舞いの奉納、私の使命。
夢?
また意識失っちゃたんだ。
見た事あるような景色。
暗くて深い山の中で巫女達と大妖魔達が何かと戦っている。
邪悪な何かが魔獣を召喚した。
大妖魔達が魔術で魔獣を吹き飛ばす。
でも、魔獣の肉体が一瞬で元通りになっている。
不死の魔獣だ。
邪悪な何かが不死の魔獣の中に入り込んで融合した。
邪悪な不死になり、満月を背に大きな翼膜を広げ飛び立とうする。
巫女達が眩い炎に舞いを奉納しだした。
色んな子がいる、みんな綺麗だ。デジタルみたいな不思議な能力を操る子もいる。
大妖魔達の体が虹色に輝き出して、別次元への神々しさになった。
理外の魔術で山の上空が埋め尽くされる。
邪悪な不死は山が砕ける程に暴れた。
だけど、大妖魔達の圧倒的な魔術に捕えられ、黒い棺へ封印された。
巫女達、幾人かが倒れ、残った子達もかなり傷ついている。
残った子達が私を見た。
彼女達の想いが一気に流れ込んでくる。
闇はまだ続くのか……
そこで終わる訳にはいかないんだね……
強い気持ちが溢れてくる。
私、戦わないと。
未来の為に。
未来の仲間達の為に。
目を覚ました時、私はメリケンパークから少し離れた場所にある小さな公園のベンチに横たわっていた。ヒボシがおぶって運んでくれたらしい。
曖昧な記憶が蘇る。
「ソリッドマンは?」
「ダメだった……回復も効かなくって」
ヒボシは何も悪く無いのに申し訳無さそうな顔をした。
……
「そっか……」
あのエネルギーを受けたんだもん、形を保ってただけでもすごいぐらいだよ。
カナタ……ありがとね。
かっこよかったよ。
私達は歩いて道路へ出た。
メリケンパークの方へ、パトカーに消防車、政府関係者や報道陣達の車が一斉に集まってきている。
「私何時間ぐらい寝てたの?」
「三時間ぐらいかな……?」
「え!そんなに!?」
「うん」
ヒボシはその間に、ソリッドマンを蘇生させようとしてくれたり、私をおぶって運び回復魔術をかけてくれたりして、今の今まで見守ってくれてたんだ。
泣き言なんて言っちゃダメだね。
「ありがとね、もう大丈夫だよ。取り敢えず帰ろっか?」
カナタみたいにかっこよくならないといけないんだもん私、悲しむのはその後でいいや。
「そう……だね」
ヒボシはメリケンパークの方を見て、いいの?と言うように少し気を遣ってくれるような言い方をした。
私は微笑んでその気持ちに応えた。
「早くシャワー浴びたいしね」
磯の匂いがする服を嗅いで笑う私。
「間違いないね」
ヒボシも屈託の無い笑顔で笑った。
私達は駅へと向かい、そのままヒボシの家へと帰った。




