51 休暇と水浴び
その後、ホレイソンは命令されてやっただけで殺す意思はなかったとして軽い罪で済んだ。
あれから俺はホレイソンに会っていない。
だが彼はいまはニュードラグーン連邦国内で暮らしているのだそうだ。
そして俺はこの暑い季節の長期休暇をじっくりと堪能している。
といっても俺は11のトップだからやることがなくてほとんど仕事をしていないのだけれど。
ちなみに例の新人どもは休暇なんていう甘ったるいものはなく、毎日が訓練だ。
今頃はアルバート爺さんに殺されかけているころだろう。
俺は隊員たちがアルバート爺さんにフルボッコにされている姿を想像して思わずにやける。
まぁ頑張りたまえ。
俺はそう心のなかで彼らに言うと俺はテントを飛び出した。
実は俺はみんなと一緒に川に水浴びをしに来ていた。
頑張ってくれている11のみんなには申し訳ないが、今日は楽しむつもりである。
テントから出るとそこには体にタオルを巻いたみんなの姿があった。
フェルナンドが口を開く。
「これで全員が着替えましたね?ではオープン!」
女性陣が一斉にタオルを取った。
そこにはいつもとはすこし違う魅力のある女性たちの姿があった。
フェルナンドは胸元が強調されたビキニ、セレスティアがワンショルダービキニ、テイラーがワンピース水着とそれぞれに似合った水着を着ている。
そういう俺はフリルビキニと呼ばれる水着を着ていた。
店員に薦められるがままに買ってしまったけど、似合ってるかな……?
その時、俺にファブリスが近付いてきた。
ファブリスはサーフパンツを履いていて、肉体美が露わになっている。
特に腹筋と胸筋がエグイ。
ていうかどんだけ鍛えてるんだよ。
「ファブリス、これ似合ってる?」
俺はファブリスに問いかける。
するとファブリスは時々まわりを見ながら答える。
「に、似合ってるんじゃないか?」
ファブリスはチラリとこちらを見るとすぐに恥ずかしそうに違う方向を見た。
そしてどこかへと歩いて行ってしまう。
俺はその行動の意味が何となくわかり、にやぁと笑った。
俺はファブリスにそろりと近付いて行く。
他の人たちはみんな、水の掛け合いに夢中で気付いていない。
俺はファブリスの背後から抱き着くと背伸びをしてファブリスの耳元で囁く。
二人とも、その時だけはなにもかもが静かに聞こえた。
「ねぇ、どうだった?水着姿」
「…………」
ファブリスのからだが硬直しているのがわかる。
してやったり!と俺は心のなかでガッツポーズをした。
そしてファブリスのからだから離れるとさっきとは一転して明るい声で話しかける。
「はやく遊ぼうぜ!」
そう言って俺はファブリスの手をとって駆け出す。
「ちょ……」
俺はファブリスに振り返る。
ファブリスは困ったような、それでもすこし楽しそうな顔をしていた。
俺が笑いかけるとファブリスも笑って返してくれる。
「お兄ちゃん!ルーナさん!」
フェルナンドが俺たちに呼びかけた。
「はやく!はやく!時間なくなっちゃうよ!」
それと同時に俺たちは元気に川に飛び出した。




