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8 脱出!

俺は無理やりファブリスを連れて上層を歩き回った。

そこで役に立ったのが『未来予知』である。

基本的に雑魚モンスターしかいなかったけどいきなり来たらやっぱり心臓に悪い。

でもこのスキルがあればこれからなにかが起こると分かった上で雑魚どもが来るから冷静に対処できるのだ。

俺の『未来予知』のアンテナが作動すると同時に曲がり角からなにかが飛び出してきた。

俺は腰にある刀を鞘から抜く。

俺が人化しても刀はなくなったわけではなく人間のからだと独立して扱うことができた。

ちなみにこのからだと刀が同時にやられない限り俺は殺されることはない。

飛び出してきた魔物は最下層で見たような3匹のトカゲだった。

その魔物は3匹で列を組んで襲い掛かってくる。

その時、俺は後ろになにかが来る予感がした。

「ファブリス!そこの雑魚を片付けといて!」

「おうよ!」

俺は後ろにクルリと振り向くとそこには案の定、魔物がいた。

体長1メートルぐらいの蜘蛛の魔物が。

しかし前に会った蜘蛛とは明らかに違う強者のオーラが溢れていた。

蜘蛛の下に名称が表示される。

《ポイズン・ゴライアバイ》

・・・

ポイズンかぁー。なんか微妙。

でも強いってことはわかる。

俺は刀を構えた。

すると蜘蛛は驚異的なまでのスピードで俺を糸で拘束する。

糸を吸収するが多すぎて時間がかかってしまう。

そうこうしているうちに蜘蛛が俺に紫色の液体(恐らく毒)を吐いてきた。

「ええい!こうなったら!」

俺は刀を手から離し毒を刀身で吸収した。

独立しているとはいえ刀は俺のからだの一部である。

それゆえに俺は刀を思うままに動かすことができるのである。

俺は刀を使って蜘蛛を突こうとするが残像が見えるほどのスピードで回避される。

いつの間にか接近していた蜘蛛が俺に毒を吐いた。

しかし俺は毒を吸収しダメージはない。

女神様、『未来予知』を限界まで性能を引き上げられるか?


《可能です。スキル『未来予知』をフル稼働します》


その時、俺のからだから何かが出ていった感覚がした。

恐らくは魔力を大量に消費したのだろう。

蜘蛛が再び俺の攻撃を避ける。

しかし俺は蜘蛛の動きを完全に把握していた。

俺は蜘蛛が来るであろう場所に攻撃を放つ。

すると蜘蛛が俺の攻撃に自ら当たるような感じになり肉の塊が四散した。

俺は自分の手で触るのも嫌だったため刀でそれを吸収した。


《スキル『未来予知』のフル稼働状態を自動解除します。スキル『蜘蛛の毒』『韋駄天』を獲得しました》


俺は刀で俺を捕らえていた糸を切断し解放される。

「おーい。大丈夫か?」

後ろからファブリスが寄ってくる。

「ああ、ちょっと厄介だったが無事だ」

「そりゃあ良かったぜ」

「行くか」

俺たちは再び出口を目指して歩き出す。

あともうすこしで出口だ。

外に出たら街でも見つけてスローライフを送るか。

俺がそんなことを考えている間に洞窟内に光りが差し込んでいるのが見えた。

出口である。

「とーうちゃーく!」

「そんなにはしゃぐなよ」

「いや、だって生まれてきてから一回も外に出たことがなかったから別に良くね?」

「お前、そういえば出たことなかったな。ところで俺、もう帰っていい?」

「ダメ」

「さすがにつかれるんだけど」

「呪うぞ。きちんと守護神の義務を果たしやがれ」

「へいへい」

そう言いながらもファブリスの足はゴライ大迷宮に向いていた。

俺はファブリスの首根っこを掴む。

「逃げるな」

ファブリスが暴れまわって逃げようとするが俺は手を離さない。

その時、近くにあった木がガサガサと音をたてた。

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