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71/107

71 魔法使いと勇者②

天の加護(パーピュラ)システム70%のみ稼働可能です。起動、確認しました》


背中から赤い翼が生える。ついでに俺の瞳も赤く染まっていた。

これでさっきよりも高速移動が可能になった。

安藤が異変を感じて俺から距離を取る。

その時、彼を中心に波のようなものが広がった。


《時間停止を確認。行動制限の解除を開始……成功しました。続いて視覚補助を開始……成功しました》


女神様に告げられたように時が止まる。

空に飛んでいたワイバーンも下にいる七巻も完全に動きを止めていた。

それよりも女神様よ天の加護(パーピュラ)が前よりも機能が上がったからってさすがにここまで進化しろとは言ってない!

俺が心のなかでそう突っ込んでいると安藤が襲い掛かってきた。

刀と剣がぶつかり合い、火花が散る。


《個体、安藤貴広を敵と断定。これより攻撃無効化魔法を発動します。魔法名Ruina11。我が(Meum latus)従順なる(inferius )下辺よ(obedienter)我の満足(comede,)するまで(donec )食らい(satiatus)尽くせ》


女神様がそんな長ったらしい呪文を唱えると俺の目の前に魔法陣が展開された。

安藤も予想外の展開に困惑している。

そしてホレイソンと戦った時のように新たな魔法陣がスライドしていく。

安藤は俺といたら危ないと思ったのか俺から離れた。

それらはやがて彼を囲うとすべての魔法陣から鎖が射出された。

「ぐっ……放せ!」

安藤が暴れ回るが、暴れるごとに鎖は彼に複雑に絡みついていく。

俺は安藤の叫び声を聞きながら冷たく彼を見ていた。

これはファブリスのためだ。

「だから……貴広…………許せ」

俺がそう呟いた次の瞬間、時間の針は通常通りに戻っていた。

七巻が落下していく安藤を目を見開いて見ていた。

さすがに特殊能力までは消せないだろうが、しばらくはなにもできないはずだ。

治癒魔法(ヒール)!」

急いで七巻が治癒魔法を施す。

だが安藤はどこも怪我はしていないので無意味だ。

俺は七巻に急接近した。

すると七巻は魔法を放って迎撃してくる。

「水刃!」

七巻から水の刃がいくつも出される。

それを俺は体を低くしてかわすと刀を七巻の腹に食い込ませる。

予想通りシールドに妨害されるが俺は刀を押し込み続ける。

すると勢いが強すぎたのか七巻の体が横に吹っ飛ばされた。

「ぐはっ」

七巻は空中で体勢を立て直すが俺のファ〇ネルと『変形刃』が一斉に襲う。

それにプラスして俺の『伸縮刃』が上から襲った。

これならなかなか反撃できないはずだ。

実際に七巻は防御に集中しすぎて攻撃できそうにない。

鉄壁の壁がピキピキと割れ始める。

そしてついにはガラスのように四散してしまった。

俺はファ〇ネルと『変形刃』を回収し七巻に接近する。

俺は七巻の右腕を切断すると次はその場で左回転し、下から斬りかかる。

そう、逆袈裟だ。

刀が七巻の腕に当たった瞬間、彼の腕はどこかへと吹っ飛んでしまった。

俺は素早く彼から離れる。

七巻は魔法使いだから腕を生やすのは簡単かもしれない。

だがこれで当分はなにもできないだろう。

そう思いながら俺は空中から二人を眺める。

俺は前世で親友だったこの二人は殺したくなかった。

だから無力化しておいたのだが……

「あのクソ女神、許してくれるかな?」

それだけが心配だった。

しかし俺は「ま、いっか」と考えるのをやめ、その場から立ち去った。

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