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62 アンフィスバエナの残党

俺はファブリスの日記に書かれていたダークマターという場所に来ていた。

そこは名前の通り、暗くて薄気味悪い場所だった。

ダークマターにはかつてここに立派な街があったような形跡はあるのだが、誰も居らず廃墟と化していた。

本当にここに龍神とやらがいたのだろうかと疑問に思うほどである。

俺はなにかないか、街だったであろう道を歩き続ける。

その時、『預言』がすこし先の未来を捉えた。

俺は衝動的に柄を掴む。

それと同時に建物の陰からゾロゾロと人影が現れた。

後ろを見るとその方向にも人影がいる。

どうやら全方位、囲まれたようだ。

俺の前にリーダーらしき人物が出てくる。

俺はそいつを見ながら、あるひとつのことに気が付いた。

全員髪の毛が半分だけ色が違うのだ。

なかには目の色が違う者もいる。

「……アンフィスバエナの残党か?」

俺は思い切って男に尋ねる。

すると男はニヤニヤしながら答えた。

「ああ、そうだァ。にしてもここは女の来るところじゃあないぜェ?」

そう言って舌なめずりをする。

俺はこいつに強烈な不快感を感じていた。

そのいやらしい目で俺を見るな。気持ち悪い。

しかし俺に残党どもは近づいてくる。

どうやら俺を襲って自分たちの欲を満たそうとしているらしい。

前世でもそんなやついなかったのに……ヤバいなこいつら。

じりじりと近づいてくる男どもに強烈な吐き気を感じながらも俺はひどく冷静だった。

「隊長。まだダメですかい?はやくこいつの泣く顔が見たいんですけど」

ひとりの男がいやらしい顔でリーダーらしき人物に言う。

「そうだな。もういいだろう」

その合図とともに男どもが俺に飛びかかってきた。

「……猿どもが」

俺はそう吐き捨てると刀を鞘から抜き、一回転させた。

『伸縮刃』が男どもを斬っていく。

何人かの男は生き残ったようだが、死体となったかつての仲間を見て怒りで俺を襲うことから殺すことに思考が変わっていた。

しかし俺はそんなことを気にもせず返り血のついた服を見て慌てていた。

「どうしよう!?猿どもの血で服が……。これ結構お気に入りだったのに!」

俺は色々とショックを受けてため息をつく。

そんな行動が彼らをさらに怒らせたのか、生き残った野郎どもは剣を片手に襲い掛かってくる。

一人なら簡単なのだが集団で来られるといささか厄介である。

その時、俺はあるひとつの作戦を思いついた。

俺は空中に浮かび上がると『蜘蛛の糸』を出し、ひとりのアンフィスバエナを捕まえる。

そしてすぐに糸の長さを短くしてからだに刀を突き刺した。

「この野郎……っ!」

まわりの奴が俺に魔法を放つがそれを突き刺した男で受け止めさせる。

俺は死体から刀を抜くと左手で死体を一人の奴に投げつけた。

死体はそいつに命中し、そいつは落下していく。

「っらあああああああああああ!!!」

三人が同時に襲い掛かってきた。

三人同時なら対処できないという魂胆なのだろう。

だが……

「ファ〇ネル!」

俺は背中に出現させたファ〇ネルを男どもに突き刺した。

男どもは力尽きて落下していく。

俺はすべてのファ〇ネルを射出すると次々に男の首を刈った。

「ひぇぇっ!撤退!撤退だ!」

さすがにリーダーも怖気づいたのか悲鳴をあげながら逃げていった。

俺は服の恨み!と追いかけたかったのだが、疲れたのでやめておいた。

「でもどうしようこれ」

俺はしょぼくれながら服を眺める。

その時、俺にとっていいことが起こった。


《スキル『浄化』を獲得しました》


なにそれおいしいの?

そう思いながら『浄化』を使ってみる。

すると俺を光が包み、みるみるうちに返り血が消えていった。

「す、すげぇ……」

俺は返り血があった場所を凝視する。

そこにあったはずの汚れが綺麗さっぱり消えていた。

俺はこれに満足して再び歩き始めた。

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