表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/107

96 葬儀場での出来事

爺さんが、死んだ。

ジョルジュはアルバートの葬儀に出席していた。

死因は他殺。

なんらかの魔法もしくは呪いで殺されたらしく、その目は開いていたという。

祖父の入った棺に蓋がされる。

その最後の瞬間まで母は泣いていた。

祖母はすでに何年か前に亡くなっていて、この場にはいない。

ちなみに祖母は一応、王家の血筋だったらしく光龍だったようだ。

もしかしたら自分の得意な魔法属性が光なのはそういうのが原因なのかもしれない。

そう思いながら彼は無言で葬儀場から出た。

しかし誰も自分を止める者はいない。

そういうやつらなのだ。自分の家族は。

自分なんていなくても誰も気にしない。

みんな弟のことばかり愛している。

しかし祖父は違った。

祖父は彼に様々なことを教えてくれた。

時に厳しく、時に優しく接してくれる祖父は彼のすべてにおいて師匠のような存在になっていた。

だからだろう。

彼が軍人を志すようになったのは。

そして見事、彼は軍人となり彼は第一軍に配属された。

だが祖父は彼が軍人になる数年前の『千年越しの悪夢』が到来してきた、あの日以降軍人を辞めてしまった。

それから祖父は重い病に罹ってしまったのだった。

祖父が重い病に罹ってしまった理由を彼は『千年越しの悪夢』だと思っている。

自分は絶対に『千年越しの悪夢』を許さないと彼は天を仰いだ。

彼の瞳に涙が浮かぶとスーッと涙が下に落ちていった。

「これ、使いますか?」

「え?」

声がした方向を見ると自分よりも背の小さい女の子がハンカチを差し出していた。

彼は感謝の言葉を述べながら、そのハンカチで涙を拭う。

「あの……ジョルジュ=ジェンキンスさんですよね? アルバート=トンプソンさんのお孫さんの」

「……? はい、そうですが。あなたは……?」

「申し遅れました。私、アルバートさんの部下のトルスマンと申します。はじめまして」

「はじめまして。それでなにか俺に言いたいことでも?」

彼はハンカチを返しながら少女に問う。

「はい。しかしここで言うのは少々あれなので、人のいない場所で話しましょう」

「……わかりました」

彼は機密情報でもあるのだろうか、と考えながら少女についていった。

少女に連れていかれた場所は葬儀場の裏。

いかにも誰も来なさそうな場所だ。

これが学校の裏とかだったら良かったのだが、まぁ葬儀場で告白なんて世界で一番のアホしかやらないだろう。

「それで、話とは?」

彼は足を止めた彼女に再び問う。

「アルバート様の死因について、あなたに言わなければいけないことがあります」

彼の眉がピクリと動く。

少女はそれを確認するとまた話し始めた。

「彼の死因には『千年越しの悪夢』が深く関わっています。まずアルバート様を殺した人物は『千年越しの悪夢』と国王ファブリス=ドラグーンです」

「なに!?」

「国王は常に腰に刀を差しています。あれが『千年越しの悪夢』です。国王は『千年越しの悪夢』に操られていて、国は悪夢が支配しているような状況になっています。そんな悪夢がなんらかのきっかけでアルバート様を目につけて殺したのです」

「……なぜそんなことを?」

彼は少女に不思議に思いながら聞く。

「さぁ、なんででしょうか?」

そういう彼女はなぜか、ただ笑っていた。

「まぁ、なにをするのかはあなた次第ですがね。それでは」

そう言うと少女は彼から立ち去って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ