激動
ハル高に宣戦布告に行って三日後・・・
拓は屋上でタバコをくわえて下を見下ろしていた。
龍二は少し距離をとってアスファルトに寝転んでいる。
「はぁ~」拓はため息を吐き、目をつぶった。
車のクラクション、バスのエンジン音、鳥の鳴き声
色々と耳に入る音の中に砂利を踏む音が聞こえ拓は目をうっすら開ける。
門の所にはハル高の制服を着た男がこちらを見つめて立っている。
「あいつな~にしてんだ?」
拓は静かに下へ降りて行く。
龍二は爆睡している。
5分後・・・
拓はその男の前にたどり着く。
「なんか用か?」拓はくわえタバコで口を動かした。
「けじめをつける日を伝えに来たんだよ」
「あ~そっか、で?いつ?」
「てめぇやる気あんのか?」拓の緩い返事にイラッとする。
「あ?さぁ~な」拓は耳に指を入れながら返答する。
「てめぇーな!!」
「いいからさっさと教えろよ」
龍二は目を覚まし拓がいないことにしばらくして気づく。
そしてかすかに聞こえるグラウンドの方を覗くとそこには拓が居た。
拓はハル高の人と共にどこかへ歩いている。
龍二は大きな声で拓を呼んだ。
拓は声に気付き龍二に手を振る。
「どこ行ってんだよ?」
「はぁ?」
「どこ行くんだよ?」
「はあぁ?」
龍二は仕方なく下に降り拓のもとへ向かう。
下駄箱付近で拓と遭遇する。
「どこに行ってんだよ?」と改めて聞くと拓は頭を掻きながら言った。
「なんかよ~もう来てんだってよ」
龍二は理解出来ずとりあえずついて行った。
向かった先は体育館だった。
ガラガラッと重たい鉄の扉を開けると中にはハル高の頭が待っていた。
「人の学校にずうずうしく入ってんじゃね~よ」と拓は上履きのまま上がった。
「お前も俺達の学校に来ただろ?」
「あ!そっか・・・ん~じゃ!ケンカしますか?」
拓は腕まくりして笑った。