表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鶴見日向子の独り言(還暦過ぎてうつ病になった主婦の日記)  作者: 鶴見 日向子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/73

精神科の話

精神科を転院した話

最初に精神科へ通うようになった理由は、実は息子の付き添いでした。


詳しいことは書きませんが、息子の一人は重い障害を持っています。


本当はこの話を書くつもりはありませんでした。少々重い話ですから。


ただ、このことを書いておかないと、これから先の話が少し不自然になってしまうので、頭の片隅に置いておいていただければと思います。


その頃、息子の精神状態が不安定になり、通所施設の方から勧められて精神科を受診することになりました。


ちょうど同じ頃、私自身もさまざまなことが重なり、ほとんど眠れない状態になっていました。


そこで、息子の付き添いだけでなく、私自身も診てもらうようになったのです。


今振り返ると、それはよかったと思います。


精神科に対する抵抗感がぐんと下がったからです。


最初に通った病院は少し遠方にありました。


とにかく混雑していて、数時間待ちは当たり前。


それでも当初は診察も丁寧で、話もしっかり聞いてくださいました。


ところが、コロナ禍を境に患者さんが急激に増えました。


午前中の早い時間に行っても、


「本日の受付は終了しました」


となっていることがありましたし、午後に行っても、


「診察開始は30分遅れます」


という張り紙を見ることもしばしばでした。


駐車場は狭く、いつも満車。


ようやく診察を受けても、ほんの一言で終わってしまうことが増えていきました。


当時の私は症状が落ち着いていたため、断薬を希望していました。


相談したところ、


「やめていいですよ」


との返事。


以前、デパスの減薬で苦労した経験があった私は、


「そんなに簡単な話ではないのでは……」


と不安になりました。


転院を考えましたが、近くの精神科には苦い思い出があります。


正直なところ、


「あの先生なら数時間待ちの方を選ぶ」


と思うほどでした。


どうしたものかと悩んでいた時です。


何気なく「精神科」で検索してみたところ、自宅のすぐ近くに精神科のホームページが出てきました。


「えっ? こんなところに病院なんてあった?」


よく見ると、開業して間もない病院のようでした。


予約制で駐車場完備。


近くには大きなスーパーもあります。


そして何より近い。


私はすぐにホームページから事情を書いたメールを送りました。


「紹介状がないのですが、受け入れていただけますか?」


すると、


「大丈夫ですよ。予約をお取りください」


とお返事をいただき、無事に転院することができました。


初診の日、先生はまず確認してくださいました。


「息子さんは今までのお薬で様子を見て、お母さんは断薬を希望されているのですね」


そして、


「断薬は自己判断で行うと危険です。こちらでしっかりサポートしますので、一緒に頑張りましょう」


と言ってくださいました。


その言葉に、とても安心したことを覚えています。


さらに驚いたことがありました。


「ご本人の診察なしで薬だけを処方することはできません」


と言われたのです。


私は何年もの間、自分の受診のついでに息子の薬を受け取っていました。


それが当たり前だと思っていたので、とても驚きました。


その後、血液検査も行われました。


前の病院では一度も受けたことがありませんでした。


検査結果を見た先生は、


「お母さん、お薬の影響が出ていますね。断薬を急ぎましょう」


と言われました。


後になって薬の副作用と思われる骨粗鬆症が見つかり、治療を受けることになりますが、それはまた別の機会に書こうと思います。


半年ほどかけて減薬を進め、最終的には断薬に成功しました。


そして先生から、


「完治と考えてよいでしょう」


という言葉をいただいたのです。


その時のお話は以前書いているので、ここでは省略します。

(詳細は「現在の話」をごらんください)


息子の薬も見直されました。


先生はカルテを見ながら、


「この薬、本来は朝に飲む薬ですよね。ずっと夜に飲んでいたのですか?」


と首を傾げておられました。


話が少しそれますが、その病院は今でも大変な人気です。


私たち親子には、新しい病院の方が合っていたのでしょう。


そして何よりありがたかったのが、「自立支援医療制度」を教えていただいたことでした。


「私でも対象になるのですか?」


と聞くと、


「もちろん対象になりますよ。長く通院されていますから」


とのこと。


申請したところ、無事に利用できるようになりました。


その時は、


「もう必要なくなるだろう」


と思っていました。


完治と言われたのですから。


ところが人生はわからないものです。


一年以上経ってから、私はうつ病を再発しました。


今では息子よりも私の方が頻繁に通院しています。


後になって先生から、


「あの頃の日向子さんは、地獄をまとっているように見えました」


と言われました。


自分では必死で生きていただけだったので、少し驚きました。


それでも今は、小説を書いたり、好きなことを考えたりできています。


再発した時は絶望しましたが、以前通院していた経験があったおかげで、早めに受診することができました。


精神科は相性もありますし、運もあると思います。


もし今つらい思いをしている方がいたら、


「自分に合う先生に出会えることもある」


ということだけは、お伝えしたいです。


「先生、開業してくれてありがとう」と今でも感謝しています


最近、評判が広まって、予約が取りづらくなりました。

でも予約制なので、ちゃんとお話しを聞いてくれます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ