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悪の組織の悪たるゆえん  作者: ファイル
21/35

私と毒と彼女と戦争


「ごめんなさい」

「……やっ」


クロさんを探して少し、雷の街では広すぎて探せないと判断し一度自宅へ戻ってきました


すると普通に部屋のベッドで寝ていました



簡易的な服のまま、ジェルまみれなのでそう遠くにはいかないと、考えればそうですけど、慌てた時って直ぐにそういった判断できませんよね



うつ伏せのナコさん、その脇に腰掛けます


確かに今回は私が悪かったと言えばそうですが、結果からすると誰も死んでません

…いや、やらなかったらちゃんと転移できてたんですかね?


ナコさんの頭を撫でます

ジェルまみれですね


私もベタベタで気持ち悪いです

「…一緒にお湯浴びしませんか?」


ビクリと体を震わせます

…怒ってらっしゃる?


ここで自分のこと優先させるのは失敗ですかね?


「謝ってくれなきゃやっ!」


「…ごめんなさい」


…なんだか力が抜けます


魔力不足の症状ですね


謝っていますがあれですね、意地になってますね




考えがまとまらなくなってきました



「…これ、毒ですね」

「う?」


「魔力欠乏症ににている、危険薬物八の三、燃やした時の煙の毒

…ナコさん、外の空気を吸ってはダメです

この街は、攻撃を受けてます」


魔力器官を掻き乱す毒

死にはしませんが、最悪が昏睡状態でしたっけ…





「ナズ!?ナズ!」


た、助けを呼ばないと!

えっと、えっと!


「な…シロが倒れた!」

『…詳しく』


「えっと、薬物の八の三、燃えた毒!」


『雷の街で蔓延しているってこと?』


『違う、それは聖水の原料の草だ、そこはキミドリが解明してる』

「…どういうこと?」


『不明なウイルスという病原体に効くのが聖水と出回った、しかし、市民は高くて買えない、そこで広まったのが聖水を作る時の材料の、薬草を燃やした時に出た煙を吸う、ことだ』

『それは…まぁ使い方を間違えると毒になるやつでさ』

『街の結構なところで燃やしてたよね』


「そもそも聖水が効くのって呪いなんじゃ」


『そう、そうなんだ、だから戦争をするんだ』


「…だから光の街を攻撃?」


『シロさんをジェルに突っ込んで』

『クロも準備手伝って』


「…そっか、うん、あの聖人きどり共…マッチポンプも甚だしい」


黒いリストバンド…は燃えたんだった


呼吸の浅いナズを背負う

自分に幻影をかけて力不足を誤魔化す



私は難しいことはそう得意じゃない


ナズを助けるのに光の街が邪魔って言うなら、早急に潰そう


戦争はもう仕掛けられていた、始まっている


裏とかそういうのはよく分かってない

分かってないけど、ナズは傷ついた

理由なんてそれだけでいい




絶対に許さない





シロを背負い施設まで来た

私の存在を限界まで薄くして来たから気づいた人もいないはず


隠密ローブ以上の効果が期待できる程には鍛錬をした

アンデッド系にも気付かれない



「…クロ、背負ってきたのか、訓練所に転移すれば早かったのに」


「アカ、体調は?」


「別段変わんないかな、連絡取れるようにずっと薬飲んでるからお腹痛いけど」


部隊のみんなは他の街に散って材料を集めている

煙の毒を吸ったのはアカとシロだけ


アカはそもそも阻害されるほど魔力はないけど、連絡の魔法は使えなくなってるから…薬で無理やりやってるってこと?



シロをキミドリに預けると、アカが私の前に来た



「戦争で君たちは第五撃滅隊の一人として参加することになる、リストバンドにも専用のバッジを……燃えたのか、後で渡すよ、そこでの設定だ」


はい、と紙を渡される


潜伏任務では別人としてなりきるのを求められることが多々ある、私は下手だから少ないけど


第五なんちゃらは雷の街の専属部隊のひとつ

…ふんふん、臨時メンバーね


「ぼく?」

「うん、僕、君の一人称さ」


「ぼくね、アカがさっきから喋り方がウザイの」


「あっはは!…いや、この設定疲れるんだ、あと喋り方が変だぞ」



「ぼく…ウザイ…です」


無理なら無理とそういう契約魔法を使われる、私は無駄に耐性があるらしくてすごく痛い



「僕…は、獣人のクロ」

「クロじゃない、やり直し」


むううう!





何日か経過した、毎日シロに会いに来てるけどジェルの向こうで動かない


キミドリは忙しくしてる



表だった形として戦争はこっちが仕掛けたらしい、私たちの出番は明日かもしれない

…この戦争なんだかきな臭いけど



「…ねぇキミドリ」

「あ、はい、く…アンさん」


…アンは設定の名前、呼ばれる度に違和感だ


「そういえばどんな薬作ってるの?」


明日飲む薬だけど攻撃力アップとしか資料に書かれてない


そんなわけがあるか、元はシロが作ろうとしてたってことは意味不明な効果があるに決まってる



「幻覚ですねー…あ、内緒だった、まぁアンさんは耐性あるので二本飲まないと効かなそうですけど」


「…あはは」

え、匂いが嫌なんだけど、それを二本も?



突如何も無い空間から声がかけられる

「アンー私だー!」

「フウカ?」


「フウカじゃない、カンザシだ」

フウカは透明化して私に付き添ってくれるみたい

なんか偽名とかも自分で考えてた


…っていうか忙しいからか、それともシロがいないからか放置されてる


勝手に別の施設行ったとか聞いた、もしフウカが寝返ったら私たち終わりじゃない?



「ここだー、認知してくれよー」


私は何となくどこにいるか分かる


効かないからって薬を使いすぎ

もしかしたら私よりバカかも


「カンザシさーん?どこですー?」


キミドリじゃ無理だ

そっちにはいない





その夜、招集がかかった


夜明けと共に掃討戦として送り込まれる


教えられた状況的にほとんど勝ちみたいなもんだな、早くに戻れればメインの部隊に入れたかもしれなかったか…



「では、合図と共に攻めるよう」


「「「はっ!」」」


周りに街の正規の兵士たちが揃っている


正直おっかなびっくりなところがある、居心地わるい…



「あ、いましたわ、あなたですわよね?」


「う?」


二人組となり光の街を攻め落とすという

私の相方は…

「えっと…お姫様?」


「あ、いえいえ、私はメシアと申します、第六遊撃隊、盾役ですわ」


本に出てきそうな人が相方のようだ


「えっと…僕はアン、獣人の…うん」

「はい、よろしくお願いいたします、支給品はもう飲まれましたか?」


支給品…あぁ、幻覚の薬か


…「まだ」


まぁ…飲んだ方がいいよね




二人と透明一人は光の街に結構早く着いた


透明のカンザシってやつが走るより風で飛ぶ方が早いと私の耳元でうるさかったから、空を翔けるように移動した



「…凄いんですね、アンさん、夜明けまでまだまだありますわ」



「…潜伏してよう」



ふわふわの目立つドレス姿のメシアはドレスを裏返して地味な黒いドレスになっている


「二人なら、入れますわ」


黒いドレスはその場に直立して簡易テントのようになった


狭いが…入ると全身に細かく盾が張り付いた黒タイツのメシアが


「あまり見ないでくださいまし、致し方なく、ですわ…」



そういえば第六遊撃隊は変人集団と聞いた覚えがある



「…まじか」


…凄いし、助かるけど、まじか


「…出来ればご内密に」


…敵だからヤダ





「そういえばアンさんは聞きましたか?光の街を乗っ取った魔物の事」



…乗っ取った魔物?


「…詳しくない」



「街の中にダンジョンが出現、知能のある魔物がダンジョンから溢れる、際限なく出てきたようで、聖騎士も敗北、乗っ取られたようですわ」


「…それで?」


「ええ、この魔物討伐隊が組まれたらしいですわ」


…んん?



…考えるのやめていい?



「知能ある魔物、下級ですとゴブリンですが、上級にはドラゴンが位置します…ですが今回は軍団として連携してくるようです…わたくし守りきれますか少し楽しみなのですよ」



…よくしゃべるなぁ


全身に盾が着いてるんだから守れる…あぁ、私を守るのか…だから盾役


…ほへぇ





「アン、敵がきている」


「…今の声は?」

「…風の魔法、それより!」


フウカ…じゃなくてカンザシ、心臓飛び跳ねる…



…敵兵の銀色の鎧が暗い木々の中でもギラついている


「一瞬でやれる?」

私がつぶやく、カンザシ宛に


「え?まだ遠いですわよ」


「やろう」

カンザシが返事をする、射程内か…


「えっ!?え!?」



ザワりと風が、少し強く吹いた


その瞬間に銀色の鎧の男は首が飛び

同時にこちらに飛び跳ねてきた



「ぎゃぁンがんんんん!っ!」


急に化け物じみた挙動で飛んでくるからびっくりした、メシアが叫び声をあげる程度には


潜伏中だっての…

メシアの口を力任せに抑え込む



カンザシが血の跡や死体をバレないようにこちらに吹き飛ばしていたらしい


一言言って欲しかった


「…初めてみる魔物ですわね」


草に隠している途中、メシアがそう呟いた


…まもの?これが?どう見ても人だけど?



…あぁ、そういう設定になってるんだ

薬、幻覚で、わざわざ


四つん這いでメシアのドレス、簡易テントの中に入る



「さっきの話、もっかい聞かせて」





少なくともメシアはこの戦いは人同士の戦争とは認知していなかった

魔物からの街の解放戦と思っている



何が起きてるのか全体が見えない

この戦争の理由は?目的は?

…まぁ知らなくていい



攻め落とせばいいことに変わりはないだろう



合図がきた

街全体が光に包まれたら、というものだ


普段こういう時は火種を降らす花火を使うのだが今回は光る剣だった



「いきますか?」

「うん、いこう」


メシアはドレスを着て、二人で姿勢を低くしながら光の街に近づいていく


思ったよりも合図が早かった




光の剣ということにもう少し違和感を覚えるべきだと後悔する


街に近づいたところで堀に潜伏していた敵兵が現れた


作戦だと居たとしてもここらの敵は掃討済みのはずだ

じゃあ先程の光は、敵の攻撃か…

合図じゃなかったのか


「光の矢!うてぇーーい!」


六人集団が三つ、十八人から矢が私たちに向けて放たれた


…ううぅ

展開が結構急ですよね…

もうちょっと何とかならんかったのか…

次回書きたいことの一つが実を結びます


…メシアは同作者別作品のキャラなんですけど、いや、ごめん、書きたいこと優先しちゃうね?

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