20 第七軍
「アンフィスバエナは双頭、双尾のドラゴンだ。腹が大きく出ていて背中にはコウモリのような翼が生えている」
「そんな怪獣がいるのか……」
「お前も見てみたらわかるよ。しかしドラゴナイトはドラグーンに次ぐ大国だ。戦力はかなり大きいと思う」
「未来が見えればいいんだがな」
「たしかに」
《ユニークスキル『未来予知』が無詠唱ユニークスキル『預言』に進化しました。無詠唱ユニークスキル『預言』を自動発動します》
女神様の声が聞こえた瞬間になにかがどっと頭に流れ込んできた。
「うっ……」
俺は思わずベッドに倒れる。
遠くのほうでファブリスが俺を呼びかける声がするがよく聞こえない。
まわりが暗くなる。
しばらくすると唐突に目の前が明るくなった。
下を見るとドラグーン郊外にある森が広がっている。
近くで叫び声がした。
驚いてその方向を見ると上から龍が一匹、落ちてくる。
さっきまで気が付かなかったが空には首が二つある龍がたくさんいた。
下からも悲鳴が聞こえる。
よく見ると森では戦いが起こっている。
空よりも地面のほうがこちら側は多いようだ。
空にもドラグーンの兵はいたがそんなにいない。
女神様、敵は合計でどのくらいいる?
《およそ20万です》
………!?
なんだって!?
多くない?これ覚えておかなきゃ。
俺は20万という数字を頭に刻み付ける。
「20万20万20万……」
俺のまわりが再び暗くなる。
俺の意識が現実に戻る直前に一瞬、俺の姿を見た気がした。
目を覚ますと俺はベッドに寝かせられていて前と同じようにファブリスが横に座っていた。
「起きたか」
「ファブリス、敵の戦力がわかった」
「本当か!?ていうかなんで!?」
「俺には『預言』というスキルがある。たぶんそのスキルの副作用で気を失ったんだと思うけど……きまぁいい。それで敵戦力は20万だとわかった」
「多いな。すぐに会議を開く必要がある。ルーナ、もしもう立てるんだったら一緒に来てくれ」
「わかった」
俺は布団をはい出てファブリスの後に続いた。
俺はファブリスの横で立っていた。
ファブリスは座っていてその前には円状のテーブルがある。
そしてそれを囲うように6人の人物が椅子に座っていた。
「これより緊急会議を始める。知っていると思うが我が国ドラグーンにアルフレッド共和国、ドラゴナイトから宣戦布告された。まず戦場だが戦場は青バラの森とわかっている。そして敵の戦力は20万だということが判明した。質問がある者は?」
ファブリスが問うがみんな黙ったままである。
「では作戦を伝える。青バラの森には第一軍、第三軍、第四軍を送る」
「お待ちください」
その男、第二軍団長インヴォルが異議ありと手を挙げる。
「なんだ?」
「なぜ我が第二軍は戦場に出させてくれないのでしょうか」
「まぁ待て。なにも戦は地上戦だけじゃないだろう。龍なのにそんなことも理解していないのか?」
「と、言いますと?」
「第五軍、第六軍は城で待機。青バラの森の上空には第二軍と新たに作る第七軍を送る」
「第七軍?その第七軍の人員の確保は?」
今のは女性の第三軍の団長フィオレンツァだ。
特徴はとにかくあれがデカい。
「もうしてある。というよりここに呼んでいる。ロザリア、第七軍を」
「畏まりました」
そう言って例のメイドが扉を開いた。
外から何人か人が入ってくる。
「え?」
まわりも思わず彼らをじっと見る。
30人ほど人がいたが特に先頭にいた5人が特殊すぎた。
和服着た老人、パーカー被ってガムを食べている少女、小学生ぐらいの少年、目が死んだ魚の目をしている謎の美女、目つきの悪い危なそうな兄ちゃん。
「紹介する。こいつらが第七軍だ!」
・・・
ないわー。




