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34 さらばドラグーン

俺はファブリスの椅子の横に立っていた。

その目の前にはアンフィスバエナの使者が跪いている。

アンフィスバエナは負けを認め、ドラグーンの出した条件を飲んだ。

だが……

エヴァンス侯爵が指を鳴らす。

それと同時にエヴァンス侯爵の影から兵が飛び出し、すぐに俺たちを囲んだ。

「エヴァンス侯爵、これはどういうことだ?」

ファブリスが高圧的に尋ねる。

「殺されたくなかったら王位を明け渡せ」

まぁ大体予想はついていたけどまさかこんなに堂々と…

「王位なら渡してやるよ」

「は?」

(なんか勝手にすごいこと言ってる……!)

ファブリスの言動に対し思わずエヴァンス侯爵も呆れている様子だ。

「命までくれてやるつもりはないがな。あぁ、ただ『龍神の剣』は返してもらうぞ」

そう言うといつの間にかファブリスの手元には一本の剣が召喚されていた。

「い、いつの間に!?」

「じゃあ俺はこの国を出させてもらうぞ。じゃ!」

そう言うとファブリスは立ちながら剣を腰に差し俺をお姫様抱っこした。

「うえ!?ちょっ……」

慌てる俺を無視してファブリスは移動短縮魔法(ワープホール)で城の外に脱出した。

しかしすぐに追っ手がやってくる。

「おいファブリス!俺の本は!?あとセレスティアさんも」

「大丈夫。お前の私物は全部ロザリアに回収させてあるし、セレスティアさんも無事だ。これから合流する第六軍、第七軍と一緒に待機してる」

「よかった……」

俺はほっと息をつく。

セレスティアさんは無事だったか……

しかし安心していたのも束の間。

後ろから追っ手が放った炎の弾が飛んできた。

「でもまずはあれを倒さなきゃなぁ」

そう言うとファブリスはなにやら呪文を唱え始めた。

自動迎撃光弾フルオートフォトンインターセプター

ファブリスの背中に魔法陣が展開される。

そこからいくつもの光の弾が飛び出した。

するとその光の弾は敵の炎の弾に激突し、玉砕した。

しばらくすると遠くのほうに大勢の人が見え始める。第七軍のみんなだ。

敵は第七軍を見ると怯えたのか撤退していった。

ファブリスがみんなと合流するとみんなが駆け寄ってくる。

そのなかにはフェルナンドもいた。

「ジーッ」

フェルナンドが羨望の眼差しでこちらを見る。

「ははは…」

ファブリスは苦笑いをして誤魔化そうとするがどうやらフェルナンドからは逃げられないようだ。

フェルナンドがファブリスを追いかけている間、俺は第七軍のみんなと話していた。

「団長!ご無事でしたか!」

「アルバート爺さん!そっちこそ大丈夫だったか?」

「はい。皆さんのおかげで…」

「そうかそうか…」

俺とアルバート爺さんが再開を喜んでいると俺たちに近付いてくる影があった。

「おい団長、あたしらも忘れんなよ?」

「エヴェリン!それにバルドゥルも!」

二人が顔を合わせると火花がバチバチと散った。

やはりこの二人は性格が合わないようだ。

「お前ら、ちゃんと仲良くしなよ?」

「「誰がこんなやつと!」」

二人が同時に声を上げる。

「むっ……」「あ?」

再び二人の間で火花が散った。

「はいストップ!」

俺が間に入ったことで乱闘を阻止する。

こいつらが暴れたらなにが起こるかわかったもんじゃない…

「あの…団長」

俺はその弱弱しい声のほうに振り向く。

そこには俺よりもすこし背が小さい少女が立っていた。

「あなたはたしか……」

「申し遅れました。私、第六軍団長をしています……テイラーです……」

「ああ、そうでした!テイラーさんです!」

その少女は前に会った団長のひとり、テイラーだった。

「あの……私……国王様についてこいと言われてきたんですけど……行き先をまだ聞いていないんです……。どこだかわかりますか?」

俺が答えられずにいるとなんとかフェルナンドから逃げ切ったファブリスがやってくる。

「それについては俺が話すよ。俺たちの目的地は……」

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