叫び
怖いと言うか盛ってるかも知れない話、
うちのクラスで虐められてた奴が居た。
何と言うか内気で感情が出せないタイプだったのは覚えてる。
そんな奴に友人が恵まれなかったら、
群がるグループも限られて、
同じクラスながら関わりを避けてたのは事実だった。
愉悦感?劣等感からか次第に虐めるグループも、
色々と過激になってたのは記憶に新しい。
次第にそいつをコントロールする様な発言が増え、
よく何処かへ連れ出してたんだ。
その日もいつもの事の様に、
当たり前に、何気なく、
そんなやり取りをしてたのは覚えてる。
しかしそれが忘れられない事になるなんて。
今にして思えば、あり得た話が続いたんだ。
どうにもその日は、人目のつかない物陰で。
酷い虐めが続いてたらしい。
それ自体を当たり前にしてた奴。
いや、うちも含めて多くの人が、
それがどれだけ異常か痛感させられた。
叫び声だ。
金切り声の様な、断末魔が響いたんだ。
しかもその声は「呪ってやる」
この一声が、何処までも、
黒板を引っ掻いた音以上に響いた気がした。
異様に長い、強く引き伸ばした声の印象だったが。
これはうちが盛ってるかも知れない。
それ程までの印象がある声だった。
それは本当に大きな声で、
それがそいつの最後の声だった。
どうやら心臓発作で倒れた様だった。
つまりそいつは、
命が枯れる最後まで、恨み憎しみ、
声で伝えて倒れたのだ。
当たり前の事ながら、
校内ではコレは大事件として話題になった。
大人達も子供達も、何より、
あの声を間近に聞いたグループも、
皆少し狂ったと思った。
その日から精神を病む子の多さでで、
1クラスが閉鎖されたり、
奇妙な噂が広がったり、
とにかく収集が付かない事になったんだ。
でも皆何処かでこの話をするのは良くないと、
話したくても話せない空気感があちこちあったんだ。
まるで呪いと言うものが、蔓延して。
7日ぐらいは顔色を悪くする人は多かった。
詳しくは知らないが、例のイジメっ子は相当酷い事になってたらしい。
事件性からか、それとも死に際を見たせいか。
それを深く知ろうとは思わなかった。
だって、そんな事したら、
あの断末魔が今度はうちを狂わせてしまうと感じたからだ。
うちは恵まれてると思う。
こうして話てるだけでも、
気分が晴れるのだから言葉の力は不思議だと思った。




