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悪の組織の悪たるゆえん  作者: ファイル
18/35

私と温泉と混浴と


りょっこうーりょっこうー!


ルンルンです

楽しみです

ウキウキです



なんだかんだで火の街、炎だったかな?

の街に行くのは初めてなんですよ


あそこ温泉の観光業はなかなかですがダンジョン少ないし温泉占拠のメリットも少ないですし


土地も土地です、薬草系統が少ないんですよねぇ



今回はナコさんを連れての温泉旅行です

ナコさんの心の傷…があるのか知りませんが

少なくとも体は癒しにいきます




っと、その前にボスから招集がかかってました



「…え、炎の街に行くの?」


「あ、はい、その予定ですね」


予定があるのか聞かれたので答えたら、え?とは


ついでにキミドリさんが大量生産してくれているのでその報告も


だいぶ板に付いてきたこと、最後に私が一つ一つ確認するので品質の方に問題は無いはずとのことなど



「いや、最近流行してるはやりの病気を何とかしてくれないかなって…」


それ噂じゃなかったんですね


なんでも魔力系統に異常が発生して魔法を阻害されるとか

ウイルスらしく

留まるところを知らないらしいです


発生源が気になりますね


回復魔法系で治せないらしくて苦戦中みたいです


「まぁ暖かい炎の街なら蔓延しないとかあるのかな…私も行こうかな…」


ボス、つぶやきこぼれてます



「あと、ネクロマンサーのやつが手頃な体をいくつか欲しいってさ」


ほいほい、また、ですね


「次はどんな魂を見つけたんですか?」


「知らん、アイツは私にすら教えてくれんから」


…ネクロマンサーさん、ボスが拗ねるので教えてあげてくださいよ


ボスの友達のようで組織の輪からは離れている方です


本来は関わることがなかったはずですが私の実験とお守りの縁からか少しだけ会話の場を設けてもらったことがありました


まぁ、私と同じタイプです

直接会って話すことなんてありません、組織外の方なので魔法でのメッセージのやり取りも出来ませんので文通です


私も気楽なのでいいですけどね



ボスの表の顔は結構顔が広い方のようで色々な知り合いがいます


零した言葉とかの予想からその中の一人が予知能力者、その方が死ぬ未来を変えるための薬を私は研究している、という感じでしたね



あれからも指示はちょくちょくきてます



少しズレましたね…ネクロマンサーの話でしたっけ?


以前は人体実験をしていて亡くなられた魂…実験している側の人の体を用意しましたね


今回も体の用意ですね


健康体から型を取り人工スライムで作る


…粘土みたいなもんですよ

この話はそのうちにでも

ボスの愚痴が終わりそうなので



「…ん、関係ないな、済まない、えっと、炎の街に行くんだっけ?病気の事も頭に入れといて貰えると助かる、せっかくだから宿もだすよ」


…ボスと仲良くなるといいことがあると思います


持つべき友好関係は権力者ってね




炎の街は観光業なので組織の方で宿をいくつか持っているらしいです


凄いですね…宿があることもですが、炎の街の賑わいも、ですかね?



そこそこな荷物を準備していざ、転移


私にナコさん、透明なサクラさんもいます



「あ、あったかい」

「あそこ!湯気出てる!」


土地からして暖かいのでしょう、火山が見えるとも聞きました、それくらいに近いのでしょうね


組織の転移を使い炎の街の支店へと来ました

ついた部屋から見える景色には湯気が立ち上っているのが見えます



温泉街…というのでしたっけ?

こんなことなら機械世界の本をもうちょっと読むべきでしたかね…

あちらは学校という学ぶ施設が…いえ、この話は今することでは無いですね



「まずは宿の方に向かいましょう、支店からも近いらしいので」


「うん!」


あ、可愛い、なでなでしたい


ナコさんは現在私に対しての認識阻害及び幻影を使ってません、バレてる人に無理やりやるのは魔力消費も激しく精神的疲労も大きくかかるらしいです



なのでちょうどいい背丈の淡い薄黄色髪くせっ毛猫耳獣人のナコさん、しかもぴょこぴょこしたしっぽ付きです


かわいいっ



撫でくりまわしたいっ



今は我慢です

転移を管理する人が早くどかねぇかな的な目線を私に向けてきます


はい、どきます…はい…





宿につきました、とてもいい所ですね、内装も装飾のある家具があります、使いづらそうですが




部屋からの景色は期待しすぎたのか普通ですね

まぁ広くてくつろげるので景色は求めていませんが


足の装備、私は普段靴ですが、そちらを脱いで部屋に上がるようで少し戸惑いました


緊急時に逃げ遅れそうですね



部屋の床部分は謎の素材で敷き詰められていて踏み心地も悪くないです

黒地の薄いタイツなので普段と違う感覚も戸惑う要因です


まぁ構いませんが




ではそろそろ向かいましょう、温泉です


普段は水のでるシャワー、水浴びを魔力を使いお湯にしていました

最近は魔石なんてついており温水冷水変えれるシャワールームでした


そんな普段の生活からはかけ離れた

大浴場という存在


いつも土埃にまみれる冒険者では湯を張る文化はないです、排水、清掃に魔法を使う必要が出てきますので


なので何人もの人が一度に入れるような広さで湯を張るとは…恐れ入りました、温泉、大浴場…



「ぶはぁあ…きもちいいぃ…」


おっと、変な声が



薬漬け施設のジェルをお湯にしたらこんな感じなんですかね



なんでしょうかね…じんわりと溶けるような心地良さです




あぁあ、これが体の芯からあったまるというやつですか?


「ねぇナズ、なずぅ」


「はいはい、なんですかナコさん」


「効能って…これ全部強化されるの?」


「あぁー…そうなんじゃないですかね」


いくつか怪しいのやら見た目わかんないのありますけど…

大事なのは…なんでしょう、ゆったり感?とかそういうのじゃないですかね



「魔力増加…」


ナコさんが目をキラキラさせて読んでます

薬での潜在能力上昇で永続的なものはないです


…むぅ、温泉に負けました

けど許せる気もあります

気持ちいいですし


「サクラさんも読んでおくといいですよ」


返事はなくちゃぷちゃぷと音がしました


…透明だからといって温泉に入ると位置がわかるとかはないんですね

雨環境など試したいことが出来ましたね



それにしても大浴場、こんなに広いのに私たちだけで使っていいんでしょうか?

貸し切っている訳でもないですし、脱衣場から見るに多人数での想定です


…人がいないんですかね?

あとは時間帯ですかね?




受付の方に聞いてみるとやはり時間帯が関わっていると


「温泉巡りも悪かないよ」

「ほう、温泉巡り…」


面白い温泉や変わった温泉もあるらしいです

客寄せのために色々工夫しているみたいです



「そんなわけで温泉巡り、興味があります」

「ふんふん」


ナコさんも耳が行きたいと言っております


特殊な服装に着替えて他の宿に突撃です

動きずらいやら色々ありますがこちらの服装ですとほとんどの宿の温泉を巡ることが出来るようです


いいサービスですね





そんな感じで温泉巡りをしていると日も暮れてきました


こちらの温泉の後は泊まる宿に戻りましょうか



「外に湯船があるんですか?」


「そうとも、絶対気持ちいいからよ、是非入って言ってくれよ」



露天風呂というらしい、炎の街は火山に少し沿ったような街でこの宿より高い立地の宿はほとんど露天風呂があるらしい


…なんで?



かれこれ六つめの宿、温泉です、途中も全部回った訳では無いので半分も回れていませんが温泉も奥が深いようです



「わっ、湯気がいっぱいだ」


ナコさんと共に大浴場に入ります

視界が霞むほどの湯気がいっぱいに広がっています

水の音から何人か入っていますが、その姿は湯気で見えません



「真っ直ぐ露天風呂に向かいますか?」


「うん!」


ナコさんも楽しみなようです

立地的に景色は良さそうですよね



「……さむっ」

「…さむい」


外は夕焼けを過ぎ、薄暗くなり始めていました


そして風がとても冷たいです

裸にこの冷たさは風が身に刺さるようです…



「…うぅ、こんよく?」

「ナコさんどうしました?早く湯船に浸かりましょう…」


出入口近くの立て札をナコさんが読んでいます、外に立てないで欲しいですね


中は湯気で読めないでしょうけど

なら外なのか…



「お、こちらも、にごり湯というやつですね」

白い湯船が見えてきました

露天風呂まで距離があるのも体が冷えます、この宿ハズレじゃないですか?


くうぅ…


しかしにごり湯、何個目かの時にも入りましたが肌がスベスベになるのです

私は好きですね



「あちゅ!?」


ナコさんが足を湯船に入れて出てきました


浸かったところが真っ赤です


「ほ、ほんとに熱いじゃないですか…」


足先から少しずつ湯船に浸かっていきます


熱いのに寒い…慣れが必要なんでしょうね


「あつ、あつっ」


ナコさんはサクッと入りました

私も我慢しましょう…


「…あぁー」


肩まで浸かり外を見ると炎の街の灯りが連なるようにのびる様子が見えます


縦長の街なんですね


先程からも見えてましたが湯船に浸かりながら灯りのつき始めている街を見るというのはなかなかいいものです



露天風呂、景色の良さは最高ですね、目で楽しむ、と言うやつでしょうか

風がなければいいんですけど


風の魔法使いさんはいませんか…?



「あら、混浴に入るとは、物好きなんですね」


私たちが景色を楽しんでいると話しかけてくる方が


…混浴?入ると物好きなんですか?


「こんばんは…露天風呂とはいいものですね、景色が何よりもいいです」


風が和らいでいきます

緑髪の女性、風の魔法使いですね、助かります


顔が風でカサカサになるところでした



「景色ですと二番目に上の宿がおすすめですよ」


ほうほう


明日にでも行きましょうか


「こちらはよく来るんですか?」

「そうですね、この街で勇者の真似事をさせてもらってまして…他の街から?」


あっと、街の勇者は他の街にも公開されています、私も目を通してます、女性の勇者は少ないので覚えてましたとも、えぇ

他が勇者と呼ばれる中この街では用心棒とか呼ばれてますが


「フウカさん、ですか?」

「えぇ!私なんかを覚えてくださるなんて、嬉しいですね」


炎の街に正式な勇者はいません、強いて言うなら冒険者代表、普段は街の外で魔物を狩って街に近寄らないようにしてくださいます


確かこの街は代表が二人体制だったような


「こんよくって?」


ナコさんがちゃぷちゃぷと移動しながらフウカさんに聞きます


「まあ可愛らしい、猫耳の獣人さんなんですね」


「にゅっ…」


あ、看破されてる


フウカさん、強いですね

白いタオルではっきりとは見えませんがスタイルもいいですし…

スタイルもいいですし…



そういえばここのタオルは他より大きいですね

フウカさんのように全身を覆えます、風対策ですかね?

私もそうしますか


「混浴と知らずに…あっ」


え、なんですか


「主…」


うおっびっくりした

サクラさん耳元で…喋らないと意味が無いですね


「男性が近づいてます」


ふむ、ふむ?


「えっ?」




「お、美人がはいってるとぁ運がいい」


「う?…ぁ?」



温泉では男女は別々に別れています、宿によっては男性専用、女性専用の宿としているのも見かけました



素肌を晒すのです、そういう常識なのだと思っています、おもってました!


「アグ!この人たちは混浴って知らずに入っちゃったの!ほら!戻って!」


私がサクラさんに斬りかかって貰おうと思った矢先フウカさんが立ち上がって男性を追い払う仕草をします


シッシッと



「ぬはは!ちょっとァいいだろ?見て減るもんじゃねーよ」


赤い髪のツンツン野郎が何か言ってますね

やはり斬って貰いましょうか




「アグ、そういう軽率なところが嫌って前も言ったよね?」




空気の流れが変わりました

文字通りに


露天風呂の湯船の周りの木や草がバサバサと風に靡き、吹き飛びそうです


…しかし、その反面ものすごく静かです



ナコさんがそーっと私のところに移動しています

顔はすまし顔ですが耳がへにょってます


分かります、湯船から出してる顔が斬り飛ぶんじゃないかと思うような空気ですもんね



「あ、やっ、悪かった、冗談だ、ほんと、軽い冗談だって」


男性も焦り、ワタワタと両手を動かしています



「……軽い冗談?」

「いや、違う、冗談じゃない!えっと!そう、本気!本気なんだ!」


「本気のナンパってこと?」


「え?は?いや、えっ!?」



「口だけじゃない!」



キーンと高音が耳を支配しました

次の瞬間男性が舞い上がり吹き飛びます


…露天風呂から見える景色の方に



「あっ」

「うなぁ…」



「うわぁぁぁあああ!?!?」


斬って欲しいとは思いましたが、この瞬間は心配が勝りましたね


…うん

宿の部屋は畳

特殊な服装は浴衣ですね

浴衣を着てカランカランと音を鳴らして街を歩くのは風情がありますよね


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