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9 賄賂

俺たちはびくりと硬直する。

(こっちに夢中に並んだいて気が付かなかった……)

ガサガサと音がした方向から武装した人間どもが出てくる。

代表者が俺たちに話しかける。

「私はアルフレッド共和国ゴライ大迷宮調査団副団長アクセル・マッカーサーです。この迷宮に仲間が入っていったのですが一人だけ帰ってきたのです。なにか知りませんか?」

・・・

ごめん。それ、こいつが壊滅させたわ

俺たちは気まずそうに黙っていた。

「副団長殿!こいつです!こいつが団長殿を殺したんです!」

「なに!?貴様、それは本当か!」

俺は刀を抜いた。ファブリスも戦闘態勢に移る。

「そこの女が持ってる変な剣で殺されたんです!でもあんな女いなかった!」

「まさか『千年越しの悪夢』か!?」

武装集団に動揺が広がる。

「あの……『千年越しの悪夢』ってなんですか?」

「俺が答えてやる」

ファブリスが口を開いた。

「『千年越しの悪夢』。それはある預言者が千年後に封印された神器が自我を持って自ら封印を解除し再びこの世に降臨すると言った預言だ。要はお前ということだよ」

「なるほど俺が……ってぇえええええええ!!!なにその中二病ネームって思ってたけど俺のことだったの!?」

「そうだ」

「へ、へぇ」

「で?どうする?こいつら」

そう言うとファブリスはやつらを軽く睨んだ。

するとやつらは一目散に逃げだした。

「…根性なしが」

「それは同感だわ」

「じゃ、俺は帰らせてもら……」

俺は恐るべきスピードでファブリスの胸倉を掴む。

「逃げるなって言ってるだろ」

「は、はいぃ……」

ファブリスは恐怖のあまり固まってしまった。

(マジで怖い。顔近い。死の恐怖しか感じない)

「行くぞ」

俺は手を離すと街を探しに歩き出した。

ファブリスも観念したようで後をトボトボと歩いている。

二人ともそんなに頻繁に食べなくても問題ないのでつかれるまで歩き回った。

しばらくすると城壁に囲まれた都市のようなものが見えてくる。

「ファブリス俺、あそこに行こうと思うんだけどどうする?」

「別にいいんじゃないか?最近、まともなメシ食ってないから食おうぜ」

「いいね!」

俺は都市の入り口である門に駆け出した。

ファブリスも俺を追いかける。

俺が門に着いた時、ファブリスも同時に到着する。

「ハーッハーッ。お前、足速いな」

「まあな」

俺たちはそのまま門をくぐろうとする。

だが門番に止められた。

「お客様、通行書か身分証明書はお持ちですか?」

「通行書?なにそれ」

「通行書は国から国に行くときに必要なものです。まさか持ってないのですか!?」

「まあまあ、落ち着け。それよりアンタ、こういうのには興味はないか?」

ファブリスが懐からなにかを取り出す。

「これは…黒龍の鱗じゃないか!これをどこで…」

「それは企業秘密だ。俺がこれを10個あげるからここを通してくれないか?」

「10個も!?もちろんだ!」

「交渉成立っと」

ファブリスは門番と握手をすると鱗を渡し俺を連れて門をくぐった。

「お前ってほんと汚いことを平気でやるよな」

「なにか言ったか?」

「いや、言ってない」

「早くメシ行こうぜ!」

ファブリスはそのままお店を探しに行こうとする。

だが……

「俺たち、金を持ってねぇ」

「あ」

俺たちに予想外の壁が立ちふさがった。

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