?」


「ぴぃ?」


ふむ、あれは狸か。


我に取っては獲物にもなり得ぬな。


肉も少なく、美味くなさそうだ。


「ぴぃ!」


なに、此奴、やる目をしておる。


そこまでの覚悟があるなら、戦うが良い。


さぁ、行け!新たな若き戦士よ!


「ぴぃ!」


「ポコ!?」


ふむ、狸がこちらが気になってまともに動けそうにない。


案ずるな、我は手を出さん。


子竜と戦え。


目で語ってみたがどうなるか。


これで通じず動きが悪いままなら仕方ないの。


「ぴぃ!」


「ポコ!」


うぬ、その調子だ。


子竜がつつこうとするが、流石に成体の狸には当たらぬ。


経験と身体能力が違うの。


「ぴぃ!」


「ポコ!ポコ!」


「ぴぃ!?」


子竜!


─ドシン、バキバキバキ


「ポコ!?」


ぬ、そうだな。


これは奴の戦いだ。


思わず前脚を強く叩きつけ、隣の木々が何本か折れてしもうた。


子竜の体へ狸が爪を立て引っ掻いた程度で動揺するな、我。


狸が動きを止め、こちらをみておる。


こちらには構うな、狸。


続けろ。


「ポ、ポコ!」


「ぴぃ!」


動きが幾分か悪くなったが、戦いを続けるようだ。


さぁ、子竜よ。


ここは今お主の縄張りをかけた戦いぞ。


頑張るのじゃ!


「ぴぃ、ぴぃ!!」


「ぽこ!?ポコ〜!」


「ヒュルルル!」


ふはははは!


見よ!最後は子竜のブレスに恐れをなして逃げよったわ!!


流石我の子竜じゃ!


「ぴぃ!ぴぃ!」


ようし、よくやったぞ。


仮とはいえ、流石我が眷族。


よく我の縄張りを守ったぞ。


「ぴぃ!」


傷は大丈夫か?


痛まぬか?


病気などあっては大変だぞ。


「ぴぃ!」


!


ほう、この光は傷を癒すのか。


すごいぞ子竜!


お主は将来立派な竜になろう!


「ぴぃ!」

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