56 突然の宣言
フレイヤが学校に通い始めてから数日後。
俺は家の応接間にいた。
そこには俺以外にファブリス、テイラー、そして第二軍団長と第三軍団長がいた。
第二軍団長はやはりハインリヒと同じようにイケメンで、第三軍団長は蜥蜴人族だからよくわからないけどなにかキラキラしたものが見えている。
こいつら、本当に強いのか……?
そんなことを考えているとファブリスが口を開いて話し始めた。
「今日は来てくれてありがとう。今日はあることを伝えるためここにに呼んだ」
「あること?」
俺がそう尋ねるとファブリスは険しい顔をして答えた。
「俺はドラグーンとドラゴナイトに宣戦布告することにした」
そう言うと俺を含めてみんな絶句した。
「やっと国の体制が整ってきたのに、なんでそんなことを……」
テイラーがそう呟くとすぐにファブリスが答える。
「だからこそだと俺は思ってる。いきなりできた国がいきなり攻めてくるなんて普通は思わないだろう」
「たしかにそうかもしれないけど……」
俺はファブリスに反論しようとするがそれを彼に遮られる。
「ならばニュードラグーン連邦国国王として君たちに命令する!我がニュードラグーン連邦国はドラグーン、ドラゴナイトに攻め込むことをここに宣言する!」
場が凍り付く。
こう言われたら俺たちはなにも反論できない。
フレアも『龍神の剣』の使い手であるファブリスには反論できないし、ネクストなんか自分たちよりもはるか上位の黒龍に逆らうだなんてできやしない。
「具体的にはどうするのですか?」
俺はファブリスに質問した。
すると答えがすぐに返ってくる。
「まずすべての都市に結界を張って敵に侵入できないようにする。次に第一軍の半分をドラグーンに送って制圧させ、もう半分は第二軍、11とともにドラゴナイトに向かわせる。第三軍は国で敵が攻め込んできたときのために待機だ」
「攻めるのはいつ?」
情報はできるだけ多いほうがいい。
そのほうが俺たちは行動しやすいからだ。
「来週中には行きたい。さっきは宣戦布告するとか言ったけど実際は宣戦布告はしないで攻めるからバレないようにしろよ?」
そう言うと全員が頷く。
それを確認するとファブリスは続きを語った。
「準備ができたら連絡してくれ。ではこれにて解散とする」
週のはじめ。
俺たちはドラゴナイトに向かって空を飛んでいた。
11のみんなにこのことを教えたときはみんな驚いていたけど国王直々の命令とあらばと承諾してくれた。
しかし俺はまだわからない。
なぜファブリスはこの時期にドラゴナイトに攻め込むだなんていう無茶を言ったんだ?
別にいま戦争なんてやらなくてもいいのに……
なにかファブリスは企んでいる気がする。
ファブリスが戦争なんてやるって言ったときの彼の顔はやりたくてやっているようには見えなかった。
なにか戦争以外にやらなくてはいけないことがあるのだろうか。
その時、俺の耳にテイラーから連絡がきた。
『こちら第一軍。ドラグーンに到着しました。これより都市の制圧を開始します』
そう言うと音がプツンと切れる。
意外と早かったな。
俺は前のほうを見る。
そこには西洋風の街並みが広がっていた。




