表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『チョーク一つで世界を変える〜異世界教育改革農村編〜』  作者: くろめがね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/66

第六十五話 三十日で、奇跡を作れ

65話です。

夜。


誰も寝ていない。


焚き火の周りに、

村のほとんどが集まっている。



「……三十日」


誰かが呟く。



「無理だ」


すぐに返る。



「水門壊れてる」

「収穫減ってる」

「税は増える」



沈黙。



「……払えない」


その言葉が、

空気を完全に止める。



払えない村は、

どうなるか。


全員知っている。



水の権利。

土地の管理。

人の移動。


全部、

教会の管轄になる。



セラが言う。


「……つまり」



「村が、終わる」



その時。


ロウが、

ゆっくり板を立てる。



三十日

・税

・収穫減

・水門修復



さらに書く。



方法

・?



沈黙。



「……ない」


若い男が言う。



「ある」


ロウが答える。



全員が見る。



「先生は」


ロウが言う。



「畑で稼ぐなって言った」



ざわめき。



「……農村だぞ?」



「だからだ」


ロウは続ける。



「先生は言った」



「農業は、生きる方法だ。

 金を作る方法じゃない」



「……じゃあ?」



ロウが、

新しい板を立てる。



金を作る場所

→ 都市



「売る」



「何を?」



ロウは、

畑を見る。



「知識だ」



静寂。



「……は?」



「魚の保存」

「水の配分」

「倉の管理」

「役の回し方」



「全部、

 先生の授業だ」



「それを?」



「売る」



爆笑が起きる。



「誰が買うんだ!」



ロウが、

静かに言う。



「困ってる村」



空気が止まる。



「……他の村?」



「水門は、

 どこも壊れる」



「税は、

 どこも重い」



「教会は、

 どこも来る」



ロウは言う。



「俺たちは」



「全部、

 一回乗り越えてる」



焚き火の音。



「……つまり」


セラが言う。



「先生の授業を

 売る?」



ロウは頷く。



「農産物じゃない」



「教育」



沈黙。



「……三十日で?」



「やる」



若い男が立ち上がる。



「俺、行く」



「どこへ?」



「隣村」



別の声。


「俺は港」



「俺は都市」



ざわめきが、

熱に変わる。



「待て」


セラが言う。



「誰が教える?」



全員、

ロウを見る。



ロウは、

首を振る。



「違う」



「俺じゃない」



「ここにいる全員だ」



沈黙。



「先生は」


ロウが言う。



「俺たちに

 授業したんじゃない」



「俺たちを

 授業にした」



焚き火が弾ける。



「……つまり」


若い女が言う。



「私たちが」



「先生?」



ロウが答える。



「そうだ」



板に書く。



計画

・村 → 教育村

・授業 → 売る



そして、

最後に書く。



期限

→ 三十日



夜が、

燃える。



農村は、

初めて理解した。



農業で、

勝てない。



だが。



教育なら、

世界を変えられる。


本当は農業が強い社会が正しいのかもしれないと思うと、歪んでます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ