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87 帰還

光が消えると俺たちのまわりには多くの人たちがいた。

下にはニュードラグーンの街並みが広がっている。

ということは、まさか……!

しかし俺にはファブリスの記憶が戻ったのを確認する時間はなかった。

「ぁああああああああああ!!!」

春奈が剣を片手に俺に襲い掛かってくる。

俺はこれに刀で受け止めて鍔迫り合いに持ち込んだ。

良かった……怪我治ったんだ……

俺がほっと息をついていると左右どちらからもなにかが飛んできた。

見ると右からは裕奈の血のビーム、左からは健太郎の魔法が飛んできている。

俺と春奈は離れてこの二つの光線をかわした。

するとちょうど俺たちがいたところで血のビームと魔法がぶつかって爆発が起こった。

あっぶねぇ……

俺が汗を拭っていると後ろから春奈が襲ってくる。

迎撃が間に合いそうになかったがファブリスが来てくれたことでどうにかやられずに済んだ。

「ルーナ、俺が援護する」

そう言うとファブリスは春奈と剣で戦い始めた。

「俺のことも忘れないでくださいよ!」

見慣れた声がしたと思うと裕奈を誰かが襲った。

「ホレイソン……!」

その人物はホレイソンだった。

ホレイソンは特殊能力『支配する者』を使って剣を裕奈から奪い、裕奈を無力化する。

基本的に裕奈の攻撃は剣の特殊能力『君の思うままに血を』を使っての攻撃が多いので、剣を奪われたのは裕奈にとって致命傷だろう。

そう思っていたのだが……

「なに!?」

ホレイソンが裕奈に驚愕する。その理由は明確だった。

裕奈の手から新たな剣が現れる。

まさか『君の思うままに血を』は剣の能力ではなく()()()()()だったのか!?

俺はホレイソンを援護しようとするがそれを健太郎が妨げる。

「ここは通さない!」

こいつの腕も完治したのか……

そういえばさっきから貴広の姿が見えないけど、どうしたんだ?

ふとそのことに疑問を持った次の瞬間、俺の後ろに貴広が現れた。

俺は間一髪、貴広の奇襲を『シールド』で防いだが全く貴広のことを感知できなかったことに驚愕していた。

俺は上になにかの気配を感じてさっと上を見る。

そこには何もしないでただ傍観しているメイドがいた。

あいつ、さっきから何もしてこないけど一体なにが目的なんだ?

「よそ見をするな!」

貴広が再び剣を使って襲い掛かってくる。

俺はその斬撃を後ろに下がって避けると健太郎の魔法をかわした。

そして健太郎に向かって飛んでいく。

健太郎は何回も魔法を放ってきたが俺がすべて避けたり、『シールド』で防いだりしたので一つも当たらなかった。

後ろから貴広が短剣を俺に向かって投げる。

俺はこれを首を捻ってかわすと『伸縮刃』を横に振りながら回転し二人を衝突させた。

「ごはっ」「うわっ」

二人は衝突すると地面に落下していく。

俺は二人を追おうとしたがそれをある人物が妨げた。

山口三葉(やまぐちみつば)……!」

その人物はかつてクラスメイトだった山口三葉だった。

「死ねぇええええええええええええ!!!」

三葉は拳を強く握ると俺に殴りかかってくる。

はやい……!

俺はなんとかそれを避けると三葉に接近していった。

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