激突
いつだろうか、日付さえも忘れてしまった。
あの怪物がハル高に攻め込んで来たのは
あ…思い出した。あいつは俺の顔を蹴り上げて去ってたんだ。
「出てこいやぁ~!ゴラァァァァ!!」
拓はハル高に一人で乗り込んだ。
「てめぇーここがどこか分かってんのか?」
「いい度胸してんな~テメェ!!」
ぞくぞくと拓の周りに人が集まった。
「あ~もうてめぇ~らうるせぇーんだよ!!!」
拓の言葉で周りが一斉に黙った。
「俺が東学で一番つえ~んだ。俺の周りの奴らをボコボコにして威張ってんじゃねーぞ」
ハル高の生徒達は動揺し始める。
「う・・・嘘つけ!お前らの頭は村田信二だろ!?」
拓は笑って言った。
「あんなザコと一緒にすんな!俺が東学の番長、桐嶋拓だぁ!よく覚えとけ」
ハル高の生徒は口を開けてポカーンとしている。
その中の一人が「じゃぁお前をやればいい話だな」と言い、全員が拓に詰め寄る。
「てめぇらに構ってる暇はねーんだよ!お前らの頭呼べ」
拓は人の群れを押しのけ前へ進んだ。
その時、腕を掴まれ一人が言った。
「頭に会いたいなら、俺達をなぎ倒してから、ここ上がって行けよ」と校舎の上を指差した。
「なんだと・・・」
拓はとっさに自分は敵軍に一人で攻めた弱い武士に思えた。
そして校舎はとてつもなく大きな城に見える。
「やってやるよ・・・」
「は?」と拓に聞き返す。
「やってやるって言ってんだよ!バーーーカ」
拓はすぐさま腕を振り、周りの人をなぎ払った。
そのころハル高の頭は三階から拓の喧嘩を見ていた。
「あいつバカですね。あの人数に一人で挑むなんて」と子分らしき人が言うと頭は笑い教室から静かに出て行った。
子分はどこに行ったのか不思議に思いながらも下を見ているとそこに頭の姿が見え驚いた。
下で争っている者たちも手を休めおとなしくなった。
拓は突然の出来事にみんなが見る方向に振り返る。
そこにはこちらに向かってくる一人の男がいる。
周りの人達が避け、自然と道が出来る。
拓はそいつのオーラに気付いた。
「来たか・・・」
「俺に用か?桐嶋拓」
「俺とタイマンしろ」
「で?俺が負ければ?」
「あんたが負ければ二度と俺達に構うな。そして覚えとけ、俺がハル高を潰した男だってのを」
「ここでお前を簡単に潰せるのにそんなタイマンなんて受けると思うか?」
「あんたなら受けるさ」
お互いニヤッと笑った。
そして拓は制服のボタンを一つ外して地面に置いた。
「返しに来い」
そう言うと拓は手をポケットに入れ、ハル高を後にした。
「どうすんですか?あいつ恐らく東学の頭じゃないですよ」
「そんな事は分かってる」と言い、ボタンを拾う。
「返しに来い・・・か」
そのボタンを上着の右ポケットに入れた。




