101 暗殺計画
「第一軍、後退! 第四軍と交代する!」
指揮官にそう言われてジョルジュたちは攻撃しながら後ろに下がっていく。
ジョルジュの後ろからは第四軍がやってきていて、そろそろ彼らの仕事も終わりだ。
まぁジョルジュのように、まだ元気なやつはまだ基地の防衛という立派な仕事があるのだが。
彼らは第四軍に仕事を引き継ぎ、基地へと戻っていく。
遠くのほうでは第三軍がどこかへと旅立っていくのが見えた。
だがジョルジュは降下しながら全く違うことを考えていた。
(第一軍はボロボロ。第一軍以外の軍はすべて基地の外にいる。これは国王を殺すチャンスなのでは?)
しかしすぐに負傷者の数を見て考えを改めることにした。
(そんなに焦らなくてもいいか。他の軍もすぐには帰ってこないし。まずは負傷者の対処だ)
彼はそう考えをまとめるとすぐに負傷者を基地内に運び出していった。
(クソ……。時間がかかっちまった)
彼は自分の作業効率の悪さに舌打ちをする。
そんな彼は司令室にむかってドスドスと歩いていた。
(『千年越しの悪夢』は国王を操って死に物狂いで自分の身を守ろうとするだろう。しかし『千年越しの悪夢』は爺さんの敵。負けられない!)
彼はそう心に誓い、手を握りしめる。
それと同時に彼は足を止めた。
「なんの用だ」
門番らしき人物が彼に尋ねる。
その問いに彼は敬礼をして答えた。
「はっ! 本官はジョルジュ=ジェンキンス一等兵であります! この度は国王殿に戦況報告のために参上いたしました!」
「そうか。なかに入れ」
「はっ!」
そう答えて門番が開いた扉の奥に進んでいく。
「失礼いたします!」
「なんだ」
後ろのほうで扉が閉まる音がする。
しかし彼はそれに構わず話し続けた。
「本官は第一軍所属ジョルジュ=ジェンキンス一等兵であります! この度はご報告があって参りました!」
「ほぉ……どのような?」
彼はちらりと国王の顔を一瞥する。
その顔は優しさに満ち溢れていた。
こんな人を殺さねばならないのかと思うと彼は胸が痛んだ。
「はい! 実は……」
急に雰囲気が変わったジョルジュにファブリスは警戒をする。
「今日はあなた様とそこの刀を殺しに来ました」
ジョルジュの口元がにやりと笑う。
次の瞬間、彼の姿は国王の真上にあった。
スキル『蜘蛛の糸』はやはり便利である。
彼はこのスキルを駆使してスパイダーマンのように天井に張り付いたのだった。
「乱発光弾!」
彼は糸にぶら下がりながら国王にその魔法を放った。
しかしすぐに彼は結界を張って魔法は無効化されてしまった。
(チィ……避けられたか……しかし!)
彼は腰から『フォトンソード・プロトタイプ』を取り出し、起動する。
「ぉおおおおおおおおお!!!」
それを彼は思いっきりファブリスに向けて投げた。
「……っ!」
それは矢のように一直線にファブリスに飛んでいく。
ファブリスは慌てて結界を張ろうとしたが間に合わなかった。
その緑の剣は薄い結界を貫通し、いまにもファブリスの命を奪おうとしている。
しかしそれはかなわなかった。
なぜなら刀が『フォトンソード・プロトタイプ』を破壊したからだ。
それも自ら動いて。
そして次の瞬間にはそこには一人の少女が現れていた。




