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94 オクシシオ

彼は敵のからだから『フォトンソード・プロトタイプ』を引き抜くと血を払うように振った。

実際に血はついていないが、こういうことをするのは癖である。

彼は次の獲物を狩りに、再び戦場へと飛び出していく。

ニュードラグーン軍はいつの間にか優勢になっていて一気に敵を押し返していった。

そんな時に敵側の上空にゲートが現れた。

そこから現れたのは一体の巨大な化け物。

いや、悪魔の完全体だった。

オクシシオ。

それがこいつの名前だ。

その名は『殺戮の天使』という呼び名と共に恐れられ、その強さは『千年越しの悪夢』に筆頭するものだった。

しかしその姿は天使とは程遠く、顔は醜く歪み背中にはコウモリのような翼が生えていた。

「アクシシオ!? なぜあの怪物がここに!?」

ジョルジュが突然戦場に現れたソレを見ているとソレが空に向かって吠えた。

「ォオオオオオオオオオ!!!」

その姿を見てニュードラグーンの兵が一斉に悲鳴をあげて逃げ始めた。

しかしジョルジュは勇敢にその化け物に立ち向かっていく。

「ぁああああああああああ!!!」

彼は『フォトンソード・プロトタイプ』を起動すると真正面から化け物に斬りかかった。

しかしそれを化け物は片手で受け止めてしまう。

ならば、と彼はホルスターから『FG001』を取り出して化け物に銃口を向けた。

そしてそのトリガーを引く。

その光の弾は化け物の左目に直撃し、化け物は大きく叫び声をあげた。

「ァアアアアアアアアアアア!!!」

化け物が大きく右手を振り回す。

すると腕が彼に直撃し、彼はかなり遠くまで飛ばされてしまった。

彼は口元の血を腕で拭うと再び怪物を殺そうと飛び出した。

しかしすぐに足を止めることとなった。

彼の目の前を巨大な光線が横ぎったからだ。

その光線は残念ながら翼に防がれて本体のほうにはダメージはなかったが、翼がボロボロになるぐらい強力なものだった。

彼はその光線が放たれた方向を見る。

そこには、一人の男がいた。

黒い髪、蒼い翼。

それはいまでは龍神を象徴するものとなっていた。

「さすがにこれじゃ無理か」と、男は持っていたバズーカを空中に放ると腰の剣を取り出した。

次の瞬間、彼を見ている者すべてにビリビリとした感覚がした。

それはまるですごい圧をかけられているような感じだった。

男が突如として視界から消える。

再び視界に入ったときには、もう既に化け物は両断されていて男は剣をしまうところだった。

「な!?」

ジョルジュはあまりのスピードの速さに動揺を隠せなかった。

(俺が殺せなかったあの怪物をこんなに早く、しかも一刀両断するなんて……。さすがニュードラグーンの国王、龍神!)

彼は彗星のように駆け抜けていく龍神の後を追うように敵を襲い始めた。

そして徐々にニュードラグーン軍が再び優勢となって敵は逃げ帰っていった。

しかしホレイソンは戦闘後に「これで終わりではない」と言っていた。

いつでも悪魔が攻めてきても良いように用意しておかなければ、とジョルジュはそう心に刻んだ。

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